大失態へのプロセス | たまのブログ

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職場や家庭で口走っている所感雑感を遺書代わり!?始めたつもりでしたが、いつのまにやら単なる日記に変貌することになりました
知識乏しく内容に誤りも散見されるかもしれませんが、我が思いに過ぎないということでお許しください


エアコンが効いて快適なホテルの一室で過ごす星期六。

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暑すぎる昼間の疲れもあり、夜まで出歩く元気はなく、ホテル室内でゆっくり過ごしていますが、こんな夜を迎えることができて幸せ。
これも在台特権だけでなく、どんなピンチになっても常に守ってくれる強い幸運も持ち合わせているからこそできること。
仕事をリタイアしたら、こうした幸運への恩返しも努めていきたいと思います。

そんな穏やかな夜を迎えていますが、今日は台湾赴任以来、1番の大失態を演じてしまいました。
体調崩して病院受診に出かけた際、オートロックの鍵を忘れて出たのも大きな失態でしたが、あれを上回る今日の失態。
長くなりますが、その経緯を書き留めておきます。

今日の行動は、一昨日の寝る前に思いつき、昨日の通勤車内で行動に踏み切ることを決心し、昨夜寝る前には今朝からの行動をプランニング。
昨夜食べきれなかった炒飯を朝食として、仕事よりも早く、単身宅を出ました。

少し急ぐ必要からYOUBIKE駐輪場へ行くと全部貸出中、と思ったら、ちょうど停めに来た人があり、それを借用すると台北駅近くまで。

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6時20分に返しましたが、あと10分後に出る高鉄に乗りたい…
地下へ降りて台北駅に入ると、自販機で自由席チケットを購入し、ホームへ入ると、6時26分発の高鉄が出るところで、その向かい側に待つ6時30分発に無事乗車できました。

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6時30分発は止まる駅が少なく、この時間帯では一番早く台南へ着きますが、あのYOUBIKEが現れなかったら間に合っていませんでした。
やっぱり運のいいオヤジです。
ただし、自由度の高い今日の予定なので、遅れたら遅れたでなんとでもなり、いろんな選択肢が選べるように早く着くに越したことはない、という程度です。

高鉄内では読書に没頭したため、あっという間に8時を迎えて、高鉄台南駅に到着です。

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ホームの階段を降り、改札を出ると、慣れた感じで台鉄沙崙駅への通路へ。

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台鉄の改札は悠遊カードで通過し、台南へ向かう列車に乗車します。

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ここから先の乗り換えを再チェック。

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いつもの台南駅で降りず、終点の善化駅で降りてからのバス移動ですが、バスは少なく25分もの待ち時間。
でも、それを逃すと次はさらに1時間後ということから、決して乗り遅れるわけにはいきません。
初めての善化駅ですし、初めてのバスですから、乗り間違えないよう、25分の待ち時間は長すぎることなく、ある意味安心感のある待ち時間です。
そう確認するうちに台南駅を通過。

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乗客も少数となり、車窓も長閑な景色に。

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こうして終点の善化駅に到着。

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出口への地下通路に展示されていた書画が立派です。

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そして改札へ。

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駅舎内も長閑な農村的イメージ。

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Googleマップでバス乗り場の位置を確認し、駅前のバス乗り場へ。

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オレンジライン幹線のバスで玉井方面へ向かいますが、検索した内容通り、バス停に表示される待ち時間も20分程度。
何本か違うバスを見送るうちにGoogleマップでの出発時間に。
バス停の待ち時間を確認するとあと5分で来る表示で、Googleマップも再確認すると少し遅れているとリアルタイム情報まで素晴らしい。
すると、そこにオレンジライン幹線のバスがやって来たのが9時39分。

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今日の行動予定に対し、4分遅れなんてのは遅れにもならないので意気揚々とバスに乗車し、9時40分に出発しました。

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ここから約1時間のバス旅。
読書もできますが、リュックから出すのが面倒なので、善化の街並みを眺める時間としました。
街中を抜け、少し殺風景な感じになって来たので、Googleマップで現在地を確認すると
あれっ!
玉井のある東方面ではなく、西方面に向かっている…
まさかっ!
だけど、進行方向がおかしい…
やってしまったか!
どうしたらいいか?と頭がグルグルしながら、まずは確認と通路挟んだ座席に座る年配のオッチャンに、チンウェンと声かけながら「このバスは玉井に向かっていますか?」とGoogle翻訳の表示を見せたところ首を横に振られます。

謝謝!
パニック状態から、シフトチェンジのスイッチが入ると降車ボタンを押し、悠遊カードを取り出そうとすると、ちょうどすぐバス停に止まりました。
急いで降りなきゃ、と悠遊カードを手に、リュックを背負ってスムーズにバスを降りました。

乗車したのが駅前ルーブにあるバス停なので、考えてみれば両方向のバスが来るのは当たり前ですが、まさか同じ時間に逆方向へ向かうバスが来るとは全くの想定外。
玉井の文字に疑う余地なく乗車しましたが、玉井からのバスの意味とは思いもつきませんでした。
それにしても、この降りたバス停は一体どこなの?

しかし、ここから本当のパニックに見舞われることに。
こんな辺鄙な所に出てしまうと、どうやって元へ戻れるかもわからないし、午前中に行きたい玉井に辿り着けるかどうか怪しいよな…
と冷静に考えようとポケットのスマホを探ると
何もない


スマホがない!!!


