優しく温かい世界へ〜ふたり 矢部太郎展へ | 春はあけぼの 女は美学

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50過ぎた女が感じたこと、考えたことを書いてます

こんにちは。伏見美帆子です。



アラカンオンナが、
感じるままに綴るブログです。


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かつて、お笑い番組で
いいように使われてきたあまり売れない芸人が
こんな風に変わるなんて

誰があの時に思っただろうか。

いや、
ご本人は変わっていないのかもしれない。

小さな頃から絵が好きで
絵をずっと描いていた。

お父様は絵本作家で
自然の中で育ち、柔らかな感性が育っていった。



そんな、
その人の本領が発揮されるのって
いくつもの偶然や出会いと
本人の努力と
持って生まれた性格が

なせる技なのかもしれない。



ようやくようやく昨日、行ってきた。
こちらに。


大河ドラマ「光る君へ」に出演している、
矢部太郎氏。
主人公である紫式部(まひろ)の従者である、
「乙丸」の役どころ。

その役がとても健気で必死で誠実で
一気にファンとなってしまった。

日頃、漫画を読む習慣がないワタシも
矢部太郎さんが描いた漫画を大人買い。
そこでさらにまた、
そのストーリーにやられる…
「ふたり 矢部太郎展」は、
矢部太郎さんの初めての大掛かりな個展。

立川まで足を伸ばして
いってみたその場所は、
とてもステキなところにある美術館だった。



緑に囲まれて
老若男女が集う、カフェや広場の中に
PLAY !Museumはある。

ワクワクしながら入っていくと、
そこはもう、矢部太郎WORLDが広がっていた。



矢部太郎さんの小さな頃描いた絵や
家族新聞など、
そして、絵本作家であるお父様が
書き記していた絵日記など

たくさんの思い出がそこにあって
こんな家族の中で
こんな暮らしの中で
矢部太郎さんの感性が出来上がってきたのが
手に取るようにわかる。

彼のマンガを読んでいると
出てくるシーンもあって、

でも、たとえマンガを読んでいなくても
読みやすいようにマンガが展示されていて
歩きながら
ゆったりと読むことができる。


グッとくるお父さんのセリフもあって、

根っからのアーティストなのだなぁと…


会場では、

大きなスクリーンに、

矢部さん自らが読む紙芝居も映し出されて

そのほっこりとした声とストーリーが

観ている人を笑顔にさせてくれる。


彼の絵は、
無駄なものを
とことんまで削ぎ落としているからか、
とても読みやすい。

漫画を読むのが苦手なワタシは、

絵をじっくり見て、セリフを読んで、
という漫画の読み方なので、とても疲れるが、
彼の漫画はそれがない。

ゆるゆると
サラサラと読めてしまう。
時にじっくり、絵を眺めることもあるけれど。

特に、大家さんと「僕」が乗ったタクシーが
空を飛んでいるシーンが大好きで、
見入ってしまう。
単純な線なのに、
乗っている大家さんの表情や姿勢まで
勝手に想像できるような…


単純な線だからこそ、
読者に明け渡して、
その世界に入り込める余地があるような。

そこには、
言い訳をしない、
正当化しない、
優しい世界がある。

漫画を読んでいても
この会場にいても
登場人物たちに自分を重ねて
まるでそこにいるような、
幸せな錯覚をさせてくれるのだ。

真っ正直で
素直で
純粋で
そんな気持ちがあったことを
思い出させてくれる。


もちろん人間だから
いろんなネガティヴな感情だって沸き起こる。
煩悩だっていっぱいある。

でもそれさえも、
くるんと包み込んでくれるような
そんなおおらかさがあるのだ。

矢部太郎さんは
大家さんを始めとして
そんな人たちとの出会いがあって
元々の感性を打ち出していっていいと
自分に許可して

今の彼があるのだろうなぁ。

「大家さんと僕」で受賞した、

手塚治虫文化賞のトロフィーも展示。


かつての優しい自分を思い出しに

優しく温かい世界へ行ってみませんか?


矢部太郎展は、

来月7月7日まで。


帰りに、併設しているカフェで

コラボメニューの「懐かしのオムライス」を。

大家さんのヨーグルト、

食べるのもったいなかった←食べた🤣



そんなワタシがつぶやく箴言note。

不道徳なところは勘弁ね。

よろしかったら寄っていってくださいませ。