4月25日
奈良の寺院は軒並み拝観停止になっています
奈良県の小中学生には、
観光客のすくない環境で、
地域の文化財に触れるいい機会だろうと思っていたのに、
すこし残念です
橿原の地域の文化財「長法寺」
大和名所図会にも載る古刹です
飛鳥時代、奈良時代と、大和に都があった時代は、
仏教と切り離すことができません
日本の中世以前の古典で、仏教の影響がないものはほぼないと言ってよいでしょう
高校入試必出の「今昔物語集」や「宇治拾遺物語」は、
(仏教)説話集というジャンルですし、
平家物語は「祇園精舎の鐘の声」からはじまります
(祇園精舎は釈迦が説法をした僧園です)
中学校の教科書に出ている古典で、
仏教臭のあまりしないものは、
竹取物語と枕草子ぐらいですが、
それでも、僧や寺院があたりまえのように生活の一部として出てきます
(病気を治すのは、僧の加持祈祷でした)
仏教と聞くと、鎮護国家だの最澄・空海だの鎌倉仏教だの仏教美術だのと、社会科担当のような気がするかもしれませんが、
じつは、国語科のほうがより身近かもしれません
読書が、手っ取り早く国語の勉強になるのは、言うまでもないでしょう
ただ、いまは、地域の図書館がほとんど閉館しているので、
図書館に行ってあれこれ手に取って読んでみて選ぶことができません
そこで、お勧めなのが、ネット通販で買え、電子書籍でも読める、
古典籍の現代語訳(現代版にアレンジした古典)です
中学生さんなら、しっかり対訳ものも読めるかもしれませんが、
それほど構えなくても、
児童向けにアレンジした抄訳でじゅうぶんです
古典の世界にお気楽に触れることができるでしょう
今昔物語集や宇治拾遺物語、さらには沙石集といった説話集が、
まずはお勧めです
一話一話が短くまとまっていて、
バカバカしい愉快な話もたくさんあるのでとっつきやすいですし、
私立高校の入試問題にも出てきたりするので、
読んで内容を知っておけば、ちょこっと有利になります
平安時代の貴族の暮らしに興味があれば、
竹取物語、落窪物語(おちくぼものがたり)といった、長編ながら軽みのある物語もいいでしょう(落窪物語は、継子イジメの復讐ものですが、かなりお下品なところがありますので、対訳を読む際は気をつけてください)
堤中納言物語は、バラバラの話を集めた短編集で、
興味のある話だけ読んでもいいと思います
オカルティックな話が好きなら、日本霊異記(にほんりょういき)がおもしろいと思います
もっとおどろおどろしいのを読みたければ、江戸時代に下りますが、上田秋成の雨月物語(この時代になると、仏教はほとんど影がない)
夜寝られなくなるかも
アマゾンブックスや楽天ブックスで、それぞれ検索してみると、
出版社もさまざま、いろいろな種類の本が出てきます
マンガもありますし、全面対訳も、ざっと触れるだけのものもあります
どんなものでも、興味がを持つことができれば、それでいいと思います
ブックレビューを見て、選んでみてください