第70回関東学生剣道選手権大会 5月12日・日本武道館
5月12日、日本武道館にて、第70回関東学生剣道選手権大会が行われた。今大会はトーナメントを勝ち抜いた64人と、敗者復活戦を勝ち抜いた8人の合計72人が全日本(全日本学生剣道選手権大会)への出場権を獲得する。早大からは馬場恭大主将(スポ4=神奈川・東海大相模)、石川将伍(法4=高知学芸)、中村秀真(商4=京都・東山)、門田功成(社3=兵庫・育英)、齋藤裕太(社3=大分国際情報)、横山冬馬(スポ2=宮崎・日章学園)の6人が出場し、横山が5回戦まで進出。齋藤は3回戦で敗れたものの敗者復活戦を勝ち抜き、二人が全日本出場を決めた。
コテを打つ門田
1回戦からの登場となった馬場。1分過ぎにメンを打つが審判の旗は一本しか上がらず。その後も激しい打ち合いの中延長に突入した。6分過ぎ、遠目の間合いから相手にメンを打たれ敗戦。馬場は無念の初戦敗退となった。同じく1回戦から出場した石川は延長戦にもつれた初戦を突破し、続く2回戦。延長戦に入っても鍔(つば)迫り合いが続き、15分を超える長い試合となる。消極的な戦いとなっていることから両者に反則が与えられた直後、一瞬の隙を突かれてドウを決められる。石川は2回戦で姿を消した。中村はシードの2回戦から出場。序盤から果敢(かかん)に攻撃を仕掛け、3分過ぎに引きメンを打つが技は認められない。すると終了約20秒前、メンを打たれ万事休す。中村も2回戦敗退となった。昨年、早大から唯一全日本に出場した門田は、2回戦を突破し迎えた3回戦。門田がコテを狙ったところで空いたメンに打たれて敗北。敗者復活戦に回るも、1回戦の延長戦で再びコテを狙ったタイミングでメンを返され敗北。2年連続の全日本出場は叶わなかった。
公式戦初出場となった齋藤。初戦となった2回戦は「緊張していた」と振り返るように動きに硬さも見られたが、延長戦をメンで制し公式戦初勝利を挙げる。続く3回戦は相手の素早い動きに苦戦する。試合開始から7分後、相メンになったところで相手のメンがわずかに先に入る。齋藤は全日本出場をかけ敗者復活戦に回ることになった。敗者復活戦に回ったあとは得意のメンが効果的に決まり、敗者復活1回戦、2回戦共にメンを決めて勝ち上がる。勝てば全日本出場が決まる3回戦。開始から1分過ぎ、齋藤の竹刀が相手のメンを完璧にとらえ、三本の旗が上がる。その後も終始攻め続け、そのままタイムアップ。一本勝を収め、齋藤は敗者復活戦から全日本出場を決めた。
4回戦、メンを決めて勝利する横山
個人戦では初出場となった横山。1回戦は上段構えの相手からコテを二本決めて勝利。2回戦は開始早々、コテを先取される苦しい展開に。しかし2分過ぎにメンを決め追いつくと試合終了間際、相手が間合いを詰めてきた瞬間を見逃さず竹刀を一閃。メンが決まり3回戦に進出した。全日本進出をかけた3回戦。互いに出方を探りあう膠着(こうちゃく)状態となり、なかなか技を繰り出せない。3分過ぎに反則が与えられると横山も積極的に攻撃を見せ始める。すると延長戦に入るかと思われた終了直前、ほとんど振りかぶらずに打ったメンが決まり、自身初の全日本出場権を手にした。続く4回戦は開始からわずか1分ほどでメンを二本決める圧勝で勝ち上がり、迎えた5回戦。延長戦までもつれる試合となり8分過ぎ、防御体勢の上からメンを決められる。5回戦で敗れたものの見事に全日本出場を勝ち取った。
今大会は全日本出場を決めた横山、齋藤が試合序盤から積極的に攻めていく姿勢が光った。6月に控える全日本でも攻撃的で思い切った剣道を披露し、上位進出を目指す。また今大会は全日本に届かなかった馬場、石川、中村、そして門田には9月の団体戦でのリベンジに期待したい。
(記事 植村皓大、写真 小島大典)
