被災地の方がたにお見舞い申し上げます
きょうはよく晴れていますね
外に出ても暑くなくて、いい気候です
一昨日ご紹介した方丈記は
鎌倉時代の初期(1212年)に成立したものですが、
院政期から鎌倉時代にかけては、説話集が隆盛を見せた時代です
主役が、高貴な人々から一般庶民へと移り変わる過渡期にあたり、
仏教教化のためばかりでなく、さまざまな要素を取り入れて、
だれが読んでもわかりやすい、人間味のあるエピソードが描かれるようになりました
代表的な説話集には、今昔物語集や宇治拾遺物語などがあります
同じころさかんになったのが、絵巻です
絵巻は、美術品として扱われることが多いのですが
文学的な側面のつよい絵画です
この時代には、経典や一部の書物以外に印刷物はなく、
手書きの文字は、筆跡や料紙の美しさなどを鑑賞するものでしたから、
文字と絵画にさほどの区別はなかったのかもしれません
絵巻は、文字と絵画を交互に合わせてひとつの巻物になっていますが、
ごくあたりまえの仕様だったのでしょう
四大絵巻とよばれるすぐれた古い絵巻のひとつに、国宝の信貴山縁起絵巻があります
奈良県の信貴山朝護孫子寺が所有している絵巻で
ふだんは奈良国立博物館で保管、正倉院展のころに
三巻のうちの一巻が信貴山朝護孫子寺で展示されます
信貴山朝護孫子寺は、松永久秀が織田軍に攻められたときに全山焼き討ちにあって焼失していますから、絵巻が失われなくてほんとうによかったと思います
信貴山は聖徳太子が毘沙門天を感得したことに由来する古い寺ですが
絵巻は、その中興の祖ともいえる命蓮上人にまつわるエピソードを描くものです
鉢が空をゆらゆら飛んで倉を運んだり、剣でできた衣をまとったトレエン斎藤さん頭の童子が雲に乗って飛んで来たり、
内容はけっこうオカルトです
(古い時代のものは、科学の重石がないので、想像力がどこまでも跳びますから、楽しいですよね)
この信貴山縁起絵巻を、いま、三巻いちどに見られるんです
奈良国立博物館で、「国宝 信貴山縁起絵巻―朝護孫子寺と毘沙門天王信仰の至宝―」展(長っ…)が開催されていて
太っ腹なことに、全期間全巻展示をしています
本物はレプリカとはぜんぜんちがう迫力です
すぐれたものを鑑賞することは、なによりの糧になります
連休もあることですし、800年前の日本に触れる機会を、ぜひ持ってみてください
熊本地震で被災された中には、連休の予定をたてて楽しみにしていたかたがたもいらっしゃるでしょう
あたりまえの幸せをうばう災害、しかも相手が自然では、怒りのぶつけようがありません
どんなに疲弊していらっしゃるかと思うと、ことばもありません
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