9月8日
本日
二十四節季の「白露」
朝晩涼しくなって、露が降りる時期です
そういえば、虫の声がにぎやかになり始めました
「露」というと、なんですかねぇ…
伊勢物語の
「露と答えて消えなましものを」を思い浮かべたり。。。
教科書で伊勢物語に出会う前は、
夜露や朝露は、名前はきれいなものの濡れるし冷たくて嫌いだったのですが、
この歌の美しくはかない情緒にすべて上書きされてしまった気がしました
子どものころは、草に降りた露を小枝で乱暴に払って遊んでいたものですが…
朝露を見ると、夜中に雨が降ったかと思いますよね
実際、雨上がりのきらきらした景色のようですし
でも、雨ではないんですよね
この現象は、中学2年生で勉強する「露点」に関係しています
…こうやって理科の勉強が突然始まったりするので、油断なりません
地面は、大気に比べて温まりやすく冷めやすい
(気温を測るときに、1.5mぐらい高さのところで測るのは、地面の温度が影響するのを避けるためです)
人間が生活している場所程度の高さだったら、
気温が下がると、地表に近いほど急速に冷えてきます
しかも、冷たい空気は重く、下にたまります(足元冷え冷え~)
秋の空気は乾燥しているとは言うものの、湿度ゼロなんてことはありませんので、
冷えてくると「露点」にどんどん近づきます
で、「露点」ってなに
水蒸気が水滴になる「温度」のことです(正確には、「露点」ではなく「露点温度」といいます)
露点なんていうと、なにかの点みたいですけど。。。
ま、凝固点とか融点とか沸点とか、理科の温度はどれも「点」
そのあとの「温度」は省略するんだよね、わからなくなるもとなんだけど
空気中に含まれる水は、たいてい気体の状態で、水蒸気の形になっています
ところが、空気中に溶けこむことができる水蒸気の量は、空気の温度によって変わるんですね
空気の温度(気温)が低くなると、溶けこむことができる水蒸気の量(「飽和水蒸気量」)が少なくなります
おなじ1㎥(縦横高さがどれも1mの立方体)の空気の中に、
25℃だったら約23gの水蒸気、15℃だったら約13gの水蒸気が溶けこめます
もし、25℃の空気中に、1㎥あたり18gの水蒸気が溶けていたら、
その空気の温度が15℃に下がると、だいたい13gしか溶けこめないので、
18-13=5 約5gの水分が、溶けられないことになってしまいます
その水分は、もう水蒸気ではいられないので、液体の水になるしかない
こうして、手近なものに水滴となってくっつきます
もちろん、地面にも着きますが、地上にあるものならなんにでも着くので、
草木にはよろこんでくっついてしまいます
草木は、呼吸で水分を吐き出しているので、その水分もありますが…
この水滴が「露」
日中と夜の気温差が大きい季節には、とくに現れやすい現象です
ちなみに、溶け込めないで出てくるのが、液体の水ではなく、空気が冷たすぎて固体になってしまうと
氷として出てきて「霜」になります
つまり、霜が降りるころになると、地表の温度(気温ではありません)は0℃以下ということになります
寒っ
中学2年生で勉強する地学分野、天気や気象
身近に実感できると、わかりやすくなると思います