ウェルスダイナミクス眼鏡 -41ページ目

山崎豊子

山崎豊子



先日お亡くなりになった山崎豊子さんです。
私が心から尊敬する作家の一人です。


私が彼女をメカニックと分析した理由はたくさんあります。


多くの人が、彼女の本を読んだ時
「え!女性作家なの?」と驚いたと言います。


それは、なぜだと思いますか?

たぶん、彼女の小説の.....


- スケール(ビジョン)の大きさ
 
- 社会制

- 正義感

- 構成(理論、つじつま、俯瞰)

- 正確さ(取材ベースの内容)




などから、男性作家だと感じられるのだと思います。


ジャーナリスト上がりの彼女は、多くの時間を取材に費やし、その正確さ大量の情報を素材として、大きなスケール、長期的な文脈を網の目のように紡いでいったのです。まさに、メカニックの得意とするところ。

棋士にメカニックが多いのもうなずけます。



一個人としては表に出るのを好まず、全ての作品がTVドラマ化されたり、映画化されたりしている中、一部の主役俳優しか実際に会うこともなかったとのこと。

このブログ記事を書くにあたって、彼女の写真を探そうとしましたが、選択肢はあまり広くなく、結局この白黒の写真にしました。



これらは、全てメカニックの持つ強み/特徴です。



メカニックよりのロードの私としては、本当にかっこいい小説を書く憧れの女性作家でした。

私自身「女性」という枠をとても窮屈なものと感じていた中、このように「女性」という枠にはまらない希有な才能を努力を伴って自ら開花し、世の中に認めさせたことは様々な意味でとても爽快でした。


メディアには、あまり出てこなかったところもとてもメカニックっぽいのですが、ファンの一人としては、個人としての考え方などもっと知りたかったところです。


彼女の死を受けて、TVコメンテーターの一人がこんな事を言っていました。
88歳の現在においても、連載をもって執筆を続けていた彼女に対して....


「立ったまま、死んでいくような人でした。」


だな~、メカニックだな~



心からの尊敬を込めて、ご冥福をお祈り致します。