前回からの続き。今作ってるのはクローゼットコアのこのパジャマ。
裁断が終わったので、次はインストラクションに従って、パジャマのパンツから縫い始めることにしました。
その前に用語説明。
seam finish、布端(縫い代)の処理。
大抵の英語の型紙のインストラクションには、seam finishというセクションが初めについてる。
そこで、どういう処理をすべきか、またどんな処理方法が出来るか書かれてる。その代わり、縫い上げるステップ毎の説明には、処理を端折ってることが多い。縫い方の説明では切りっぱなし、縫いっぱなしに見えても、実は「前に挙げた任意の方法で各自処理してくださいね」という暗黙の了解になってことが多い。
このパジャマでも、all exposed seams should be finished とあるので、内側に縫い込まれていない、目に見える布端はすべて処理すること、とある。
布端の処理でよくある方法は、
serger =ロックミシン。動詞として使う場合はserge=ロックミシンをかける。
French seam =袋縫い。
Flat-felled (seam) =折伏せ縫い。
アメリカの洋裁雑誌見てたら、Hong Kong finish (直訳で香港風処理)というのが出てきた。バイアステープで包む処理がそうらしい。
あと、布はしの処理の一貫として、grading a seam。これは、縫った後、縫い代を短く切り取る時に、あえて2枚縫い合わされた縫い代の片側をより短くして、ちょっと段差をつけること。こうすることで、ぱっつんと2枚合わせて切るより、表に縫い代の厚みが目立たなくなる。
ちなみにseam というのは、2以上の布が縫い合わされたもの。Seam line はその縫い合わせのライン。seam allowance は縫い代。
さて、ここから縫い合わせ開始。
インストラクションはもちろんイラストも入ってるんだけどね。
こんな感じで。
Right side は生地の表、wrong side は生地の裏。
Right sides together とか right sides facing っていうのは、中表(表同士を突き合わせる)のこと。
逆にwrong sides together とかは外表(裏同士を突き合わせる)。
Align the angled edges of the pocket とあるので、ポケットの斜めになった側の端を揃えて、中表に合わせる。
まち針で止めて(pin)、布はしから5/8インチ(16ミリ)のところで縫い合わせる。
Press はアイロンのこと。Press seam towards poket=縫い代をポケット側に倒してアイロンをかける。
縫い代をUnderstich する。縫い合わせた線よりも2ミリくらい内側、ポケット側に縫う。
これで、縫い代が浮かなくなる。
grade する。縫い代一枚ずつ、異なる長さで切っていく。
この面白い形のハサミは、duckbill scissorsと呼ばれるもの。アップリケに使ったりするそう。
洋裁では、こうやって縫い代の片方だけ切る場合(折り伏せ縫いとか)に、間違ってもう片方を切らないように、こういうハサミを使うそう。
私は何でも形から入る人なので、買いましたー。
まあそうして、ポケット布を2つに折って縫って、端をロックミシンで処理して、ポケットをパンツ本体に仮どめして固定して、完成。
ちなみにパジャマパンツって、本来なら作るのに最も簡単なパンツだと思うのよ。前開きもないし、ウエストはゴムだし。
それが作ってて気づいたんだけど、このキャロリン・パジャマって、パジャマパンツにしては、無駄に小難しいところがあったわ!
その一つが、フライ開き。いや、フェイク・フライ開きだ!
これが前パンツの開きの部分。見て、フライがついてる。(単純なパジャマパンツなら、この上側の出っ張りはなくて、下からスムーズな曲線になってるはず。)
フェイク・フライなので、完全なフライ開きは作らないけど、なぜか右パンツだけは、途中まで本物のフライの縫い方をするのよ。
仕方ないので、間違いが無いように、縫う線を定規で計って引いて、それを使って縫い合わせることにしました。
途中(丸の印)まで、baste stich (しつけ縫い・仮縫い=ミシンの大きい縫い目で縫う)して、印のとこでback stich (返し縫い)して、普通のステッチ幅でカーブを縫う。
これ後で気づいたけど、本物のフライなら、このしつけ縫いのところを後で解くんだけど、これはフェイク・フライなので、結局解かなかったよ?普通のステッチ幅で縫えばよかったよ。。
そして、私にとってなにより難しいのが、これにロックミシンをかけることよ!
誤って布を切り落とすのが怖かったので、ロックミシンのナイフを仕舞って、縫いました。
実は最近、このクローゼットコア社のオンラインのジーンス縫い方講座を受講したのだけどね。そこにフライの縫い方の解説も出てくるんだけど、このカーブのロックミシンのかけ方も、ちゃんと解説されてた!
まずカーブのとこからロックミシンをかけたんだけど、こうやってまっすぐの部分は折って、誤って切らないようにしてた。
もちろん私はブレードを使わなかったから、間違っても布を切ることはないんだけどね!
