ロジックシリーズ第5弾です。
自分の説明力向上も兼ねてブログを書いています。
~前回のまとめ~
論理的に話すには…
主張→どのように?なぜ?を説明
例1
(主張)
ここの店のたこ焼き美味しいよ
(how?の答え)
外はパリッパリ、中はフワトロ
例2
(主張)
大宰府に行ったら梅が枝餅を食べるべきです
(why?の答え)
梅が枝餅は大宰府の名物だからです
ここから本題です
今日は先人たち(古代ギリシャ)が提唱した8つの説得術のうちの一つを紹介します。
引用です。
「~さんによると…です」
というものです。
主張をしたあとに
「~さんも言っていた」
だから”自分の意見は正しいよ~、
信頼できるよ~”
と相手を説得する手法です。
普段の会話でも
「~さんも言ってた!」
と補って自分の主張の正当性に持たせようとする場合があります。
子どもでも自然とやってますよ。
”おばあちゃんも○○って言ってた”
”先生も△△って言ってた”
こんな感じで
小さい子でも日々の観察によって自然と人間関係を捉えて誰の名前を使えば人が動いてくれるか分かっています。多分…
ここでのポイントは
”権威の借用”です。
この人の名前出せば自分の説得力が増すだろうという肩書・立場の人物の名前を挙げて説明するのが引用です。
話題にしている分野の専門家や相手が権威と感じるであろう名前を通常あげます。
主張をする際に”引用”が説得術として使用される例を2つだします。
例1
(主張)
英和辞書はWISDOMにした方がいいよ。
(引用)=why?の答え
うちの英語の先生もWISDOMは例文の質がいいし解説も分かりやすいからWIDOMを買った方がいいって言ってたよ。
例2
(主張)
マスクをするとコロナの予防効果があるよ。
(引用)=why?の答え
山中教授もマスクはウイルスの飛沫感染のリスクを減らすって言っていた!
これらの引用では英語の辞書についてなら英語の先生の言葉、ウイルスなら理系の大学の先生といったようにその分野の専門家の言葉を引用することで相手を説得しようとしています。
細かい説明ができなくても引用することで専門的な説明を省けるという点で便利です。専門家の名前を使うことで、大量の科学的根拠を出す手間も省けるのでますから。
ウイルスに関しては細かいことは分からなくても信用できそうな専門家の言うことには耳を傾けようと言う人は多いと思います。
しかし引用は説得術の一つでこれで十分相手を説得できるとは限りません。複数の説得術を組み合わせないと不十分な場合もあります。
例を一つあげます。
例2をご覧ください。
聞き手によっては教授の引用だけでは納得しない場合もあるでしょう。どういうメカニズム(how?)でマスクがウイルスの飛沫を妨げるのかを知りたい人もいるかもしれません。くしゃみをしたとき、ウイルスはどのくらいの大きさで、それに対してマスクの網目はどれくらいで…などといった説明がほしい人にとってはこれだけでは不十分です。話し手が専門家であるのか一般人であるかによっても求められる説明のレベルは違ってきます。
さて、"理由"と聞くと
とっさに”because”を思い浮かべる人がいるかもしれません。
しかし内容が高度になっていくとbecauseを使わずに
理由にあたる部分が述べられることがあります。
引用もその一つと言えます。
according to(~によると)は
引用のときによく使われますね(*^-^*)
~言葉の整理~
説得術とは
自分の主張を相手に伝わるように説明する方法
主張をしたら相手に、なぜそのような主張をするのか(why?)、どのようにしてそうなるのか(how?)と伝えると相手を説得できます。ではそのhow?why?は具体的にはどのような手法で伝えればいいのか?、その方法が説得術です。
今回は複数あるうちの説得術の一つ、引用についてとりあげました。
↓図式化
~論理的な説明~
主張→説得(どのようになのか?なぜなのか?を説明)
↓
説得術=どのように?なぜ?の伝え方=論証=レトリック
↓
説得術は複数ある、引用、エピソード、列挙、定義など。
それらをうまく組み合わせることで人を説得できる。
お読みいただきありがとうございました。
P.S.
”言葉の整理…”あたりの説明に2時間くらい時間を使ってしまいました。ロジック関連の本を読んでいると、複数の用語・言い換え表現がでてきて、同じ意味なのか違う意味なのかとかよくわからなくなることが多かったです。それが理解の妨げになったので、そうならないように言葉の整理に力をいれました。
よい週末を
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