今更ながら矢部太郎祭り | 春はあけぼの 女は美学

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50過ぎた女が感じたこと、考えたことを書いてます

こんにちは。伏見美帆子です。



アラカンオンナが、
感じるままに綴るブログです。

 

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いわゆる「私小説」って、
ノンフィクションではないと思う。
 
つまり、
事実だけではなく
自分の私情というか、
勝手なこうあって欲しかったという思いや、
様々な忖度が入っていると思うのだ。
 
だって、
「小説」なんだから。
 
 
私小説の神様とも言われていた
志賀直哉サマだって
 
本当のことを書いていたのかと言われたら
 
あやちい…www
 
本当のことなんて
自分の範疇の中のことでしかないんだもの…
 
 
そんなことを思ったのは
 
今更ながら、
いや、
今だからこそ、
伏見の中で、
 
 
矢部太郎祭りだから!

画像お借りしました。

 
 
ことの発端は、
 
毎週楽しみにしている、NHK大河ドラマ
「光る君へ」。
そこで、
様々な愛すべきキャラクターが出ているのだが
 
その中で注目しているのが
矢部太郎さんが演じる「乙丸」。
 
乙丸は、後の紫式部である「まひろ」の
従者であり
まひろが外出する際に必ずお供し
その痩せた体にもかかわらず、
まひろに何かあった時には
必死になって抵抗し。まひろを守っている。
結局はやられてしまうのだけれど…
 
そのほのぼのとしたけなげな演技が
好評なのだ。
乙丸が画面に出てくるとなんだかホッとする。

画像などお借りしました。

 
 
そんな矢部太郎さんが
初の大規模な展覧会を開くことを知った。

 

 

乙丸…
いや。矢部太郎さんの、あの独特な世界観に
浸ってみたいなぁと。
 
展覧会は4月24日からなのだが、
その前に
そういえば矢部さんの作品って
テレビなどで観ることはあっても
本を手に取って読んだことがないなぁと
 
大人買いしてみたのだった。

 

とりあえず3冊。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの本、

「僕のお父さん」という、父親で絵本作家の

やべみつのり氏とのエピソードを中心にした

家族のマンガは、

ノンフィクションであろうけれども

 

「大家さんと僕」という、

80歳をとうに過ぎている。上品な大家さんと

矢部太郎さんとの交流を描いたマンガは

 

冒頭で、

「フィクションです」と述べている。

 

起きた出来事を元にしているものの、ノンフィクションではないので、当然、僕の視点で創作、脚色を加えています。漫画の中で表現した大家さんは、「僕自身が接し、話し、見ていた大家さんからイメージして作り上げたキャラクター」で、モデルとなった大家さんと「漫画の大家さん」は違います。漫画として表現するにあたり、大家さんがより魅力的に伝わるように、僕が面白いと思う部分に強い光を当ててキャラクター作りをしました。

 

 

大家さんがより魅力的に伝わるように…

 

その冒頭の言葉から

矢部太郎さんの大家さんへの

優しさに溢れた愛情が顔を出す。

 

そもそも、

この漫画は

大家さんにも読んでもらいたかったため

単純なコマ割りにしたり、

真っ黒なベタ塗りを避けたりなど、

「見え方」にも気を遣っているとのこと。

 

絵本作家な父親がいたとはいえ、

漫画は独学で書き始め

さらっとしたタッチで

それがベタベタしておらず

逆に、面白さも切なさも伝わりやすくて

後から

しみじみと感動が湧いてくる。

 

 

それもこれも、

矢部さんが

カッコつけることなく

等身大の自分の

情けないところも惨めなところも

恥ずかしいところも嬉しいところも

全て

曝け出しているからだと思うのだ。

 

かっこよかったり

人気の芸能人だったり

そんな「スマートさ」とは程遠い、←失礼

 

売れなくて

いじられキャラで

痩せていて小さな矢部さんが、←失礼

 

大家さんとの日常の小さな幸せを

丁寧に書き綴っている。

 

これはやっぱり、ある意味、

私小説だなぁ…

漫画だけど(^◇^;)。

桜ももうすぐ終わりですね…

 

 

先日、

友人がSNSで、

自分の性格の中で気になっている部分の中で

良い所を知っていたら教えてください

という投稿があって…

 

それは例えば、

ギリギリ族であったり、

ネガティヴであったり、

様々あったのだけれど、

 

結局はそのいわゆる「弱み」が

「嫌なところ」が

その方の「強み」であったり

「魅力」となったりしていて…

 

例えば、ネガティヴの場合は

リスクを考えて

物事を広く鋭い視野で見ることができる、

とかね。

 

 

物事には陰陽があるから

それがどちら側で出ているかだけ。

 

矢部太郎さんに関しても

 

お笑いのセンスは

あまり面白くなかったりするけれども

緊張しすぎてガチガチになったりするけれども

痩せすぎて風に飛ばされそうだけども←失礼

 

 

その全てが

真面目な方に向いていたり

人の気持ちを汲み取ったり

温かい視線で物事を見ることができたり

カッコつけずに正直だったり…

 

と言った、

陰陽ハッキリと

矢部さんの魅力が漫画の中で出ていることが

とても感慨深いのだ。

 

読み終わってなんだか

幸せな気持ちになるのは

矢部さんが漫画の中で

大家さんやご家族との自分の小さな幸せを

優しく綴っているからかもしれない。

 

 

そういえば、

前述した冒頭の言葉の最後は

このように締めくくられている。

 

 

大家さんと僕が出会う前も、僕は幸せでした。でも大家さんと出会って、僕は幸せになりました。

 

 

まだまだハマりそうな矢部ワールド。

 

展覧会にいく前に

まだ読みたいものが残っているわwww

 

 

ちなみに、その展覧会は

4月24日から7月7日まで、

立川PLAY MUSEUMにて。

ふたり 矢部太郎展

あなたと矢部太郎の展覧会。

 

 

矢部太郎さんと一緒に

柔らかな優しい世界へ行ってみませんか?