【新歓企画】早スポ柱対談第1回 小島大典×橋本聖×丸山勝央 | 早スポオフィシャルブログ

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早稲田大学でスポーツ新聞を製作する「早稲田スポーツ新聞会」、通称早スポの公式ブログです。創刊から64年を迎え、600号も発行。ブログでは取材の裏話、新聞制作の秘話、現役大学生記者の苦悩を掲載‥これを読めば早スポ通になれる!

 第1回に登場するのは、副編集長の小島大典(政経3=千葉)、業務チーフの橋本聖(政経3=東京・本郷)、渉外チーフの丸山勝央(社3=東京・安田学園)。運営側としても早スポを支えている3人の胸に秘めた思いをお聞きしました。これを読めば、早スポの活動で新しいことにチャレンジしてみたくなること間違いなしです!

 

※この取材は4月4日に行われたものです。

 

「憧れを抱きつつも、自分自身のやりたいような副編集長をやろう」(小島)

 

早慶レガッタで優勝し抱き合う上路達也(基理4=東京・世田谷学園)と 川上拓海(スポ2=愛媛・今治北) (写真中央)

 

――まず他己紹介をお願いします

橋本 政治経済学部3年の小島大典です。県立千葉高校出身で漕艇(そうてい)部のチーフと副編集長をやっています。得意なことは、Adobeを使うことで、レイアウトで困ったらとりあえず小島君に任せればどうにかなります。あとすごい器量の大きな人物なので、困ったらいつも頼ってます。

小島 丸山勝央君です。東京の安田学園高校出身で、阿部慎之助が先輩です。今就いている役職は、卓球チーフと渉外チーフです。彼はすごい記事を書くのが得意だと思います。厳しい記事も臆せず書くことができるので、今の早スポには、なかなかいないタイプの人なのかなと思います。

丸山 橋本聖君です。政治経済学部3年。本郷高校出身。早スポの三役と呼ばれる業務チーフに就いている早スポの柱ですね。広告を取るという、早スポにとってお金に関する大事なことをやっています。あとは僕と同じジャイアンツファンで、よくジャイアンツの話をします。

 

――早スポに入った経緯を教えてください

小島 僕は橋本君に誘われて入りました。1年の春の授業が一緒で、(橋本が)早稲田スポーツ新聞会に入ったと聞いて、少し興味があったから連れてってよって頼みました。その後、新歓に少しだけ行って入りました。

橋本 もともとスポーツを見るのが好きで、大学入ってからも、そういうサークルないかなというのは探していました。たまたまマイルストーンで、こういうサークル(早スポのこと)があるなというのを見つけて、どんなサークルなんだろうって感じで見たら、結構しっかり活動してるし、大学野球とかもめっちゃ見られるんじゃね?と思ったので入りました。もともと高校野球とかプロ野球は結構見てたんですけど、大学野球ってあまり見なくて。このサークルに入れば詳しくなるかなと思ったので、とりあえず新歓行ってみようと思って新歓行って、そこで感じた雰囲気が、自分に似た感じの人が多いなって、なんか安心できるなと思ったので入りました。

丸山 自分もハシキヨ(橋本の愛称)と同じで、説明会行った時の雰囲気が、居心地がいいなと思ったのと、あとすごい野球が好きで、サークルいろいろ行ったんですよ。野球とかソフトボールの新歓も行ったし、いろいろやってみたけど、自分が想像してるプレーと、実際にできるプレーの差がひどすぎて、すごい絶望的で。やっぱ自分はやるよりも、見る方が好きなんだなって思って。そういう人たちが集まっているのは早スポだから、早スポに入りました。

 

――初めての取材は何でしたか

橋本 初めての取材は、あんまり選手とか詳しくないんで覚えてないんですけど、競走部の短距離の方の対談に行った記憶があります。なんで行ったのかというと入会したのが1年の6月ぐらいで、8月ぐらいに募集がかかっていて、「2ヶ月間俺、何もしてないな、これって大丈夫なのかな」と思っていて。あまり陸上分からないけどとりあえず行こうと思って、1年の8月にトコキャン(早大所沢キャンパス)で、短距離の方の取材をした記憶があります。でも後で聞いてみたら、まだその時期誰も取材行ってなくて、別に心配しすぎだったなというのが印象に残っています。

