【連載】新体制特集『To The TOP』 【第5回】 OL小林亮生主将 | 早スポオフィシャルブログ

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 最終回には今年の早大BIG BEARSの主将を務めるOL小林亮生主将(先理4=埼玉・早大本庄)が登場。関東大学秋季リーグ戦(リーグ戦)で4位となった昨シーズンの振り返りや、主将として臨むラストイヤーへの思いを伺った。

 

※この取材は4月20日に行われたものです。

 

ーー高校まで野球をやられていましたが、大学からアメフトを始めた理由は何ですか

 野球部を引退した後、何気なくYouTubeを見ていたらBIG BEARSの動画が出てきて、「何だこれは」と思って。すごくかっこいいなと思ったのが最初のきっかけで、そこから興味を持って調べていて、当時の野球部の先輩がBIG BEARSに所属していたのでその方から話を聞いて、「これは入りたい」と思いました。高校3年生の10月ごろには入ることを決めていて、そこからトレーニングや準備を始めていました。

 

ーーBIG BEARSに入部してみて最初の印象はいかがでしたか

 まず見学に来たときに覚えているのが、すごく熱いなという第一印象でした。2~4年生が本当に一つになって日本一に向かっている姿がかっこいいなと思いました。

 

ーーポジションは初めからOLでしたか

 最初からポジションはOLでした。入るときからOLかDLのラインのポジションをやりたいと思っていました。

 

ーーOLの魅力はどのようなところですか

縁の下の力持ちと言われることが多いですが、今年のOLはそうではなくて、本当にOLで(チームを)勝たせるというか、OLの強さがチームの勝利に直結するというところかなと思います。あまり注目されることはないかもしれないですが、自分たちは脇役という思いはなくて、自分たちでやってやるぞという思いがあります。

 

ーー昨シーズンについて伺います。リーグ戦は4位に終わりましたが、振り返っていかがですか

 一昨年に亀井さん(亀井理陽氏、令5法卒=東京・早実)の代が(リーグ戦で)1位になって、どこかで自分たちは強いんじゃないかという思いが全員の心の中にあったのではないかと思います。リーグ戦で立教と明治に負けましたが、春季オープン戦でも負けていて、春に勝たないとそれが秋に直結するということが分かりました。今年は、春で色々な選手を試しているから勝てないのは仕方がないということではなく、どのメンバーが出ても勝てるチームという組織づくりをしたいです。

 

ーーご自身のリーグ戦でのプレーを振り返って

 自分は東大戦、慶大戦、立大戦の3試合にしか出場していないのですが、スナップの部分にまだ不安がありました。そこに不安があるとどうしても自分のプレーが思いっきりできなくて、そこを詰めきれなかったという甘さがあったと思います。

 

ーーリーグ戦を通して、オフシーズンに強化したことはありますか

 まずはケガをしないというところでフィジカル、ウエイトをチーム全体としてやりました。やはりケガしないというのは簡単な上達への道なので、そこはチームとして取り組みました。あとはOLの基本的な能力、ファンダメンタルの部分に力を入れて、どうしてもシーズンが本格的に始まると時間的にも体力的にも余裕がなくなってくるので、OLの形というか、時間がある時にしかできないことに時間を割きました。

 

「主将として自分の甘さを見せない」

 

質問に答える小林主将

 

ーー主将に就任した経緯を教えてください

 立候補した理由としては、チームが活動していく中で一番重要なのがパッションだったり熱量だと思っていて、それをチームにもたらすことができるのは自分だと思って立候補しました。もう1つ立候補した時に話したことは、勝つためには戦術の強化、個人の成長など色々あるのですが、その中で一番大事なのは土台の部分ということです。例えばチームで決めた規律やルールなど、アメフト外のところを徹底できていないチームは勝てないと思っていて、チームの綻びや甘さは規律の乱れからなので、そこに自分は一番目を向けていることは立候補の時にも話しました。

 

ーー目黒前主将(目黒歩偉氏、令6スポ卒=東京・佼成学園)から言葉を掛けてもらったりはしましたか

 「頑張れ、おめでとう」という言葉をいただきました。

 

ーー主将としてチームを引っ張っていく上で意識していることは何ですか

 端的に言うと1回決めたことをやろうというところです。あとは4年生や幹部が持っている認識にズレがないようにしっかり話し合って合わせるということですね。

 

ーー理想のキャプテン像はありますか

 まず1つは常に周りを見るというところです。先ほど申し上げた1回決めたことをやるというのも常に周りを見ていないとできないと思います。もう1つは、周りに厳しく、自分に厳しくということです。自分に対しても厳しく、主将として自分の甘さを見せないことを意識しています。

 

