たての糸は美意識、よこの糸は職人たちの匠の技〜西陣織あさぎ美術館へ | 春はあけぼの 女は美学

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50過ぎた女が感じたこと、考えたことを書いてます

こんにちは。伏見美帆子です。



アラカンオンナが、
感じるままに綴るブログです。


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京都3日目。

1日目は京セラ美術館で
村上隆の「もののけ京都」を。


そして、

2日目は初めてのお伊勢参りでホンモノを体験。



最終日は、

京都に来るとお参りしている、


月読神社→松尾大社→伏見稲荷大社


のコースにしようと思っていたが、

伏見稲荷で御祈祷をお願いしても

まだまだ帰りの新幹線まで時間が余る…


どこか、

ワタシの食指を動かしてくれる

美術館がないかなぁと検索していると、


パッと目に入ったところが。


西陣織あさぎ美術館


西陣織といえば、

前日のお伊勢参りでも、神楽殿の待合室の椅子が

西陣織だと会うお話を聞いたばかりで。


しかも、なんと!

特別展で、


「源氏物語と雅な歌人たち」


という、西陣織アートを展示しているらしい。

パンフレットまた折れてしまった💦


場所を調べてみると、

松尾大社にお参りしたあと、

伏見稲荷に行く途中にあり、交通の便もよろし。


ホームページを見ると、


西陣織は、日本最古の伝統産業。平安の世から、うるわしい日本の美意識をたて糸に、職人たちの匠の技をよこ糸に織り継がれて、多くの人々を魅了しつづけています。西陣のなかでも最高の織技術(1800口織ジャガード)で表現された、花鳥風月や先人の芸術作品の数々をどうぞご堪能ください。

とある。


縦の糸は美意識

横の糸は職人たちの匠の技…


中島みゆきさまとはまた異なる

糸の世界…

胸が高鳴る。



月読神社、松尾大社とお参りをし、



その後早めの昼食を済ませ、

いそいそと美術館へ。




あさぎ美術館は、ビルの7階にあるのだが、

エレベーターから降りるとまず度肝を抜かれる。




尾形光琳の「紅白梅図」を模した、西陣織。


絵画ではなく、


織物…


しばし、目を奪われて

足が止まってしまう。


絵画ではないのだ。

これは織物…


どれほどの手間をかけて織り上げていくのか

素人には

思いを馳せることもできないが、

それでもその素晴らしさを感じることはできる。


ぼーっとしながら入場料をお支払いすると、なんと五百円だった。

しかも、タブレットを貸してくださり、

動画で説明を聞くことができる。


動画を観ながら

作品を見ながら

それはなんだか、雅な世界。






源氏物語の世界も

丁寧に彩られ、









これが本当に人の手が作り上げたものなのか

まさに匠の技である。


源氏香の柄の西陣織の近くには

実際のお香の原料も展示され嗅ぐこともできる。







ため息しか出ないのだが、

実はこれからまだまだ

西陣織の世界は続いていく。


百人一首の世界を西陣織で表現。肌をとっている人形まで置かれている。


途中、内閣総理大臣賞を取った、
織師のご夫婦が動画に登場なさり、
機械に全てを負かすことはできず、
糸の太さや強さにより、
全て手で調節しなけらればならないそう。
一年の歳月をかけて出来上がった織物は
まさに息を呑むような
匠の技の結晶だった。


嗚呼、ここにも

   ホンモノがあった…✨


他にも、

リンパの作品を模したものや



仏閣美術



海外の印象派の作品など




観るものの前で

何度ため息が出ただろう。


それは、

一本一本大切に丁寧に紡がれた糸が織りなす

美の技。


それは、

国境を越えた素晴らしき作品へも

糸だけではなく時に金箔をも織り込み


新たな命を吹き込んでいく。


ホンモノとは、
人の心を内側から湧き出させるもの。
時に激しく
時に雄大に

意識していなくても
込み上げさせてしまうもの。


「ホンモノ」についてワタシはこう綴ったが

西陣織は
まさにワタシのココロを
良い意味で掻き乱し、

日本人としての美意識を
存分に湧き出させるには
あまりあるものだった。


ぜひ、日本人の心を思い出しにいってみてはいかがでしょうか。

四条烏丸
西陣織あさぎ美術館



帰りの新幹線は、月を愛でつつ…。