小島 今のハシキヨの話を聞いて偉いなと思いました。8月なんて僕はまだ前のサークルいたので。僕が最初に行ったのは、それこそ昨年の今ぐらい、2月か3月の野球のルーキー対談です。岡西選手(岡西佑弥、スポ2=智辯和歌山)と森山選手(森山陽一朗、スポ2=広島・広陵)の対談を、矢彦沢さん(矢彦沢壮真、文4=長野・松本深志)と一緒にやったのが一番最初です。田中さん(田中駿祐、文構4=東京・三鷹中教)とか汰朗さん(齋藤汰朗、文構4=山形・酒田東)とかも一緒にいたんですけど、3人とも「小島って誰なんだって」、俺も「そっちこそ誰なんだ」みたいな(笑)。なんかすごく気まずいなと思いながら行ったのを覚えてます(笑)。

橋本 いつの間にかいたもんね(笑)。

 

丸山 自分は7月か8月ぐらいの、ヨット部の早慶戦が初めての取材です。葉山の海で5時間ずっと揺られて。正直全然ルールが分からなくて、先輩たちが記事とか速報ツイートとかやって、自分たちは写真を撮ってはいたけど、全然うまくなかったし、ボーっと「今試合始まったんだ」みたいな。ただ5時間海の上にいただけ。でも先輩たちがご飯もご馳走してくれて、帰りも車で東京まで送ってもらったりとかして。すごく至れり尽くせりだった初めての取材は、とてもいい思い出です。

 

――早スポの魅力を教えてください

橋本 早スポの魅力はいっぱいあると思うんですけど、やっぱり一番は普通の大学生じゃできない経験ができることだと思います。普段生活してる中でスポ科(スポーツ科学部)とかじゃなくて、本キャン(早大早稲田キャンパス)に通ってたら、あまり体育会系の大学生たちと関わることってないと思うんですけど、取材とかを通したりして、すごい近い距離感で話すことができるというのが、スポーツ好きにとっては魅力的なことなのかなと思います。それでキャンパスとか、普段何気ない場所ですれ違った時に声をかけてもらえるというのも、取材して覚えてもらってるんだなって。すごく距離が近くなった気がして。それが早スポに入った中で一番良かったことかなって思います。

小島 ハシキヨは取材のこと、みんながイメージする早スポのことを話してくれたと思うんですけど、早スポは取材だけじゃなくて紙面を作るとか、それこそ2人がやってる業務的な仕事もあります。なので自分の活躍できる場が、記事を書くとか写真を撮る以外にも、いっぱいあるんじゃないかなと思います。僕は紙面のレイアウトが好きで活動に行き始めたので、そういう人にも活躍の場があるというのは魅力なのかなって思います。

丸山 自分はハシキヨと似ているんですけど、早稲田にスポーツ推薦で入る人って本当に上澄み、めっちゃトップの選手たちだと思うので、そういう人たちと話ができるというのはすごい機会だし、そういう淡々とすごい結果を残している人たちが、実際はそのプレー中どう思っているのかとか、意外に緊張しているんだなとか。そういうあまりみんなが知らないようなことを知れるのはすごいことだと思います。

 

「大変な経験を通して、人として大きく成長できれば」(橋本)

 

秋季早明1回戦で学注(学生注目)を披露する井原遥斗(令6教卒=埼玉・熊谷)

 

――3人の役職について伺っていきます。最初に現在の役職について具体的に説明お願いします

橋本 自分は業務チーフという役職に就いています。業務チーフというのはさっきマル(丸山の愛称)からも説明があったんだけど、いわゆる三役の一角になっている役割で、早スポ全体の責任を取る立場の一人になります。具体的に何をするかというと、早稲田スポーツ新聞会というからには、新聞を発行する。新聞を発行するにはお金がかかってくるので、広告を取ることでお金を賄っていくという必要があります。その広告の営業だったり、やり取りを担っています。業務チーフのいいところとしては、いろんな外部の人と関われるので、外部の人と関わることが好きな人には向いているのかなと思っていて、自分は取材とかを通して外部の人と関わるのが結構好きだなと思ったのでちょっと手を挙げました。お金をもらいに行く立場なんですけど、その中でやっぱり人のぬくもりみたいなのを感じることができて、そこが今やっていてやりがいを感じるところかなと思います。

小島 僕は副編集長と漕艇部の担当と、それとAdobeチーフというのもやっています。漕艇部は普通の競技チーフなので、早慶レガッタの取材に行ったりする現場の仕事です。副編集長とAdobeチーフは業務的なところで、特に副編集長とAdobeチーフどっちも、レイアウトなど紙面構成に関わる仕事かなと思います。具体的な業務内容というと、2つとも3代くらい前にできた役職らしくて、副編集長という名前がついている割に三役にも入っていないです。だけど、紙面構成では時間割かないといけないみたいな。曖昧な割に、やることが多い気がします。やることが多いというか何でもできちゃう役職かな。業務内容がはっきり決まってないので、手を出そうと思えばいろんなことができてしまう役職なのかなと思います。