それはもうホントに血の気が引きました。
バスはもうずっと向こうに行ってしまったのが見えましたが、悠遊カードを出す際、スマホをシートに置いてきてしまったに違いない…
けど、バスには追いつけないし、はぁ〜…

頭はすっかり混乱状態に。
とにかく何もできず、ただバスが向かった方向に呆然と歩きながら、視界から消え去ったあのバスになんとかして追いつきたいと思うだけ。
その先に黄色い車が道路沿いに駐車する車の最後列に見えたので、あのタクシーで追いつければ…
でも、そんなうまく行くはずもなく、駐車しているタクシーに運転手の姿はなく。

すぐにあきらめ、とにかく前に向かうことしか知らないオヤジは前進あるのみ。
道路の向こうにガソリンスタンドがあったので、とにかく泣きついてみよう…
と向かっていくと、逆方向に向かうタクシーが見えたので、ダメ元で大きく手を振ると、運転手もバイバイと手を振ってくれました…

残念…
と思いながらタクシーを見ると、次の交差点でUターン。
バイバイではなく、わかったよ、の合図だったみたい。

こうしてオヤジに気づいてくれたタクシーに乗り込むと、当然ながらどこへ行くのか?と多分聞いてきました。
そこでオレンジラインのバスを追っかけて欲しい、あのバスにスマホ忘れて身動き取れない…
とあの手この手で伝えます。
しかし、当然ながら何も通じない。
何も通じないまま、とにかくあっちに行け!とボディランゲージのコミュニケーションで前には向かってくれますが、行き先不明で走るタクシーですからのんびりした感じ。
5分ほど早く向かうバスにどんどん遅れる…
と焦る一方ですが、コミュニケーションが取れないことにはどうにもなりません。
すると運ちゃんが自分のスマホを使って、どこへ行くのかと翻訳機能を駆使し、こちらに渡してくれ、よっしゃ〜!と思いましたが台湾スマホ。
日本語での入力ができない…
とにかくオレンジラインのゴンチャ(公車=バス)追っかけて欲しい!
といくら言おうと伝わることもなく時間だけが流れます。

そこでやっと気づいたのが、台湾スマホに日本語入力はなくともアルファベットの英語入力は可能。
そこからいくつかのやりとりを経て、オレンジラインのバスにスマホ忘れたのでバスに追いついて欲しいことは伝わりました。

すると問われるのが、バスはどこにいるのか?どこに向かうのか?
そんなの知るわけもなく。
オレンジラインで玉井に行きたかったのが、逆方向に乗っただけで、どこへ向かうバスかうろ覚え。
そのうろ覚えの記憶で、バス停で見た玉井の逆方向は「加里」だったような?
なので、オレンジラインだ、と言うと、
オレンジラインがどこに行くか俺は知らない!と手に負えない素ぶり。
仕方なく、ジャアリ?(加里のつもりで)と伝えたところ、正しくは佳里でしたが、これまた運良く、佳里の読みも同じジャーリ。
ちょうど佳里へ曲がる交差点に差し掛かったところでしたが、その交差点内を大回りに左折すると、佳里方面へ向かいます。

しかし、急がないと追いつかないので急いで欲しい。
ブーマンマンズオ(不慢慢走)、マーシャンズオ(馬上走)と急ぎたい気持ちを適当に並べると、わかったよみたいな素ぶりも。
そんなやりとりの最中、対向車線に現れたのが乗ってきたバスとそっくりのバス。

もしや、もう終点について戻ってきたか?
と思っても、その思ったことを伝えることができない…
あのもどかしさといったらもう言葉にはできません。
やりきれない気持ちに包まれていたその時、今度は同じ方向に向かうバスが横道から目の前に現れました。

あれだー!
ほんとか?
あれしかない!
1時間に一本しかないバスだからあれしかありえない!

そしてバスに追いつき、しばらく並走後、先のバス停でタクシーを停車。
ちょうどバスから降りる人もいてバスも停車。
運ちゃんに待っていてねとリュックを残してバスに向かい、中扉からバスに乗り込むと、玉井に向かっていないことを答えてくれたオッチャンの反対側のシートに走ると、見覚えあるスマホ!

良かった〜!!!
オッチャンに意味もなく謝謝と言ってスマホを手に取り、バス運転手にスマホ忘れて取りにきたことを伝えようと前扉へ向かった時には、タクシー運ちゃんが説明中。
あったよ!
と両者にスマホを見せてバスを降り、タクシーへ戻りました。

なんとも言えない安堵感と高揚感で笑いが止まりません。
スマホ取り戻すまでは気づかなかった意外と若い運ちゃん共々タクシー内はすごく和やかな雰囲気となり、とにかく玉井のマンゴー市場へ向かってくれ、と言うことに。

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玉井まで善化駅からバスで1時間程ですし、尚且つ逆方向へ相当向かってのこと。
そこそこ距離もあるし、乗車時間もたっぷりの中、両者でスマホ使った和やかコミュニケーションは、お互い笑いが絶えません。
何か困ったことあったらLINEで連絡してくれよ、とナイスガイの運ちゃん。

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ようやく玉井マンゴー市場へ着くと、スマホ忘れるなよ!と。

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運ちゃん自ら記念写真撮ろうとなりました。

快適ホテルで心地よく過ごせるのもスマホが戻ったおかげ。
スマホが戻らなければ、どこのホテルか場所もわからない。
スマホ紛失対応に追われ、単身宅へどうやって帰るか、途方に暮れるはずの天国と地獄の違いでしょう。

図らずも今回また深めることとなった日台異文化交流。
明日台北に戻ってから、お礼のLINEを入れておきます。