リーグ戦初勝利を目指しホームに慶大を迎えるも惨敗 守備の課題が浮き彫りに | 早スポオフィシャルブログ

早スポオフィシャルブログ

早稲田大学でスポーツ新聞を製作する「早稲田スポーツ新聞会」、通称早スポの公式ブログです。創刊から64年を迎え、600号も発行。ブログでは取材の裏話、新聞制作の秘話、現役大学生記者の苦悩を掲載‥これを読めば早スポ通になれる!

 

 リーグ戦ここまで勝ち星のないア式蹴球部(ア式)。関東大学サッカーリーグ戦の第3節は、ホームに宿敵、慶大を迎えての一戦となった。序盤から優位に試合を進めたいア式だったが、5分に先制点を許してしまう。32分にはカウンターから追加点を奪われ、2点ビハインドで試合を折り返す。後半に入ってからも相手の勢いを止められず、59分と79分に失点。アディショナルタイムにFW駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)が1点を返すが、そこで試合は終了。1-4と屈辱的な敗戦となった。

 

試合終了後の山市

 

 キックオフから両チーム共に勢い良くプレスをかけ、目まぐるしく攻守が入れ替わる。すると5分に相手GKのロングボールがそのままア式ゴールへと吸い込まれ、失点。GK北村公平(文構4=神奈川・桐光学園)が前に出ていたところを狙われるかたちとなった。その後はア式がボールをキープする時間が続くが、決定的なチャンスをつくりだすことができない。すると、32分にはカウンターから中央を突破され、追加点を許すことに。前半のうちに点を奪いたいア式は、45分にMF山市秀翔(スポ3=神奈川・桐光学園)が右サイドからミドルシュートを放つも、相手GKにセーブされる。そのまま0-2で試合はハーフタイムへ突入した。

 

相手キーパーにシュートを阻まれた駒沢

 

 早々に点を奪いたいア式は、後半開始直後から猛攻を仕掛ける。49分にコーナーキックのこぼれ球をMF伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)がつめるが、相手がゴールライン上でクリア。55分には相手ディフェンスラインの裏を取った山市が胸トラップからボレーシュートを打つ。決定的な場面だったものの、相手GKのスーパーセーブに遭い得点ならず。続く59分にも駒沢がゴール前でシュート。完璧に枠内を捉えたシュートだったが、またしても相手GKのセーブに遭う。すると直後のコーナーキックからロングカウンターを食らい、痛恨の3失点目を喫する。何とか1点を返したいア式は、選手交代をきっかけに敵陣でのプレーを増やしていく。しかし、79分に前のめりになっていたディフェンスラインの裏を取られ、4失点目。93分に味方の鋭いクロスに反応した駒沢が得点を決めるが、残された時間は無く試合は終了。

 

 

 リーグ戦では3年ぶりの早慶戦ということもあり、東伏見サッカーグラウンドに大勢の観客が集まった今節。試合前から異様な雰囲気に包まれるなか、ア式は最後の最後まで自分たちのペースをつかめなかった。結果的に2戦連続の4失点となり、守備面での課題が浮き彫りに。相手のカウンターがことごとく失点につながるなど攻撃時のリスク管理に課題があることは明白だ。攻守一体のサッカーを目指しているだけに、再度チームとして課題に向き合うことが求められる。理想通りにいかなかったリーグ戦最初の3試合。それでも、ア式が高いポテンシャルを持ち合わせていることは天皇杯予選の結果が証明している。今一度、気持ちを切り替えてこれからのリーグ戦に臨むことに期待したい。

(記事 荒川聡吾 写真 熊谷桃花、和田昇也)

 

 

 

 

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

*囲み取材より抜粋

ーー試合振り返っていかがですか

ありえないですね。ありえないミスというか、やっちゃいけない失点が3試合連続出てしまってるというのは、正直チームとして悪い流れを断ち切れなかったなというところは正直あります。 ただ個も単体だけで切り取ってみると、別に全員が全員ちゃんと100パーセントとかでやろうという気持ちはやっぱりある中で、サッカーって組織でやるスポーツっていう中では、じゃあどっちがどれだけチームのために体張れてたのか、 またチームがやろうとしてることに対してのエネルギーの出し方は向こうの方が表現できてたよなというところで、 泥臭さが早稲田の歴史だったり伝統だったりっていうところがある中で、そこがこう出せてないで、ボールは持ってるけど、結局最後決めきれずに終わって,

そのまま相手にカウンターでやられるっていう、そのシンプルに切り替えの遅さ。90分間通して隙なくやろうと言ってたところが、向こうの方が隙なくやろうとしてたし、それをちゃんとやってたからの結果かなと。うちはボールは持ってたけど、結局持たされてたところだったり、仕留めきれないところから焦れて集中力が切れたところはやっぱり弱いチームだなって改めて思います。

 

ーー怪我人が出たり、苦しい状況ではあると思うんですけど、開幕してからの1か月を通して課題は共通した部分になりますか

そうですね。基本的に3失点以上してる試合っていうのがほとんどなので、守備の面は当然考えていかないといけないというか、そういうところではこの4月は基本的に守備に振ってきたんですけど、やっぱりロングボール一発の処理だったり、そこって個人戦術が染み付いてないのかなと思います。インターセプトするけど、できなかったら前向かせないっていうのがセットになってという原理原則がある中で100 or 0のプレーをしすぎというか、インターセプトできたら100点、できなかったら0点みたいな守備が多いので、 インターセプトができなくても違う方向に切り替えて、次やらせない方法を全員で理解しておかないといけないし、やられた後に、じゃあ次の人が何しないといけないのっていうところの 頭の切り替えと体の反応っていうのがちょっとチームに定着してないのかなというのはあるので。去年から攻撃のことをかなりやり込んでるので、攻撃的になるのは分からなくはないんですけど、だけどそれってサッカーの一部で、守備は当然やるっていうことを元にスタートしてるという点では、もう1回チームとして当然攻撃的にいく。そこはもう譲るつもりはないというか、曲げるつもりはないので。 ただ、やっぱり守備で3失点、4失点するんだったら5点取らないといけない。だったら目を向ける場所も考えないと当然いけないと思うので、そこのところでもう1回チームとしての決まり事にして やっていくしかないかなっていう風には思いますね。

 

伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)

ーー試合振り返っていかがですか
決めきるところと守り切るところの、やっぱサッカーとしての本質の部分が相手に上回られたのかなっていうのと、うまくいかない時に自分たちがうまくそれを持ち堪えたりする、上回れるほどのパワーを出せなかったのが今日のゲームに出てたのかなって思ってます。

ーープレシーズンある程度状態良く進んできた中で4月公式戦勝てずというところですが何か変わってしまったと感じる部分はありますか
天皇杯の時とリーグ戦っていうのは別物の空気はあります。 ちゃんと相手が対策してきたり、自分たちが思うようにいかなくなってて、そこでまだまだうまくコミュニケーション取れてないのかなって感じます。

ーー今日の相手との差は実際感じましたか
1ー4。そこを見る限り、やっぱり差はあるのかなと思ってます。

ーーシーズンはこれからも続いていきます、来週以降に向けての意気込みをお願いします
特に俺がこういううまくいかない時に何ができるのかって大事だと思います。まずは4年がチームに向き合って、自分たちに焦点を向けてやっていくのが1番大事なのかなと思ってます。