丸山 自分は今渉外チーフと野球の寸評チーフと卓球のチーフについています。渉外はみんなが東日(東日印刷)で頑張って作ってくれた傑作を、折って封筒に入れて、購読者の方々に届けるというとても責任のある仕事です。野球の寸評チーフは、レギュラー(の選手)やベンチに入っている選手の130字くらいの紹介を書くという仕事です。

橋本 野球とか駅伝とかいろいろな競技チーフの方々は現場で頑張っているんですけど、三役とか渉外チーフとか副編集長というのは現場に行かないで、裏で運営という立場でやっているというのが、運営側の役割なのかなって思います。

 

――なぜ今の役職に就いたのか教えてください

橋本 さっきと被ってしまう部分はあるんですけど、やっぱり2年のときマイナーチーフをやって、それでいろんな部の人と関わったりして、自分って結構外部の人と関わるのが好きなのかなって思って。そういう面で自分がうまく貢献できる役職はなんだろうって考えたときに、業務チーフっていうのがあるというのを、昨年の夏頃に知りました。三役という責任のある立場は自分とは無縁だと思っていたんですけど、「ハシキヨは向いてるよ!」ってみんなが持ち上げてくれたので、じゃあやってみようかなと思って、とりあえず手を挙げてみました。

小島 漕艇チーフに就いたのは、最初に僕が紙面を作ったのが昨年のレガッタ号(早慶レガッタ号)の裏面で、前チーフの汰朗さんから、「もうお前(漕艇部のチーフ)やれよ」みたいに言われてたので、特に抵抗もなく就きました。副編集長に就いたのは、僕が早スポの活動に行き始めたのが、みんな(66期、2年生)が入学する2ヶ月前ぐらいとかで、他の65期(3年生)の同期よりも現場に行く場数が少なかったので、写真を撮るとか記事を書くのはみんなより不得手だなって思ってて。でも1年生の時、バイトで広告作るみたいなことをやっていて好きだったので、生かせるかなと思いました。副編集長だったら、紙面に中心的に毎回関われるようになるし、ここだったら活躍できるかなと思って就きました。Adobeチーフは誰もいなかったので(就きました)(笑)。

丸山 渉外に関しては、何かやんなきゃダメだなって思った時にやってもいいかなって思ったのが渉外で。渉外くらいしか自分行ったことなくて。前のチーフの人もすごいお世話になった人だったからいいかなって思って就きました。野球の寸評チーフに関しては、さっき出てきた齋藤汰朗さんという方が(一昨年の)春野(春の早慶野球号)の新人紹介面というところの面担(新聞の紙面のレイアウトをする人)をやっていて、自分が次(昨年)の面担やって。汰朗さんを追ってる人みたいになっちゃって、そしたら寸評もお前がやるんだよなみたいになって、自然な流れでそのまま寸評やることになりました。卓球に関しては、同期で仲いい友達がいて、その人とハンドボール取材の帰り道で、(来年度の)役職どうするみたいになって。その時に、「卓球いいんじゃない。2人で兼任でもいいんじゃない」みたいな話を冗談半分くらいでしたら、彼が実際に応募しちゃって。それでやばいなみたいな。さすがに申し訳ないなって思って、卓球チーフをやっています。

 

――それぞれの役職をやる上で大変なことありますか

橋本 まだ就いたばかりで恐縮なんですけど、やっぱり一番大変だなって思ったのはこの間の新歓号の時ですかね。新歓号でいろんな大会系の部活から、部の宣伝も兼ねていただいて、やり取りを各チーフとやるんですけど、そもそも出してくれるのかどうかだったり、いつまでなら出せるのかっていう締め切りを設定したりという話をいろんなチーフの方を経由でやり取りしていて。自分の伝え方もあるんですけど、あまり期限が守れなかったり、このサイズでもらうって聞いたのに、違うサイズでもらったからデータが変になって、もう一回出稿し直そうみたいな感じで。こっちでいろいろやって、本当にこれ大丈夫なのかみたいな。俺のせいでちょっと変な新聞になったらどうしようっていうのを割と考えていて、ちょっと辛いよ、苦しいよって感じだったので。 いろんな方とやり取りできて楽しかったんですけど、そういう面はちょっと苦労したかなって思います。

