◆釣行記`~川を選ぶということ その2 (1/2) | 「 晴 釣 雨 讀 」

「 晴 釣 雨 讀 」

晴れた日は大いに釣りを樂しみ…
 雨の日は靜かに讀書や道具の手入れに耽る…
   無理をせず、焦らず、穏やかな心で渓魚との駆け引きを満喫する…

 …ある方から頂いた言葉です

  渓流ルアー釣りや関連することに触れていきたいと思います

 公私共に忙しい時期が続いており、更新が滞っておりますことを御容赦願います。

 今回の記事は、7/14(土)の釣行記となります。

 

 7/14(土)に、パートナーズの忠さん(佐藤 忠雄さん)主宰の『山女魚乃忠学校』に於ける実釣講習(=登校)として、忠さんおよび、私と共に忠学生で当ブログに何度も登場頂いている埼玉のMさんと御一緒に3人で釣行しました。

 

 Mさんから忠さんへ「7/14(土)15(日)に登校したい」との申請があったのは7/9(月)のことです。

 私もお誘い頂き、参加できることを忠さんへ7/12(木)にお伝えしたところ、「それでは、先週のことを踏まえて、段取りを任せたい」との御指示がありました。

 秋田市内は前日の7/11(水)より雨が降り、この7/12(木)が最も強く雨が降っている状況で、各河川の水位も上昇しつつあり、予報も13(金)未明まで雨は強く、夕方まで降り続くとありました。

 先週の7/7(土)と似たような登校前日を迎えることになりそうな気配です。

 登校当日が晴れても、前日が降雨の状況となりますと、先ず考えたのが流域の伐採の有無です。

 理由として、第一が身と車の安全の確保と、第二が濁りの影響が登校へ障らないことです。

 この時点で選択できる河川では2~3箇所しかなく、概ねの場所を馬場目川上流域と定めます。

 

 翌朝7/13(金)朝6時すぎの状況は、弱い雨が降っておりました。

 そして、秋田市に洪水警報ならびに避難準備情報、内陸に土砂災害警戒情報が出ておりました。

 秋田県河川砂防情報システムで雨量と水位を確認しますと、太平山地を中心に大雨となっており、その一帯の観測点で雨量が100㎜前後となっておりました。

 しかし予報では、9時以降には雨が止み、その後は曇り続きで降水量は無さそうでした。

 

 明朝まで雨が降らないことが確定的でしたので、昨晩の見立てどおりの釣行が可能と判断しました。

 そして直ぐに忠さんとMさんへその旨を連絡して、「今晩に忠さんと相談の上で判断する」としました。

 

 17時半頃、秋田市中心部を流れる旭川の様子です。

 正午には、曇り空も徐々に明るくなり、各河川の水位も徐々に水位が落ちてきており、この旭川の濁りも午前中に比べると、少し低くなっておりました。

 

 再度、秋田県河川砂防情報システムを確認しますと、各河川の水位が順調に下降しており、忠さんにその旨を相談して、昨晩の計画のとおりで了承を頂きました。

 

 7/14(土)の朝を迎えて情報を確認しますと、大雨と洪水に関する警報・注意報は全て解除されており、雨雲レーダーおよび予報も問題なしです。

 あとは濁りや崩落等の有無が気になりますが・・・、こればかりは現場へ着かないと判らないことです。

 期待と不安を胸に、自宅を出発しました。

 

 五城目町に入り、保呂瀬トンネルで忠さんとMさんと合流しました。

 今回もMさんは埼玉から遠路はるばる、昨晩から自家用車を運転されての来秋であり、登校回数も今期は通算で4回目となります。

 地の不利を一切感じさせずに、飽くなき探求心と釣りに対しての真摯な姿勢は、誠に素晴らしいことと存じております。

 

 保呂瀬の堰堤です。

 さて、先週の7/7(土)の釣行時は、これから水位・濁度が上がる状況でしたが今回は逆で、前々日までの雨の影響により"どこまで水位・濁度が下がるのか"という状況です。

 この場所は萩形ダム水を放流する杉沢発電所より下流につき、目指す上流域の状況は図れません。

 しかし、発電所の放水による増水および濁りが含まれていることは、容易に察することができました。

 

 ちなみに、この堰堤の正式名称は「川台堰堤」と呼びます。

 保呂瀬トンネルが貫通している山の一帯の地名が川台であり、住居者もいないことから、当ブログでは便宜上、保呂瀬トンネルに倣って「保呂瀬の堰堤」としていることを御容赦願います。

 