ーー今年は副将が4人いますが、みなさんそれぞれどのような副将ですか

 八木(義仁副将、政経4=東京・早大学院)は冷静で常に物事を客観的に捉えられる人間で、副将の中でも特にアサインメントの強化という部分をずっと八木はやっています。鈴木(晴貴副将、基理4=神奈川・鎌倉学園)はすごくパッションのある人間で、グラウンドの中でも常に声が響いています。練習の強度が高くなると目が血走ってしまうくらいプレーで引っ張ってくれる、情熱を周りに伝えられる人です。堤(祥悟副将、教4=東京・早実)も自分に厳しく、他のプレーヤーにも甘いところがあればそれも厳しく注意できるし、それゆえの怖さ、存在感のある仲間だなと思います。功能(誠也副将、教3=東京・西)は唯一の3年生の副将で、3年生で副将に立候補した彼は、このチームにかける思いが人一倍強いのではないかなと思っています。チームは4年生だけが頑張っても勝てないので、その中で彼は1〜4年生まで「ユナイト(団結)しよう」とずっと言ってくれていて、4学年のまとまりというところに一番目を向けてくれているのかなと思います。熱い人間です。

 

ーー今季のチーム目標を教えてください

 日本一です。

 

ーースローガンを『聳ゆる』にした理由を教えてください

 これは校歌の都の西北から引用していて、そこに早稲田のアイデンティティというか独自性があると思って選びました。意味としては、他より高く極めて聳え立つということで、日本一という結果に限らずそれまでの過程や練習の全てにおいて聳え立つという意味で選びました。

 

ーー新チームになってからの雰囲気はいかがですか

 すごく元気のあるチームで練習中は活気があるなと感じています。ただ、自分も含めてですが、4年生の中で自分にも他人にも甘い部分があって、自分たちは結構仲が良い代だと思っていますが、その悪いところが出てしまっています。一度もなったことのない日本一というとてつもなく難しい目標の中で、やはり甘さがあると勝てないので、それがこれからのテーマだと思います。

 

ーーチームの強みは見えてきましたか

 活気があるなと思っていて、良いプレーがあった時は練習やアップでも盛り上がることができていますし、雰囲気としてすごく良いチームだなと。他にも4年生がそれぞれの役割を発揮しようと考えられているところは良いところだと思います。あとは、これは功能がやり出したことなのですが、2〜4年生までを縦割りにして少人数のカルテットというグループを作り、定期的に集まって課題や意見を出し合うので、3学年全員がチーム作りに対して主体的に取り組んでいるのは強みかなと思います。

 

ーー一方で課題はありますか

 活気が結果に依存していて、良いプレーが出たら盛り上がるという感じですが、試合は最初から良いプレーが出るとは限りませんし、今のままの状態だとまた試合の入りが良くなくて、試合後半になるにつれて調子が上がるような形になってしまうと思います。例年早稲田はスロースターターと言われているので、今年もそれは課題です。また、自分に対して100パーセント求め切れていない部員が多いというのは課題だと思います。

 

ーー今後はどのようなチームにしていきたいですか

 1回決められたことはやろう、ということですね。規律やルールだけでは勝てない部分ももちろんあるので、個人の成長や上手さに貪欲に、日本一まで勝つチームになることが目標です。

 

「本当に勝つ、ただそれだけ」

 

ボールをセットする小林主将(※写真中央)

 

ーー今月末には5年ぶりに早慶戦が開催されますが、現在の心境はいかがですか

 非常にワクワクしています。自分としても最初で最後の早慶戦で、まだ生で見たこともないですが、早稲田という名前を背負って誇り持って戦うというところにワクワクと少し緊張もあります。

 

ーー早慶戦の意気込みをお願いします

 本当に多くの方々に来ていただける試合だと思うので、絶対に慶応に勝ちたいです。

 

ーーその後は春季オープン戦が続きますが、意識している大学はありますか

 関西大学戦が早慶戦の2週間後にありますが、春、関西に勝つというのがチームの春の1つのテーマで、関西大学との試合を経て自分たちの立ち位置が分かるので、絶対に勝ちたいと思います。他にも秋に絶対当たるチームとの試合があって、春の結果が秋に直結すると思うので、絶対に勝ちたいです。

 

ーー期待しているチームメイトはいますか

 同じポジションの3年生の丸山(皓士朗、法3=東京・早実)と、2年生の坂田(啓、法2=東京・早大学院)です。OLのタックルというOLの中でも端のポジションなのですが、最近は彼ら2人の成長に勢いがあります。昨年のOLの主力だった4年生がたくさん抜けて、下級生の成長がOLユニットの1つの大きなテーマですが、その中でも彼らはすごく成長していると思うので頑張ってほしいなと思います。

 

ーー今季の個人的な目標を教えてください。

 関西に勝つOL、センターになるということです。

 

ーーラストイヤーの意気込みをお願いします

 結果が一番だと思うので、本当に勝つ、ただそれだけです。

 

ーーありがとうございました!

(取材、編集 沼澤泰平)

 

◆小林亮生(こばやし・りょう)

埼玉・早大本庄高出身。179センチ。103キロ。先進理工学部4年。OL。持ち味はグラウンド内でのリーダーシップいう小林主将。オフェンスの中心となりチームを勝利に導きます!