小島 今のハシキヨの話にもあった新歓号は、僕もよくハシキヨとやり取りしてたんですけど、めちゃめちゃ大変だったなって感じました。この業務系の仕事は裏方の仕事だし、業務だったら広告として新聞を作るためのお金を取ってきて、渉外だったらそれをお客さんに届けることをやっていて。僕も編集に毎回顔出すみたいな感じなんですけど、紙面には誰も名前が残らない。特に2人(橋本、丸山)は名前が残らないのに大変なところをやっているのかなって思います。

丸山 渉外の大変なことは人が集まらないことですね。400人ほどの購読者の方たちに向けて、一部一部(封筒に)入れなきゃいけないのが本当に大変で。あとはこれは自分のミスなんですけど、先日2023年の1月号のバックナンバーを注文してくれた方がいたんですけど、間違えて2024年の1月号を発送してしまい、ご迷惑をかけてしまいました。

 

――今の役職について得られたスキル、チーフについて得意になったことやできるようになったことはありますか

橋本 初対面の人との会話が上手になったかなっていう気がします。あと社会人のマナーが身についたのかなっていうのがあります。名刺を渡すルールとかも全然知らなかったんですけど、やっていくうちに周りの人はこうやっているなって。名刺って交換した後は机の上に置いておかなきゃいけないらしいんですけど、それを知らなくて。そういう体験から学ぶことが多くて、社会に出る前にそういうのを学べてよかったなって思ってます。

小島 基本的に(新聞の)面のサポートをするので、みんなにいろいろ伝えてあげたり、特に66期でまだ面のレイアウトをやったことない子が来た時とかは、パソコンの使い方から教えてあげたりするんですけど。今のところ3号やって、あんまり口出しすぎるのは良くないんだなって思ってます。あとまだ10号以上あるので、こうやって教えればお互い気持ち良く面を作れるなっていうのを見つけられたらいいかなって思います。

丸山 渉外では、人を仕事に割り振るというのが、前に比べたら上手になったかなと思っています。卒期号(卒業記念号)の時は2時間くらいで発送作業が終えられました。普段は4時間くらいかかる作業が、2時間くらいで終わって、誰にこの仕事を任せたら早く終わるなみたいな、そういうのが効率的にできるようになったかなと思います。

 

――理想の副編集長像があれば教えてください

小島 僕は1個前の星野さん(星野有哉、スポ4=東京・新宿)みたいになれたらいいなと思います。でも、星野さんみたいになれはしないとは思うので、憧れを抱きつつも自分自身のやりたいような副編集長をやろうかなと。副編集長のやっていることは、編集長の(仕事の)外部とのやりとりの部分を除いた、紙面構成に関わる部分だと思います。そこで編集長が他の仕事もしっかりとできるように、そこ(紙面構成で)で手をわずらわせないように、お互い助け合ってこそ副編集長がいる意味を持てるんじゃないかなと思います。 さっきも言った通り曖昧な役職だと思うので、自分自身で(自分なりの役割を)見つけていけたらいいかなと思います。

 

「(選手への)リスペクトの気持ちは絶対に忘れない」(丸山

インカレ関西大戦勝利後ガッツポーズをする田井健志(令6スポ卒=香川中央)

 

