4月27日
採点をしていると、ときどき珍解答に出会って、
場合によっては笑いをこらえるのに苦しむこともあるのですが、
漢字の問題にはとくに傑作が多い気がしますね
これは、受けを狙った答えだね、というのもあれば、
がんばって答えをひねり出した苦労の跡がうかがえるものもあります
語句をあまり知らないと、正しく読めないことが多いのですが、
読み取りの問題は、とりあえず読めた気分になるので、
本人としては大真面目に答えたのに、
なぜか笑われて、腑に落ちないようすの生徒さんも・・・
もう10年も前のことですが、
「金の工面をつけて、留学した」
を読む問いがありました
金を工面するなんて、いまどき使わない言葉ですので、
当然ながら、中学生には意味がわかりません
「きんのこうめんをつけて、りゅうがくした」
と、読んでくれました
で、どゆこと?教えて?きんのって?
「えーと、金でできてて・・・、金ぴかやねやんかー」
ふむふむ、「こうめん」ってのは?
「工場とかでつかう、あの、火花パーっ・・・」
ゴーグル?目をかくすための?
「顔ぜんぶかくすやつ」
そんなもんつけて、どうやって飛行機乗るの?
「ええっ?飛行機」
留学するんちゃうの? ・・・? まさか・・・
そうです、「留学」の意味がわかっていないのでした
「ほんとうは地味でないといけないのに、金ぴかの『こうめん』をつけたために、学校を停められた話」ができあがっておりました
「留年」とごっちゃになってる。。。
読めてるから、わかってるのかと思いきや、
そこを超えてくるのが小・中学生
現代のことばでもわからないことだらけですから、
古典の言葉など、もっと意味不明です
思いついて、「枕草子」冒頭部分を絵にしてもらいました
「春」、「夏」、「秋」は、まあだいたい絵になってるけど、
「冬」は、事件続発
「火など急ぎ起こして」:
ハイ、これ、完全に火事ですねー、家燃えちゃってますねー
「火をけの火も白き灰がちになりて」:
火をけって、布団じゃありませんよー
湯たんぽとか行火とかと勘ちがいしてる?
中学生の「家」は古典の世界なのに二階建て
一階で火を焚いて、二階から顔出して暖まってます
火鉢など見たこともなければ、
「火をおこす」「炭を持って」「火桶の火が白く灰がちに」なんて、
ゲームの世界にも出てきませんから、
想像力が遠く羽ばたきすぎて、ほとんどSFの世界です
国語の文学的文章は、場面をとらえることが重要とは言われるのですが、
どれだけとらえられているか、
文字で表現するばかりでなく、
ちょっと絵にしてみると、楽しいかもしれませんね