 上流域へ進み、各支流の合流点を見ますと、どちらの流れも濁りは少ないのですが、忠さんが「ん~、やはり支流より本流の方が増水している」と仰いました。

 

 更に進んで上流を見ますと、濁りは良さそうですが水量が多く感じられます。

 

 この堰堤で3人で車を降りて、どうするか相談しました。

 忠さんが私へ「さあ、あとの判断は任せるよ」と仰いました。

 ここでの選択は、当初の予定どおりに本流へ入るか、その下流の支流へ入るか、の二択です。

 この流れの水量から支流の分を差し引いた水量が本流の水量と思われ、支流の伐採および道路の悪さを踏まえると、当初の予定どおりに本流へ入ることを判断して、御二人の同意を得ました。

 

 道路で身支度を調えて、想定していた入渓点を目指します。

 

 この日の天気予報は曇りでしたが、見上げる空は快晴でした。

 

 支度が終わった頃に、何やら重機が動く音が聞こえてきました。

 見える範囲で周辺を見ますが、重機の走行や川を横断した形跡が見られません。

 

 不思議に感じつつ、入渓点に着きました。

 写真では判りづらいのですが、立っている位置から河原まで2mくらいの段差がありました。

 御二人は難なく下りましたが、私は杖捌きで、下に突いて下りるか、放り投げて両手で枝を掴んで下りるかの迷いが生じてしまい、杖を突こうと前を向いて中途半端な姿勢で動作へ移ったところ、斜面の崩れて、枝に左腕を挟めてしまい、二の腕を内出血させてしまいました。

 杖捌きで川歩きの要領を得た感じでおりますが、斜面の上り下りの要領を得るには、もう少し時間が掛かりそうです。

 

 7/14(日) 南秋田郡五城目町 馬場目川

 天候晴れ、気温24℃、水温15℃、水位 前夜の雨により増水で笹濁り

 増水の程度を自己基準で判断しますと、時間を掛けられさえすれば単独行も可能な感じでした。

 先ずは一安堵です。

 

 入渓点から忠さんがキャストを始めて間もなく、7寸ヤマメをヒットされました。

 

 写真では見づらいのですが、対岸に深みがあって、その駈け上がりでのヒットでした。

 "この流れでこのポイントなら怪しいのがここで・・・"を一目で見極め、このアングルからのスプーンでの釣果です。

 波を的確に読み、ルアーを自在に操作できなければ得られない釣果です。

 

 少し進むと、流れが僅かながら穏やかになりました。

 以降、開けた緩流帯があれば、Mさんがキャストする形で進みます。

 

 次の緩流帯を探して岸を上がり、川へ降りようとしたところで、忠さんに事故が起こりました。

 フックキーパーから外れたスプーンのフックが、右手の人差し指に刺さってしまいました。

 冷静な忠さんが、フックが肉に食い込んでおらずに表皮のみであることを見極め、忠さん自らがフックの先端を表皮に貫通させました。

 その後、プライヤーでカエシを潰して抜こうとしますが、大部分が潰れても、僅かにカエシが残ってしまい、表皮も薄いために引っかかってしまいます。

 仕方なく、フックの切断を試みて、なんとか切断できました。

 針と表皮の隙間・丸セイゴ針の形状・13号という大きさ・プライヤーの大きさと刃部分の形状、これら全てがギリギリ余裕のない状況の組合せです。 

 

 忠さんがティッシュを持っており、私は手袋殺菌用の燃料用アルコールを使用済み虫除けスプレーに入れておりましたので、血をアルコールで洗い流し、ティッシュで患部を覆います。

 "さて、何か括り付けられるもの・・・"と3人で考えて、私が予備スプールのゴム製バンドに気付くと、忠さんも持っておりましたので、それを括り付けました。

 忠さんが"これで何とかなった。絆創膏は車の中だし、暫くすれば血は止まるだろうから、何回かティッシュを替えながら進むことにしよう"と仰いました。

 しかし私の中で"はて、何となく絆創膏をベストに入れた記憶が・・・"と、全てのポケットを探してみると、内ポケットのポケットティッシュのケースの裏側に、3枚の絆創膏を入れていたのを見つけました。

 

 忠さんへ渡しますと、血が止まってから取り替えるとのことで、このまま進むことになりました。

 痛みも無かった様子で、直後のキャストもきちんとサミングされており、出血過多や痺れなどの症状であれば即病院へ直行の事態ですが、安堵しました。

 「備えあれば憂い無し」も、備えていたことを忘れてしまえば備えていないに等しく、危ういところでした。

 