――マイナー競技のチーフについていた時の思い出があればお願いします

橋本 いやいっぱいありますよ。自分は応援部のチーフと男子ソフトボール部のチーフについていてそれぞれ思い出があるんですけど、それぞれ語った方がいいですよね。先に男子ソフトボール部から。男子ソフトボール部のチーフについたのはもともと男子ソフトボール 部に知り合いがいるとかソフトボールに詳しいとかじゃなくて、同期の沼澤泰平君(社3=東京・早実)にチーフやらせたくて、一緒にチーフやろうよみたいな感じで立候補しました。初めて取材行った時、誰も知らないし、全く知らない状態からのスタートだったんですけど、いろいろ取材を重ねていって、4年生の引退前のインカレ(全日本大学選手権)の前の対談でその選手のことを詳しく知ったり内面を知ったりして、すごく部に愛着が湧いてきて。それからインカレの取材をしたんですけど、結果は2回戦で日体大という強豪に負けてしまって。それで4年生は引退で、もちろんめちゃくちゃ悔しいと思うんですけど、そんな中でも我々に強く当たるとかはなく、いつも通りの笑顔で取材を受けてくださったり、終わった後も雑談とかしてくださって。負けてすごい悔しがってはいたんですけど、清々しいなというか、すごい男の美しさみたいなのを感じました。あと、遠征先が富山だったんですけど、初日に僕と泰平で富山に着いたときに、ソフト部のマネージャーさんとたまたま富山駅で会って、富山ブラックラーメンをごちそうしてくれて、それがすごく美味しかったです。そのイメージが強いですね。応援部に関しては、(チーフに就いた)きっかけとしては1年の秋に早慶戦前の3号館前でやっているデモンストレーションを見てすごくかっこいいなと思って、それで手を挙げてみました。実際やってみて応援部の記事は独特な表現も多くて、最初は記事が全然書けなくて5月ぐらいまでは「なんで俺応援部のチーフやったんだろう」って結構困ってる時期がありました。でも、取材を通して部の方と仲良くなったり、いろんな先輩から記事の書き方などを教えてもらったりして慣れていくうちに自分の成長を一番実感できたのは、応援部のチーフをやったからかなと思っています。印象に残ってる取材もいっぱいあるんですけど、応援の力って本当にあるんだなって実感したのが昨年の秋の早慶戦1回戦(東京六大学秋季リーグ戦、慶大1回戦)。8回まで早稲田が1-0で勝ってて、9回の表に一旦逆転されるっていう展開だったんですけど、9回にその応援席の指揮台に登っている人が、逆転されたのに笑顔で、「すごい楽しくなってきた、俺たちはこれからだ」みたいな感じの応援をしてずっと早稲田の勝利を信じてひたすら応援してたんです。それ見て、この人の応援に乗ってたら負ける気がしないなっていうのを取材しながら感じてて、実際9回の裏に相手のピッチャー がすごい飲まれてたんですよ。初めて応援に飲まれてるという場面を見て、どんどん早稲田の応援は大きくなっていくし、結果的に逆転サヨナラ。応援の力って本当にあるんだなっていうのを、すごいその日に実感しました。

小島 僕は剣道部の担当に就いていて、何で就いたかというとまず活動開始時期が遅くてチーフに就かないと置いていかれるっていうのを近藤翔太君(商3=東京・早大学院)に言われたというのと、僕は剣道を中学校3年間やってたので、競技がなんとなく分かるからです。中学で剣道を辞めたときも本当に剣道が嫌で。部活の顧問が怖かったので「二度と剣道に関わんねえぞ」って思ってたんですけど、大学に入ってひょんなことから関わちゃって。久しぶりに見てみたら剣道ってスポーツ観戦向きの競技ではないと思うんですけど、面白いなと。剣道を3年間だけでもやっていたからこういう形で関われたので、すごい良かったなと思いました。印象的な取材は早慶戦かな。女子の早慶戦が10月くらいで男子のが12月。例年と違って2ヶ月離れてたんですけど、どちらも盛り上がりがすごくて。正直行く前までは剣道の早慶戦は人も来ないし、盛り上がらないかなって思ってました。女子はいつも練習している武道場で慶応を呼んでやって、応援部も何人か来てくれてエール交換もやってました。関係者だけではあるんですけどすごい盛り上がって。男子は勝ち抜き方式で20人でやってたので、10時から始まって18時半くらいまでかかりました。植村(植村皓大、政経2=東京・武蔵)と一緒に行ったんですけど、試合の盛り上がりに加えて、あまりにも長すぎて大変だったのがすごい思い出に残ってます。

丸山 自分は男子ハンドボールチーフに就いていました。もともとは明治ラグビーのチーフに就きたかったんですけどその競合が出てきてしまって負けて、その後、応援部(のチーフ)に応募したんですけど、結構大変だなと思ってやめようかなみたいな。それで矢彦沢さんに男子ハンドボール(のチーフ)空いてるよって教えてもらって。自分も中学のときにハンドボールやっていたっていうのもあるし、あとはその時に都大会で、自分の学校が準優勝だったんですけど、優勝した学校のメンバーが今1人早稲田にいて、その選手が今年から早稲田の男子ハンドボール部のキャプテンになるんですけど、その人をもう一回見てみたいなと思ったのでやってみました。なんですけど、実際やってみて結構きつくて。国士館大学多摩キャンパスに行くことがほとんどなんですよ。国士館大の人にはちょっと申し訳ないんですけど、本当に遠くて本当に僻地で。リーグ戦(関東学生リーグ)があるので、春も秋も9試合行って、しかも定期戦とかも何回かあったりとかして。結構大変だったんですけど、リーグ戦最終戦とかも、事あるごとに選手から「いつも来てくれてありがとう」とねぎらいの言葉をもらって、やってよかったなと思ってました。辛かったけど楽しかったかなという思い出です。印象に残った試合は秋のリーグ戦の6戦目の中大戦かな。それまで(リーグ戦を通じて)9試合ある中で、勝ちが1個もなくて。勝っていたけど結局ミスで追いつかれたり、逆転とかで負けて。特にその1個前の5試合目の順大戦で7点差あったリードを最後ひっくり返されて逆転負けっていうので、本当どん底みたいな。どん底になった中、次の中大はインカレ(全日本学生選手権)で優勝してるんですよ。インカレ2連覇中で黄金期なんですよ。その中でもラスト3秒で早稲田が1点取って勝ったっていう試合が、本当に感動しました。