※掲載が遅れてしまい大変申し訳ございません
試合結果
馬場恭大主将(スポ4=神奈川・東海大相模)
1回戦● 馬場―メ生田(東農大)
石川将伍(法4=高知学芸)
1回戦○ 石川メ―丸野内(東農大)
2回戦● 石川―ド阿部(筑波大)
中村秀真(商4=京都・東山)
中村―メ望月(成蹊大)
門田功成(社3=兵庫・育英)
2回戦○ 門田メメ―メ又吉(中大)
3回戦● 門田コ―石田(専大)
齋藤裕太(社3=大分国際情報)
2回戦○ 齋藤メ―篠崎(東大)
3回戦● 齋藤―メ松尾(筑波大)
敗者復活1回戦○ 齋藤メ―茂木(茨大)
敗者復活2回戦○ 齋藤メ―藤田(大東大)
敗者復活3回戦○ 齋藤メ―四ノ宮(明学大)
横山冬馬(スポ2=宮崎・日章学園)
1回戦○ 横山ココ―川井(茨大)
2回戦○ 横山メメ―コ斉藤(獨大)
3回戦○ 横山メ―重松(都立大)
4回戦○ 横山メメ―根本(青学大)
5回戦● 横山―メ久保田(国士舘大)
試合後コメント
齋藤裕太(社3=大分国際情報)
――個人での公式戦初出場となりましたが、どのような気持ちで臨みましたか
普段の早稲田でやる練習試合と違い、初めての場所でやることにとても不安を感じていました。ただ、一緒にいる先輩や、この大会を経験している同期を見ているうちにその不安もだいぶ薄れてきました。1試合目はかなり緊張しましたが、2試合目からはいつも通りの力が出せたので良かったです。
――今日の試合全体の内容を振り返っていかがですか
アップをしてから試合までの時間が長かったので、1試合目は体がだいぶ固まっていたので完璧なパフォーマンスではありませんでした。しかし、それをしっかり2試合目以降でいつも通りの状態に戻すことができたので、内容としては悪くなかったと思います。
――特に敗者復活戦に回った後からメンが決まっていましたが、手応えはありましたか
3回戦で対戦した相手が結構スピードのある相手で、なかなか決めることができませんでした。ただ、それに比べてその後対戦した相手がそこまでスピードが速くはなく、(相手が)良く見えていたので、自信をもって打つことができました。
――今大会で出た課題はありますか
1試合目から普段通りの全力を出すようにできることが大きな課題だと思います。また、1本取った後、相手が勢いづいてくるときに足を止めず、守る姿勢にならないでしっかり攻撃できるようになることも課題です。
――最後に全日本への意気込みをお願いします
初めて出ることになりますが、優勝目指して頑張ります。
横山冬馬(スポ2=宮崎・日章学園)
――個人戦の公式戦出場は初でしたが、試合前の気持ちを教えてください
横山 緊張しました。緊張というか、前日に高校時の同期が九州の学生大会で3位とかになってたので、自分も負けられないなと思ってました。
――3回戦では全日本出場がかかっていましたが、監督からはどんな声掛けをされましたか
気持ちが逃げたらダメなので、気持ちを大事にと言われました。
――4回戦では試合開始後すぐに二本決められましたが、振り返っていかがですか
今日は自分の剣の形を意識してやりました。 相手が来ても逃げないように意識していたので、それがうまくはまってくれたのかなと思います。
――今日の試合全体を振り返って良かった点や課題は何かありましたか
自分が悪い時はいつも構えられなくて逃げたりして、そこがあまり良くないのですが、今日は比較的構えられたかなと思います。悪かったというか、自分が元々(試合を)やる予定だったみたいな強い人たちがみんな負けちゃって、運で上がっちゃったみたいな。運が良かったので、結局、最後5回戦で本当に強い人とやって勝てなかったので、そういう人に勝てるようにしたいです。
――全日本へ向けて意気込みをお願いします
まだ2年生なので、思い切って頑張ります。