4年に一度、通常28日である2月が29日と1日増える〝閏年〟
(閏日)はお馴染みですが、
閏 秒
に関してはピンとこない方が多いかもしれません。
この閏秒が初めて導入されたのが、今からちょうど50年前の今日のことでした。
昔は地球の自転を基準にして1日の長さが決められ、その1/24を1時間、その1/60を1秒としていました。
これに基づいて1920年代に制定されたのが〝世界時〟ですが、科学が進歩し、1967年から1秒の定義は、
〝セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位間の遷移により放射される電磁波の周期の9,192,631,770倍に等しい時間〟
とされ、所謂セシウム時計が〝原子時〟の基準に。
ところがこれにより、従来世界時として利用してきた地球の自転が、月の引力など様々な力学が働くことにより、一定でないことが判明。
実際には地球の自転はごく僅かずつ遅れているそうですが、原子時をそのまま採用し続けると、やがては昼夜や季節が時刻や日付けとズレてきてしまうため、その修正・調整が必要になりました。
1972年に定められたその〝協定世界時〟に基づいて同年6月30日午前0時に初めて行われたのが閏秒の導入だったのです。
※時差の関係で日本で行われたのは、翌7月1日・・・午前8時59分59秒と午前9時00秒の間に、午前8時59分60秒が挿入されました。
ちなみに、現在我が国で使用しているのは、2006年から導入している〝新日本標準時(Japan Standard Time = JST )システム〟。
セシウム原子時計群と水素メーザー原子時計群から出力される各原子時計間の極めて僅かな時刻差精密測定や制御をしているそうです。
この〝閏秒〟は初導入以来、累計27回行われているとか。
地球の自転が不規則なため閏年と違って実施は不定期なのだそうですが、近年この閏秒廃止を提唱する国が・・・。
不定期な修正によるコンピューターの誤作動を恐れるアメリカ・フランス、そして実は日本も同調しています。
対してグリニッヂ天文台を有するイギリスやロシア・支那などが存続を主張。
2015年に行われた国際電気通信連合(ITU)の世界無線通信会議で両陣営が協議したものの結論は出ず、更に研究を重ねて来年の会議で再検討する予定だそうですが、果たしてどうなる事やら・・・。
将来的には2038年問題(↓)などが指摘されてはいますが、本当にたった1秒の修正が世界的な混乱を引き起こすのか?
もし閏秒を廃止すると今後100年で90秒のズレが生じるそうですが、その時1回でまとめて修正することができないのか?
いずれにせよ、コンピューターのおかげで便利になった現代社会は、意外なところで脆弱化しているのかもしれません。😨