 

――自分の担当している競技、担当していた競技の魅力を教えてください

橋本 応援部から言うと、早稲田愛がめちゃくちゃ高まります。熱い男たちの応援だったり校歌だったりを、目の前でずっと取材することができるので、すごくかっこいいなってなりますし、早稲田愛が芽生えると思います。自分は早稲田大学が第一志望というわけではなくて、入学した時は早稲田に何も愛着なかったんですけど、応援部の取材のおかげで自分は早稲田が好きになりました。新入生向けに言うと、早稲田が第一志望の人はもちろん早稲田愛がどんどん高まるだろうし、そうでなかった人でも、応援部の取材をやることで早稲田愛が高まると思います。男子ソフトボール部は選手と早スポの距離がすごい近い部活で、ホームラン打った後に早スポがいる方に向かってパフォーマンスをしてくれたり、普段から結構に気さくに話しかけてくれるし、対談もすごい気さくな感じで、普通の大学生と話している感覚でできます。体育会系の人って怖いなというイメージが最初はあると思うんですけど、全くそんなことなく、フレンドリーな感じです。その部を好きになるのもそうだし、早スポの活動をとても楽しめる部活なのかなって思います。

小島 漕艇部の魅力としては、僕は(競技を)やったことがないので、チーフに就くってなって初めて見たんですけど、まず競技(のスピードが)がめちゃめちゃ速い。9人で漕ぐ競技が一番花形なんですけど、その競技だと9人の力が合わさって水上を進んでいくので、見ていて迫力があるなと思います。あと、早稲田の漕艇部って寮を持っていて、そこにみんなが住んでるんですけど、部員同士もすごい仲がいいし、この間初めて取材に行ったときも気さくに対応してくださいました。初対面なのにこんなに優しく対応してくださってめっちゃうれしいなって思ってました。剣道部は競技自体みんなあんまり触れてないと思うので、そもそも競技を見ることが他の競技と全然違くて面白いんじゃないかなって思います。剣を振るのって憧れないですか(笑)。僕、中学の時それに憧れて入った節もあるので、そういうとこも面白いのかなって思います。

丸山 ハンドボールは、投げる、走る、飛ぶというスポーツのいろんな要素を詰め込んだ競技です。本当に展開が早くて、だいたい30点ぐらい入るので、観ていて飽きないし、逆転とかもあってすごい迫力があると思います。早稲田のハンドボールに関しては、その他の大学に比べると、スター選手みたいな人がいなくて。他の大学は個人技で、自分一人でどんどんシュートを決めるみたいな人がいるんですけど、早稲田は体格は良くないけど、チームとしてそういう人たちに勝っていくというのが魅力だと思います。卓球は浜田選手(浜田一輝、スポ3=愛知・愛工大名電)と徳田選手(徳田幹太、スポ2=山口・野田学園)という、すごい人たちがいるので取材が楽しみです。

 

――早スポの活動の中で意識していることや大切にしていることがあれば教えてください

丸山 僕は男子ハンドボールの前チーフ、澤崎円佳さん(令6スポ卒)という方から「部への感謝は絶対に忘れるな」とよく言われていました。部の方からしたら、早スポって別にいらないんですよ。取材がなくても別に試合はやるわけだし、だから別にいらない中で、試合終わった後、みんなクタクタの中、試合後インタビュー応じてくれたり、しかもありがとうとか感謝の言葉かけていただけるので、そこに関してリスペクトの気持ちは絶対に忘れないようにしています。

