野球のピッチャーが 「一度はやってみたい」 と願うのは、1人の打者も出塁させず3人×9回=27人で片づける完全試合でしょう。
しかし四球はもちろんエラーがあってもオジャンですから、リトルリーグでもそうそう達成できません。
ましてプロ野球の世界では尚更。
90年近い日本プロ野球の歴史の中で、完全試合を達成したのは僅かに16名。
その15人目・・・平成時代で唯一この快挙が成し遂げられたのが、今からちょうど30年前の今日・1994(平成6)年5月18日に行われた巨人-広島戦でのこと。 ヒーローは巨人の
槙原 寛己 投手
愛知県・大府高校時代から剛速球投手として注目を浴び甲子園にも出場した同投手は、1981年のドラフト1位で巨人入り。
2年後の1983年に初登板・初完封すると早くも先発ローテーション入りし、その年12勝9敗1Sで新人王を獲得。
2001年に引退するまで江川投手を上回る通算159勝を挙げた、巨人のエースでした。
その彼がベテランの域に入りつつある30歳で達成した快記録。
巨人軍にとってちょうど7,000試合という節目だったこのゲームは、ホームランが出にくい福岡ドームでの試合だったことと、当時広島の主砲だった江藤智・前田智徳両選手が欠場していたのが功を奏したとはいえ、それでも102球でのパーフェクト達成はお見事!
27人目の打者が1塁ファールフライを打ち上げ、それを落合選手が捕球した瞬間飛び上がって喜ぶ槙原選手の姿は、今でも記憶に残っています。
しかし写真を見ると、笑顔で槙原投手に近づくのは長嶋一茂選手。
パーフェクトがかかった大試合に、よくまぁポカの多い彼を守備につかせたもんだ、と今更ながら驚きます。
もっとも、ご本人は全然緊張していなかったようですが。😅
このパーフェクトゲーム達成に関して、後日ご本人の口から面白いエピソードが語られています。
実はこの試合の2日前・・・福岡・中州に行きたい店があって、一旦門限の午前0時に帰ってから再びホテルを抜け出そうとしたところを見つかり、罰金5万円と外出禁止1ヶ月を課されたとのこと。
しかし彼は「罰金はともかく、子供じゃないんだから外出禁止は止めてほしい」とマネージャーに直訴。
そうしたら「試合で結果を出せ」と言われて奮起した結果が完全試合だった・・・というわけ。
何とも締まらない(?)話ですが、遊びを禁止されることが最も有効なペナルティーであることを証明している、ともいえましょうか。
槙原投手は監督賞のゲットと共に、めでたく外出禁止令も解除になったとか。
その完全試合の爆笑(失笑?)裏話を、槙原さんがデーブ大久保チャンネルで語ってくれていますので、ご覧ください。(↓)
余談ですが、それからピッタリ10年後の2004年5月18日には、アメリカで〝ビック・ユニット〟ランディー・ジョンソン投手がメジャー17人目となる完全試合を達成。
しかも1904年にサイ・ヤング投手の持つ37歳1ヶ月の最年長記録を100年ぶりに上回る、40歳8ヶ月での達成いうオマケつき。
もしかしたら、5月18日は完全試合の〝特異日〟なのかも。
果たして槙原投手の快挙達成からジャスト20年後の今日、完全試合が生まれるでしょうか?
その確率が最も高いのは、やはり2年前に16人目の達成者となったロッテの佐々木朗希投手・・・かナ。