こんにちは。インターンシップの上田です。
先日、西宮消防署、西宮市消防局、西宮市消防訓練施設の3施設を訪問しました。西宮消防署では消防署長から、消防局では職員の方から、訓練施設では企画課長から、施設や業務についてご説明いただきました。年度末の忙しい時期にも関わらず、ご対応くださりありがとうございました。
最初に西宮消防署を見学しました。まず、車両についてご説明いただきました。
皆さんは、無線でどの車両か確認できるように車両それぞれに番号がつけられていることをご存知ですか?
1:ポンプ車
2:タンク車
3:はしご車
4:救助工作車
5:活動支援車
6:視察広報車
7:活動支援車
8:指揮広報車
9:救急車
19:救急車
このように、それぞれの役割によって番号がつけられています。番号で車両を識別できるのは効率的で、一刻を争う消防の現場では、大切なことだと思いました。これから街中で緊急車両を見かけたら、ぜひ車体の番号を確認してみてください。
西宮消防署の建物は築約50年でとても歴史があります。急な階段やタイル張りのお風呂場、畳で雑魚寝タイプの仮眠室など、老朽化が進んでいて、使いにくそうな印象を受けました。来年以降には、建て替え工事が予定されているので、職員の方々が仕事により集中できる環境になれば良いと思います。
西宮消防署は市内でも特に忙しい消防署で、2台ある救急車が常に稼働しているそうです。私たちが見学している際も、1台の救急車が出動していきました。救急要請を受けてから出動するまでの時間がとても早く、1分も経たないうちに出動しました。
西宮消防署では、素早く出動できるように普段から様々な工夫がされています。全職員分の防護服がすぐに着られる状態で配置されていたり、いつでも放送が聞こえるように、お風呂の扉を少し開けて入浴されたり、抜き打ちで出動訓練を行ったりしています。いつ出動要請が来るか分からないので、食事中や入浴中など常に気を張っていなければいけない大変な職業だと感じました。
続いて、西宮市消防局を訪問しました。主に司令室を見学しました。
司令室は、消防士が安全で的確な現場活動を行えるようサポートする役割を担っています。西宮市の司令室には年間約3万件の通報が来ており、そのうち約2万5千件が緊急の通報とのことです。
司令室に入って一番目につくのは大量のモニターです。46インチの液晶ディスプレイを24面配置しています。119着信状況を示す表示板、災害件数を示す表示板、各消防署の車庫を写す出動モニター、西宮市全体を写す高所監視カメラ、気象状況を示すモニター、災害情報をいち早く受け取る為のNHKを写すモニターなど、様々なモニターがたくさんあります。多くの情報を取り扱い、処理している印象を受けました。消防署で働く方々と同じく、24時間体制で市民の安全のために業務に従事しています。
ところで、皆さんはWeb119をご存知ですか?聴覚や言語の不自由な方が緊急通報を携帯電話のWeb機能を利用して行える登録制の119受信装置です。GPS機能から位置情報を把握し、チャット形式で会話も行えます。このような取り組みは全国的に行われているそうですが、私たちにとって、新たな発見でした。私たちにとって日常的なことでも、多様な視点から考えてみることが必要だと感じました。
最後に昨年11月に完成したばかりの西宮市消防訓練施設を訪問しました。この施設は平成15年に起きた火災で消防士の方が殉職されたことをきっかけに、二度と痛ましい事故を起こさないようにという思いから、長年の構想を経て作られた訓練施設です。施設の壁には安全への誓いが掲げられています。
甲子園浜にあり、約8,800平方メートルという広大な敷地に広がる訓練施設です。広い敷地を生かして、実際に消防活動をするときのように、複数の部隊が集まって連携した訓練をすることができます。また、様々な火災や救助活動を想定して訓練することが可能です。中央には7階建てのマンションのような建物があり、火災を想定した訓練ができます。ワンルームやメゾネットタイプなど、階によって間取りも違いました。また、扉や壁の配置を変えることもできるので、何通りもの部屋を想定して訓練ができます。この建物以外にも、堤防、崖、マンホール、瓦礫、電柱などもあり、火災以外の災害を想定した訓練もできます。
この施設が完成してから、毎日どこかの部隊がこの施設を使用して訓練しているそうです。私たちが見学している際にも、1つの部隊が訓練していました。それぞれの消防署では実際に放水訓練をすることができません。一方、この訓練施設では、実際に放水したり、消火薬剤を使用したり、煙を充満させたりして、より実践に近い形で訓練することができます。また、新たな発見として、消防訓練や実際の消化活動に使用される水の水道代は無料だそうです。
最後に、皆さんへのお願いです。携帯電話で通報する際は電波が飛んでしまい、電話をかけた場所とは異なる市の消防局へ繋がることがあるそうです。通報する際は住所を正確に伝えるようにしてください。通報する機会はない方が良いですが、もし、携帯電話から通報する場合、正確な住所を伝えるようにしましょう。