小島 取材も紙面を作ることもなんですけど、自分たちが好きでやっているけど、結局最後は人に見られるもので。見てくれる人を喜ばすとか、特に取材に対応してくれた選手を喜ばすとか、そういう自分ありきではなくて、他人を思って何かをやることがモチベーションにもつながるし、取材や紙面を作るにあたって大事なんじゃないかなって思います。

橋本 現場にいた時期の話になるんですけど、やっぱり所詮一記者なので、選手の邪魔にならないようにしようというのは結構意識しています。応援とかだと、直接応援席に入って動き回ったりして写真を撮るので、もっといい写真撮りたいからここ行きたいなとかはあるんですけど、もちろんそれは選手のパフォーマンスを邪魔しない限りだったり、観客の方が、自分がうろうろすることによって楽しめないようじゃ、エゴになってしまって、ただ迷惑をかけてるだけになるので。そういった周りをちゃんと気にしながら取材をするのは結構大事なのかなというのは1年間通して思ってました。

丸山 あと自分は結構厳しい記事を書くということを言われることもあるのですが、そこはやっぱり自分でも忖度はしたくないところです。中立の立場として、他の大学で何か良かったことがあればそれは絶対書きたいし、もちろん早稲田の良かったことも書くんですけど、ダメな試合だったらちゃんとここがダメだったってことは書きたくて。選手も見るので、もしそれがちょっとでも助けになればいいなって思って忖度はしないようにしてます。

 

――早スポの同期はどのような存在ですか

小島 早スポの同期は、仕事仲間でもあるし友達でもあるなと思います。ハシキヨとはレガッタ号の広告を取りに浅草に行ったんですけど、かなり仕事的に動きつつも、浅草観光じゃないですけど友達的なこともできたと思ってます(笑)。これからまだ1年間一緒にやる時間があるので、仕事以上に友達としても関わり続けられたらいいなと思います。

丸山 みんな大変なんですよ、本当に。みんな大変だから自分以外の人も頑張ってるんだなという意味ですごい高めあえるなって。

橋本 言われた(笑)。

丸山 本当にみんな頑張っていて、大変なのって自分だけじゃないんだなって。そういう意味で心の支えになります。あと一緒に旅行しに行く同期とか、ライブ一緒に行ったりする人もいるので、プライベートの友達を作ることもできると思います。

橋本 早スポの同期は「ずばり自分を高めてくれる」って言おうと思ったら(先に言われてしまった)(笑)。マルとちょっと違う視点から言うと、みんな頑張ってる中で、みんなのいいところがすごい見えてきて。例えば小島だったらレイアウトうまいなとか、記事がうまい人、写真がうまい人みたいな。みんないろんないいところがあって、自分にない、いいところを見ることができるので、そういう意味でも自分を高めてくれるというか、成長につながる人たちなのかなって思います。

 

――今年一番楽しみにしている試合や取材はありますか

小島 僕は直近にある漕艇部の早慶レガッタが一番楽しみです。ちょうど明日から(レガッタ号の)入稿が始まるんですけど、これから紙面作るのと、記事書くのに苦しめられる予定です(笑)。このぐらい自分が頑張って、紙面を作って、記事を書いて、取材も行ってということはレガッタが終わったら今後はないと思うので、レガッタの取材が一番楽しみです。

丸山 自分は野球がすごい好きで、早スポに入って男子ハンドボールとかもあって六大学野球に行けてないんですけど、今年は野球の寸評チーフとかも就いていて、野球に携わることができているので、早スポに在籍しているうちに1回は優勝しているところを見たいので、六大学が一番楽しみです。

橋本 男子ソフトボール部のインカレには期待しています。というのも、昨年は2回戦で日体大というめちゃくちゃ強い、それこそインカレ何連覇みたいな大学に負けてしまったんですけど、そのあとにチームが代替わりしてあった初めての関東インカレ(関東学生選手権)で日体大に3-2で競り勝ってて、このチーム力あるなって。ちょうど今年4年生になる代の方々が、ソフトボールでU18の選手もいて、その人たちが中心なので、チームも明るくまとまっているし、プレーも普段の明るさとは違って、圧倒的なプレーを見せてくれるので、今年度こそは日体大を破ってインカレを制覇して、10月号とかにデカデカと(記事を)書きたいなって。てか書くの俺じゃないか(笑)。あとはやはり駅伝号の発行、箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝)がやっぱり楽しみです。駅伝自体も楽しみなんですけど、たぶん駅伝号(箱根駅伝号)が、自分が業務チーフとしての最後の仕事になると思うんですけど、その時に最後までやり切ったなって思えるような1年にしたいです。駅伝を笑顔で見れるような1年にしたいという意味でも、やっぱり駅伝は楽しみに待ってます。

 

――ラストイヤーの抱負をお願いします

小島 (ハシキヨの抱負は)大黒字でしょ?

