明日・7月28日は、バロック時代の作曲家・ヴィヴァルディの命日にあたります。
彼に関しては過去記事をお読みいただくとして・・・(↓)
今日は、彼の代表作である
四 季
について、皆さんにひとつ情報をお知らせしたいと思います。
過去記事に書いた通り、存命中はかなり有名で作品も盛んに演奏されたようですが、没後は徐々に人々の記憶から消えてしまい、演奏会でも取り上げられなくなりました。
ところが1926年にイタリアのトリノ大学図書館で膨大な量の自筆譜が発見され、ヴィヴァルディの音楽活動の概略が判明。
初めて音楽史における彼の存在にスポットライトが当たったのです。
そして 『四季』 を始めて録音したのは、ルイス・カウフマン(Louis Kaufman 1905-1994)というヴァイオリニストでした。
彼は1929年にニューヨーク・タウンホールでヴァイオリンのソリストとしてデビューした演奏家でしたが、1934年にロサンゼルスに移り、ハリウッド大作映画のスタジオ・オーケストラで活躍した人物。
あの不朽の名作 『風と共に去りぬ』 でヴァイオリンの独奏も務めた、業界の第一人者でした。
その彼が、『四季』 の楽譜に触れ、録音を決意したのです。
これが思いの外好評を博し、やがてイ・ムジチ合奏団が録音して日本で大ヒットしたことは、過去記事の通り。
※イ・ムジチ合奏団の演奏を、こちらでお聴きいただけます。
お好きな季節を頭出しできますょ。
ヨーロッパではなくハリウッドが発祥となったのは意外ですが、今日はその定番の四季ではなく、リコンポーズ・・・つまり編曲ではなく〝再作曲〟された、21世紀の新しい『四季』。
手掛けたのは、1966年にドイツ・ハーメルンで生まれた作曲家
マックス・リヒター
Max Richter
20世紀の代表的なバロック音楽演奏家カール・リヒターと血縁関係はないそうですが、イングランド・ベッドフォードで育ちエディンバラ大学と英国王立音楽院でピアノと作曲を学んだ彼は、在学中からビアノユニットを結成してアルバム・デビューを果たし絶賛を博した、才能豊かな音楽家。
携帯電話の着信音を変奏曲形式で作曲するなど、ポスト・クラシカル作曲家として注目を集めています。
その彼が 『四季』 全曲をリコンポーズした 『25%のヴィヴァルディ』 を2012年にリリースしすると、イギリス・アメリカ・ドイツの iTunes クラシック・チャートで第1位を獲得。
CD+DVD ドイツグラモフォン輸入盤
メロディーは似ていますが、アクセントやテンポが少なからず違うこの曲、お時間のある方は聴いてみてください。
どうでしょう、新旧どちらがお好みでしょうか?
個人的には、意外とリコンポーズ版が気に入ってるんですが。
もしリヒターに興味が湧きましたら、他にも彼のアルバムが発売されていますので是非お聴きいただきたく・・・。