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山川常務はあんぐりと口を開いて、オーナーを見た。
オーナーは、一瞬、口をつぐんだ。
ワシのいう意味が、わからんかな。
ええ、申し訳ないですが。
今の大東京テレビのどこに、ご不満なんでしょうか。
オーナーは鼻白んだ顔をした。
そもそも番組がつまらん。
山川常務のスキンヘッドが紅潮した。
番組編成局とか報道部とか、全社的に最善を尽くしていますが。
最近、視聴率が下がっているだろう。
はあ、その点を突かれますと。否定しがたい事実です。
つまらんからだよ、番組自体が。
二番煎じばかりじゃないか、横並びの。
他局との差別化は、どうしてるんだ。
いえ、局としては、もっとも視聴者に喜ばれる番組作りをしてますが。
だからそれが横並びだというんだ。
どの局も同じような番組を作っていれば、そのうち、視聴者に飽きられるのはまちがいないだろう。
山川常務のスキンヘッドが照明を反射して光っていた。
独自の番組を作るのが、今、もっとも求められているんだ。
そこでワシがその方法をきみたちに伝授しようというわけだ。
しかし、あまりに奇抜なものを作ると、どうしてもスポンサーさんが受け入れてくれませんので。
だからワシがそのスポンサーの代わりをしてやろうというのだ。
そのための出資だ。
ここで斬新な番組を作って、離れていった視聴者を呼び戻すのだ。
山川常務はゴクリと唾を飲み込んだ。
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