愉快犯? | ナベちゃんの徒然草

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還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

“爆弾魔〟というと、1978~95年にかけアメリカで科学技術関係者をターゲットにした連続爆弾事件を起こして3人を死亡させ23人に重軽傷を負わせた〝ユナボマー〟が有名ですが、それよりも前に日本にも存在していました。 その

 草加次郎事件

が起きたのが、今からちょうど60年前の今日・1962(昭和37)年
11月4日でした。

この日、歌手・島倉千代子さんの後援会事務所に届いた小包を男性職員が開けたところ、細長い筒が出てきました。

その筒には紙が入っており、それを男性職員が引っ張ったところ、仕込んであったマッチが擦れて火薬に引火し爆発、全治2週間の火傷を負ったのです。

その筒の裏側に書かれていたのが〝草加次郎〟という名前でした。 

これ以降、草加次郎を名乗った犯行は、

11月13日 港区麻布に住むバーホステスに爆発物を郵送。
       (※未遂)
11月20日 有楽町のニュー東宝シネマロビーに爆発物を設置

                    し爆破。 観客1人が火傷。

11月26日 有楽町日比谷劇場の洗面所に爆発物を設置。
       爆発したものの負傷者はなし。指紋を検出。

11月29日 世田谷区の電話ボックスに爆発物を設置。

       利用した1人が負傷。

12月12日 浅草寺境内の切り株上に爆発物を設置。

       警備員1人が負傷。

 

そして翌1963年に入っても

 

5月9日 ~7月22日 吉永小百合さん宅に8通の脅迫状を郵送。

     

 

7月15日 上野公園歩道にて自作ピストルで屋台の店主を
      狙撃し、重傷を負わせる。

     (後に警視庁へ弾丸と拳銃を郵送)。

7月24日 渋谷・東横デパートに脅迫電話を掛けた後、同

      デパートの洗面所を爆破。 負傷者はなし。

8月11日 同デパートの屋上に時限爆弾を設置。 

      爆発したものの負傷者なし。

8月14日 同デパート店長宛に爆発物を郵送。事務員1人

      が火傷。

9月 5日 地下鉄銀座線の車内に爆発物を設置。 

      爆発して10人が重軽傷。

 

     

 

9月 6日 吉永小百合さん宅に脅迫状を郵送し100万円を

      要求。

 

この他鰐淵晴子さん・桑野みゆきさんの自宅住所宛てにも弾丸を同封して100万円を要求する脅迫状が届いていたことが判明しており、有名人を狙うだけでなく一般人を無差別に襲う爆弾・銃撃・脅迫が続き、人々を不安に突き落としました。

犯人は複数回に渡って現金の受け渡しを指示してきており、急行列車から指定場所に現金を投下するという黒澤明監督作品の 『天国と地獄』 (↓)とそっくりな要求もしてきましたが、結局受け渡し場所に姿を現さず。

 

 

警視庁は威信を賭け延べ19,000人もの捜査員を投入して捜査にあたり、火薬・爆弾マニアなど約9,600人をリストアップ。

しかし筆跡や指紋を残していたにも関わらず、犯人の特定すら出来ぬまま1978年に公訴時効が成立してしまい、事件は〝お宮入り〟となりました。

※冒頭のユナボマーは逮捕・収監されています。

犯行の目的は、一体何だったのか? 
単に世間を騒がせたいだけの愉快犯だったのか?

犯人が生きていれば、少なくとも80歳を超えているはず・・・今からでも名乗り出てその真意を聞いてみたい気がします。



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