 この日のMさんのラインスラッグは快調なのですが、水量が多いこともあって波問答が難しく、濁りもあって、反応が見えない場面が続きました。

 

 大きな木イチゴが、たわわに実っておりました。

 調べるとクマイチゴと呼ぶそうで、"クマが食べる"という意味もありそうです。

 

 その少し先で、ニオを食べたクマの跡を見つけました。

 

 先を行く忠さんが、"水が濁ってきた"と仰いました。

 やはりどこかで伐採しているのか・・・、単純に土砂崩れなのか・・・。

 これはこれで渓魚を狙えそうな雰囲気ですが、忠さんはこの"底が見えず・ルアーが見えず"の状況を見て、キャストせずに黙って上流へ進まれました。

 

 10分ほど進むと徐々に濁りが薄くなり、キャストを再開しました。

 遡行中に水位の変化もないことから、濁りが落ち着くことを読まれての判断であった様です。

 そして、この場面は左岸から右岸へ広い落ち込みとなっている大場所でした。

 流れが強くてアップでは蹴られるため、Mさんがダウンでキャストしますが、ルアーがどうしても流れに蹴られて、浅い左岸側へ寄ってしまいます。

 直後に忠さんから、模範実技を見せて頂きました。

 アングル・レンジ・スピードの、どれかが僅かにズレても成立しない、難しいキャストです。

 

 少し進んで、この流木脇へのダウンでのキャストで、忠さんが9寸弱のイワナをヒットしました。

 

 御二人が先に進んで右岸から左岸へ渡り、見つけたポイントを見極めながら歩速が落ちました。

 少し時間の余裕が生じる形で、目の前に緩流帯が見えてきたので、本日初の一投目をキャストしたのですが反応がなく、ラインを回収していると1番ブランクが外れた様に見えました。

 しかし、良く見ると1番ブランクが折れておりました。

 私は以前、グラス製ロッドを無傷で5年使用したことを踏まえ、このロッドがカーボン製であることに油断があったかもしれません。

 仕方なく、分割して短くしてからロッドベルトにまとめて、Mさんに頼んでベストの背面ポケットに入れてもらいました。

 

 図らずも私の以前のグラス製ロッドの話となったので、Mさんがお使いのグラス製ロッドの腰が抜けていないか、忠さんにチェックしてもらうことになりました。

 対岸のY付近のポイントに1投目をキャストして、「ん~、少し腰が抜けている感じが・・・」と仰りながら、即座に体がアワセの動作となり・・・、

 

 なんと、7寸ヤマメをヒットしました。

 忠さんが直後に「ほら~、このロッドでも、まだ釣れるよ~」と仰いました。

 このポイントは、忠さんがキャストする前にMさんがキャストしていた様で、図らずもの明快な比較検証となったことは幸運なことでした。

 しかし、ロッドの劣化については、これから先は常に注意が必要かと存じます。

 ちなみに私は、腰が抜けた状態のロッドでシーズンの半分程の長い期間を釣行していた可能性があり、事実なら誠に勿体ないことであったと、未だに存じております。

 

 増水の流れの中で、僅かな緩流帯へ限られたアングルから、Mさんがキャストする場面が続きます。

 御自身が想定したコースをトレースできないことが多かったのか、チェイスの有無に関係なく、項垂れる場面が普段より多かった様に見えました。

 それだけ気付きが多く得られたということかと存じます。

 

 "ん・・・、また濁ってきたな・・・"

 

 今回も迂回して進みながら、濁りが低くなるのを見極めることにしました。

 

 途中で、緩くて広めなICがありました。

 "いかにもイワナが居そうな・・・"と仰いながら、忠さんがゆっくりとアクションさせると、大石の影から、円を描く動線の、且つ追い剥ぎの様な激しい動きで8~9寸のイワナらしきが、ルアー目掛けて突進してきました。

 咄嗟にアクションを加えましたが、惜しくもバイトに至らずです。

 忠さんが"少し油断していた"と仰いましたが、今日一の大きい魚影で興奮しました。

 

 なかなか濁りが低くならないので、大きく迂回することにしました。

 

 斜面を少し上ると、川沿いに道らしき跡があります。

 忠さんが「ここは、かつての線路跡のはずだ」と仰いました。

 調べると、昭和15年から昭和46年9月まで五城目営林署管内に杉沢森林鉄道が運営されており、馬場目川上流から杉沢集落まで、川に沿ったルートで軌道があったとのことです。

 

 時計を見ると11時になろうかという時刻で、退渓も視野に、川の状況を見極めます。

 すると、濁りが低くなりつつありましたので、再入渓することになりました。

 

