「というわけで、」私はヨシオに言った。
「何にでも順番を付けたがる人ってのはお前の嫁さん以外にもいるんだよ。心配するな。受験のヘーガイってやつかな~」
「でも、お前はイシハラと生活しているわけじゃない。俺は一緒に生活してるんだ」とヨシオは言った。
ドキリ。まあそうだけどさ。
「いいじゃないか。ブログ、期待してるぞ。『100枚の皿と1枚の皿』だっけ?」
「ああ、そうだ。ほかにも『謝るほどのことではないから』って話もある...『アルコールでカロリー摂取』とか...『ママとパパは相性が悪いの!事件』ってのもあったな...『リズムが狂うの』なんてのも...」とヨシオは遠くを見る目をして言った。
「へー、ネタには困らないな。」
「感心してどうするんだ?お前は面白いかもしれないけど、すべて俺の身に起こっていることなんだぞ!?それにブログやる時間なんかないよ。」
ヨシオと私は『トムコリンズ』を出た。
四半世紀経っても、店は何も変わっていない。客の年齢層が上がったことを除いて。マスターが年齢を重ねたのと同じように。そして私も。
<おしまい>
(注)店の名刺を確認したところ『トム・コリンズ』ではなく『トムコリンズ』となっていました。失礼致しました。