談話室 『和太刀』 別室 -2ページ目

スロー&リアル

舞台上の振り付けでも、スロー殺陣(スローモーションで行う殺陣)は場面によってはとても有効なので使うことも多いのですが、


先日の通常稽古にて、芯(斬り役)をとらせていただいた際に、ちょっと踏み込んだことをやってみようと思いまして実行したのがコチラの写真群のものです。
といっても写真だと本当に伝わりづらいのですが、リアルスピードの部分とスローモーションの部分を交互に、それも不規則に展開させるというものです。
まあこんなことをする場合、通常ならば曲のリズムに合わせてとか、何かキッカケとするものがあって合わせていくのが常套手段なのですが、
そこは絡み(斬られ役)を担当してくれた市川君、前堂君、斎藤君との長年の付き合いで、細かい呼吸合わせや、斬りつけるタイミングなども「ここだ!」というところで斬ってきてくれるので、
見た目には相当危ないと思える近間(近い間合い)の攻防も安心して出来ました。
ですからこうした作品の場合、どうしても主役である芯の方に目が行きがちになりますが、
本当の主役は絡みの方なのだと思います。
難しいのは、ある部分はスローモーションのように見えて実はリアルスピードの中のゆっくりジワジワとした表現だったりするわけで、
その場合はリアルスピードとスローモーションのハッキリとした切り替えポイントを提示しないまま進んだりしますから、
まさに互いの呼吸を一つにし、作品の向こう側に見える風景を共有出来ないと無理な話なんです。
最後、全員が斬られて倒れ伏す表現はスローモーションでしたが、
一度身体が地面に触れてバウンドする部分まで細かく指定しましたから三人にとっても一回通しただけで
相当気力と体力を使うものになったはずです。
いやはや、ホントにお疲れ様でした。
そしてありがとうございました!

清水

複数人絡みの難しさ。

先日の通常稽古にて。久しぶりに吉富さんに芯(斬り役)をやってもらいました。
絡みには前堂君&奥田さんのコンビ。
吉富さん、少し慌てん坊なところがあるので、そのあたりの調整役は絡みの二人に頼みました(笑)。
あまり慌て過ぎると、剣を振り回すことになり、その振り回した剣に体捌きが追いつかない→結果、身体が武器に振り回されてしまうということ、慣れない内はホントによくあることなんです。
ですから、そのあたりのコントロールを絡みの二人の「かかりの呼吸」で調整するというわけですね。
この時も調整して以降は吉富さんの動きもかなり安定し、とても強そうな芯になりました。
二人以上の複数人絡みの場合、一人を相手にしている時ほど、他の人間の動きに気を配ったり目線をツケタリさるのが常套手段となるのですが、Àさんを斬りながらBさんを見るというのは普通の生活をしていて中々しないことですから、慣れない内はパニックになってしまうこともあるのです。
でもそこを克服するのが稽古の積み重ね。
このときも最初の一回が信じられないほど本番発表の時には落ち着いて出来ていた吉富さん。
素晴らしかったです。
そして絡みのお二人さんも任務お疲れ様でした!

清水

さらにレベルを上げての挑戦!

先日の通常稽古。奥田さんには少し前に小太刀の芯(斬り役)をとってもらいましたが、その時はまだ初級編という感じの振り付けでしたので、
今回はさらに本格的にやってもらうことにしました。
相手の絡み(着られ役)には谷口さん、中島さん、前堂君の三人です。
常にその剣の長さを利用して、遠い間合いから斬りつけようとする(あるいは斬りつけてくる)相手に対して、一人を盾にしたり、咄嗟に身を沈めたり、
あるいは敵の波状攻撃に対して全てそれを受け流し、払いながら前進したりと大忙し!
しかし、これが短い武器が長い武器に対抗する手段の基本ですから、ちゃんとやろうとするとホントに大変なんです。
間合いを詰めたと思ったら、すぐさま敵の反撃もきます。
その時は素早く後方に退いて、「今だ!」と攻めてきた敵の背後をとり、首を斬る!
最後の一人(中島さん)の懐に潜り込みながらの一手、これが見事にキマり終了。
いやはや、コレ一回流すだけでも相当に体力だけでなく神経も使います。
しかし奥田さんは見事にクリア!
女性の素早い小太刀って、キマるとカッコいいんです。
今度はさらに上のレベルに挑戦してほしいと思います。

清水