山崎豊子
先日お亡くなりになった山崎豊子さんです。
私が心から尊敬する作家の一人です。
私が彼女をメカニックと分析した理由はたくさんあります。
多くの人が、彼女の本を読んだ時
「え!女性作家なの?」と驚いたと言います。
それは、なぜだと思いますか?
たぶん、彼女の小説の.....
- スケール(ビジョン)の大きさ
- 社会制
- 正義感
- 構成(理論、つじつま、俯瞰)
- 正確さ(取材ベースの内容)
などから、男性作家だと感じられるのだと思います。
ジャーナリスト上がりの彼女は、多くの時間を取材に費やし、その正確さと大量の情報を素材として、大きなスケール、長期的な文脈を網の目のように紡いでいったのです。まさに、メカニックの得意とするところ。
棋士にメカニックが多いのもうなずけます。
一個人としては表に出るのを好まず、全ての作品がTVドラマ化されたり、映画化されたりしている中、一部の主役俳優しか実際に会うこともなかったとのこと。
このブログ記事を書くにあたって、彼女の写真を探そうとしましたが、選択肢はあまり広くなく、結局この白黒の写真にしました。
これらは、全てメカニックの持つ強み/特徴です。
メカニックよりのロードの私としては、本当にかっこいい小説を書く憧れの女性作家でした。
私自身「女性」という枠をとても窮屈なものと感じていた中、このように「女性」という枠にはまらない希有な才能を努力を伴って自ら開花し、世の中に認めさせたことは様々な意味でとても爽快でした。
メディアには、あまり出てこなかったところもとてもメカニックっぽいのですが、ファンの一人としては、個人としての考え方などもっと知りたかったところです。
彼女の死を受けて、TVコメンテーターの一人がこんな事を言っていました。
88歳の現在においても、連載をもって執筆を続けていた彼女に対して....
「立ったまま、死んでいくような人でした。」
侍だな~、メカニックだな~
心からの尊敬を込めて、ご冥福をお祈り致します。