頑張った。
残りも、頑張った。
まあジグザグミシンなら、もっと楽だと思う。。
次は、このフライ部分をパンツの右側に倒して、表側からフェイクのフライ・ステッチを入れる。
英語ではこう書いてある。
Flip the pants over and from the right side, sew two rows of topstiching 1/4" (6mm) apart just inside the perimeter of the fly extension.
(パンツをひっくり返して表側から、2列のトップテッチを1/4インチ離して、フライ・エクステンションの内側に入れる。)
ちゃんと6ミリ離れてるかは知らんが、こんな感じに仕上がった。
一部かんぬき止め(bar tak もしくはbartack)も指示にしたがって入れた。
この後、前パンツと後ろパンツを縫いあわせる。
まず、股上ね。
縫い合わせて、ロックミシンして、縫い代を右足側に倒してアイロン。
このパンツは、一旦片足ずつ筒にしてから、両足を縫い合わせるのではなく、ジーンズのように先にinseam (足の内側)を縫い合わせる方式らしい。
前パンツ、後ろパンツともに膝の所に合印(notch)があるので、それを合わせる。両方のクロッチも合わせる。
さて、このパンツの2つめの難所がここ。
実は、クロッチと合印を合わせると、前パンツと後ろパンツの布はしがピッタリ合わない。後ろパンツのほうが、気持ち長くなってる。
インストラクションにはどう書いてあるかというと、
match notches and ease the back leg to match the front leg between knee and crotch.
=合印を合わせ、後ろ足をいせて、前足の膝からクロッチまでを合わせる。
まあ要は、後ろ足の生地が前足より長いけど、うまいことやって、初めと終わりをピッタリ合わせろや、と言っている。
ということで、また頑張った。
おそらく、こういう細かい仕様(こだわり)で、完成後のパンツのラインが違うのかなーって思う。
その後、両端も縫ってロックミシンかけた。両端は前後の長さがピッタリだったので、普通の直線縫いでオッケーだった。
さて、後はベルト。
2枚になってるウエストバンド・パーツを縫い合わせて、アイロンで縫い代を割る。(英語ではPress seams open。)
ウエストバンドの上の端を、端から1/2インチでstay stitchする。Stay stitchとは、一般的に、布はしがほつれないように、または布が伸びないように縫っておくこと。
でもこの場合は、このステイ・ステッチの縫い目に合わせて折って、アイロンをかける。
後で気づいたんだけど、これ折り目逆だった!表側に折るんじゃなくて、裏側に折らなきゃいけなかった〜〜〜。
今これ書きながらインストラクション見たら、press the seam allownace in along stay-stich line って、ちゃんと内側(裏側)に向けて折るように書いてあった〜。
でもこの時はまだ気づいてなかったから。
そのままインストラクションに従って、折られてない方のウエストバンドと、パンツ本体を縫い合わせる。
パンツ本体もウエストバンドもすでに輪になってる状態だったので、この2つがぴったり合うか、ちょっと心配だったけど、そこは問題なかった。
で、アイロンかけて、ここでようやく間違いに気づいた!
気を取り直して、上側を正しい方向に折り直して、そしてベルトをふたつ折りにする。
もうねえ、洋裁の上手さって、縫い方の上手い下手じゃないよね。アイロンの!!上手い下手だよ。
ここでアイロンでしっかり正確に折れるかどうかで、仕上がりが決まると思う。
ここでは、ウェストバンドを2つ折りにしたら、表側からstitch in the ditch =落としミシン。
最近覚えた、落としミシン用の押え金。stich-in-the-ditch foot.
真ん中にガイドがついてて、それを布と布のつなぎ合わせの部分に差し込むようにして、使う。
そうすると、まさにその合わせ目に針が落ちる。
実はこれはすでにミシンに付属してたみたい。
気づかなくて、もう一つ買っちゃった。
でもその2つは実は微妙に違って、新しく買った方は、針の位置が左右に自由に移動できるようになってる。なので、この真ん中のガイドを布端やつなぎ目に合わせて、端を1〜2ミリ横に移動させると、きれいにコバステッチができる。
実は、上の方のunderstich で、そっちの押さえ金を使ってる。
でも、残念なことに、いくらステッチがまっすぐでも、アイロンできれいにまっすぐ2つ折りできてなかったら、あんま意味ないのよね〜〜〜〜。
これが裏側。
ああー、ちょっと斜めになってる〜〜。
ウエストバンドは、7センチくらい縫い残して、そこからゴムを通して、その後、残りを縫う。
裾も、落とし縫い用押さえ金を使う。針は右側に2ミリくらい移動させて。
こんな感じ。まっすぐでしょ?
ちなみに裾上げを英語でhemという。シャツの裾もhemっていう。
パンツが完成。
派手だなあー。
穿いてみたら、もうちょっとゆとりがある方が私好みだったかな〜〜。
やっぱ出来上がり寸法も見ないとだめだね。
まあ、頑張って痩せればよいのか。
次はパジャマのシャツに続く。(また縫ってない。)