 大きい岩や石が点在する様になり、太い流れだらけにつき、ダウン&クロスを中心に釣り上ります。

 

 忠さんがこの複雑な流れから7寸イワナをヒットしました。

 キャスト可能な立ち位置×想定定位点×想定就餌点を踏まえて、適正なアングル・レンジ・スピード・アクションを以てヒットに至るのであり、これができて初めて「釣った」と言えます。

 

 また濁りが高くなってきました。

 

 これまでの状況を踏まえて忠さんが「時間を置けば濁りが引くだろうから、暫く待とう」と仰いました。

 

 大岩に腰掛けて上流を見ると、左岸から濁流が流れ込んでいる飛沫が見えました。

 どうやら、その斜面の上で伐採作業をされている様です。

 

 休息のときに、この杖がとても頼もしく、とても有難かったので、その気持ちを以て写真を撮りました。

 これまでの増水での遡行における杖の安定度は、これまでの伸縮式ウェーディングスタッフの比にならない程の抜群の安定度でした。

 特に川の横断では、この杖に大きな体重を掛けても全くブレが生じず、誰かの手を借りる必要なところでも、単独で横断が可能でした。

 伸縮式ウェーディングスタッフでは、携帯性の良さの反面、その構造故に強度が弱く、増水の流れの中に立てただけで共振してしまい、掛けられる体重は僅かでした。

 斜面の上り下りでの使い方に一考が必要ですが、この樫の杖は、私の釣行にとって必要不可欠なものとなりそうです。

 

 濁りが落ち着きつつありましたので再開しました。

 大きなYの先のICで忠さんがヒットしたのですが、引き上げの際に、流れに蹴られてバレた様です。

 

 緩流帯を探してキャストしますが、僅かに濁りが残っているので視認の悪さもあり、あまり反応が見えなかった様です。

 

 増水の流れに手こずりながら、ようやく狙い易いポイントが現れました。

 Mさんが写真の立ち位置から大岩の間の左側へキャストして、足元まで2投しましたが無反応でした。

 

 「ん~出ないか」と仰ったあとに、忠さんが写真の立ち位置から流木の下へキャストしたところ、7寸くらいのチェイスが見えました。

 

 そこで忠さんが「ほら、居るよ。そこから左側へキャストしてごらん」と仰いました。

 そしてMさんが指示どおりにキャストすると、7~8寸の魚影が、なんとMさんが立っている側の駈け上がりから猛チェイスしてきました。

 必至にMさんが反応しますが・・・、ダメでした。

 三人共に魚影が近くに見えていたので興奮しましたが、"惜しい!"。

 

 次も大場所でしたが、手前の大きな流れを越してのキャストです。

 アップなら勝負できそうですが、クロスのみの勝負となり、結局は無反応でした。

 

 川も斜面も行く手を阻み、斜面を大きく迂回しました。

 こうした難儀な場所限定で、こうした立派なミズを見掛けることが多々あります。

 自然と手が伸びました。

 

 濁流の発生源に到着しました。

 先程の休憩点から見えていた場所ですが、後日に地図を確認すると川の対岸に、地図にはない林道が航空写真に見えており、名も無き沢から伐採による濁流が流れておりました。

 長年通っておりますが、全くのノーマークでした。

 

 ようやく道路のある右岸側へ渡る目処がつきました。

 退渓点直前で、Mさんのキャストにチェイスがあった様ですがバイトに至らず、これにて退渓です。

 

 道路端の木陰にて"忠食"としました。

 恒例のカップラパーティー後にベトナム産コーヒーを頂きながら、午前中の釣りの話を中心に、大いに盛りあがりました。

 誠に楽しく、気付きが大いに深まります。

 

 予てからの私の釣行案では、勝手ながらMさんの睡眠不足への配慮と、事前に忠さんからも「16時までに帰宅したい」と伺っておりましたので、忠食後は解散を提案しておりました。

 しかし、忠食を終えてみて、結局はMさんに釣果が無かったことと、Mさんの表情が曇っていなかったことあって、私から「午後も釣りということで支流へ入りますか」と申し上げると、「よし行くか」となりました。

 

 ・・・と午後の釣行に入る前に、ここで記事を分割致します。

 アメーバブログの一記事に於ける文字数制限「HTMLタグ表示の状態で半角40,000文字(40,000バイト)」により、今回の釣行記を時間を掛けて何度か調整を試みたのですが収まりませんでした。

 御容赦願います。

 続きは「◆釣行記`~川を選ぶということ その2 (2/2)」を御覧願います。

 

 《2/2へ続く》