橋本 いやいやいや、せっかくだからここは違うこと言うわ(笑)。まあ俺からいくかな。座右の銘の一つに、臥薪嘗胆(がしんしょうたん)って言葉があって。今年1年はそういう1年にしたいなと思います。どういう意味かというと、辛いことを耐えしのんでいつか栄光を勝ち取るみたいな意味です。自分はその言葉をモットーに生きています。おそらく業務チーフって楽な道ではないと思うんです。自分で言うのもあれなんだけど。そういう大変な経験を通して、人として大きく成長できれば、いい形で引退できるのかなって思うので、この1年間、臥薪嘗胆ということで、辛いことでも耐えしのんで、人間として大きく成長していきたいです。

丸山 素晴らしい(笑)。

小島 これで終わりでいいんじゃないの(笑)。

小島 彼(橋本)が座右の銘を言ったので、僕も好きな言葉を。僕は他喜力(たきりょく)という言葉が好きです。さっきも少し話をしたんですけど、取材を受けてくれる選手や紙面を見てくれる人を喜ばせられる記事、紙面を作ることを特に今年は大事にしていきたいなと思います。

丸山 僕は最小限の努力で最大限の結果というのは自分の人生の中で大事にしていることです。今年は3つの役職があって、ただこなすだけでも本当に大変だと思うので、少しでも省エネで、効率よくやっていきたいと思います。 あとは、これまでいろんな仕事頼まれて、割となんでもやるよみたいな感じでやってきたんですけど、多分今年はそんな余裕ないと思うので。自分中心で、嫌われてもいいから、自分のことだけ考えてやっていこうと思う。

橋本 他喜力とは反対になる(笑)。でも結構大事だと思う。

 

――最後に新入生へメッセージをお願いします。

小島  早スポはちゃんと行ってる人もいるけど、少しだけでも来れるので。まずは少しずつ顔を出してみて、いいなって思えたら1年生の終わりからでもいいので活動し始めたらいいかなと思います。大学以外でもプロでもスポーツが好きだったら入会してみるのは、手じゃないかなと思います。お待ちしています。

丸山 早スポの魅力というのは、マイナーな競技のことも知れるっていうことだと思うので、とにかく空いてる日があったら、ちょっと行ってみるみたいな。その勇気、一歩踏み出すことが大事だと思います。

橋本 入った後の話になってしまうんですけど、迷ったらやってみるっていうのは、一番大事かなと思っています。正直僕もそうだったんですけど、入った後にいろんな取材あるよとか、 LINEグループとかで言われると思うんですね。興味があったとしても、知らない先輩と行くのって結構ハードル高いなって思うじゃないですか。それでも実際、その先輩たちも、その道を通ってきた同士だと思うので、迷ったらやってみる。別にそれで行って、お前誰だよとか、そういうのは全くないし、みんな優しく迎え入れてくれるので、とりあえず迷ったら行ってみる。 それで行ってみると、新しい世界みたいなのが見えてきて、自分の中の興味も広がってくるし、鮮やかな早スポ人生になるんじゃないかなって思います。とりあえず迷ったら行ってみましょう。お待ちしております。

 

――ありがとうございました!

 

 

(取材・編集 石渡太智、勝野優子、佐藤結)
 

◆小島大典(おじま・だいすけ)(※写真中央)

千葉高出身。政治経済学部3年。副編集長。千葉ロッテマリーンズのファン。好きな言葉は、他人を喜ばせる力という意味の「他喜力」。最近は、新歓号1面の阪神タイガース・岡田彰布監督の紙面が完成したことが本当に嬉しかったそうです!

 

◆橋本聖(はしもと・きよし)(※写真左)

東京・本郷高出身。政治経済学部3年。業務チーフ。日頃からお喋りが大好きなハシキヨさん。座右の銘は「臥薪嘗胆」。毎日がハッピーなので毎日が嬉しいというくらい明るい人柄で、今回の対談も盛り上げてくださいました!

 

◆丸山勝央(まるやま・かつひろ)

東京・安田学園出身。社会科学部3年。渉外チーフ。自身のバイト先も東京ドームというほど、野球が大好きな丸山さん。好きなチームは読売ジャイアンツと、明治大学!?紫紺の魂を持った早大生という自負があるそうです。