タイトルで今日の話題が何かは、もうお分かりですょネ。
今から2510年前の今日・紀元前490年9月12日、来襲したペルシャの大軍をアテナイの名将・ミルティアデスが奇策を用いて撃退した
マラトンの戦い
がありました。
兵士のフェイディピデスが伝令としてマラトンからアテナイまでひたすら走り抜き、その勝利を伝えた直後に絶命。
この故事にちなみ第1回アテネ大会から競技として採用され、以降 〝オリンピックの華〟 ともいわれているマラソン。
今日はこれを記念して 『マラソンの日』 とされているそうな。
この種目、日本にとっては昔から得意種目のひとつ。
男子では円谷選手や君原選手、瀬古選手、中山選手など名選手が何人も登場し、オリンピックでも金メダルはないものの、銀・銅メダルをはじめ何人も入賞を果たしています。
しかしそれ以上に活躍しているのは女子選手。
1984年のロス五輪から正式種目となった女子マラソンには、毎回のように優勝候補選手が出現し、シドニー五輪では高橋尚子選手が史上初の金メダルを獲得。 4年後のアテネ大会では野口みずき選手が優勝、日本人選手のV2という快挙を達成しました。
しかしその後、世界のマラソンはどんどん高速化。
現在ではかなりタイムに差が出ています。
◇男子世界最高
エリウド・キプチュゲ(ケニア) 2時間01分39秒 2018年9月
◇男子日本最高
大迫 傑 2時間05分29秒 2020年3月
◇女子世界最高
ブリジット・コスゲイ(ケニア) 2時間15分25秒 2019年10月
◇女子日本最高
野口みずき 2時間19分12秒 2005年9月
ご覧の通り、日本選手は男子は最近更新されたものの、女子は15年前の記録が破られていません。
東京五輪に向けて、男女とも選手の奮起を期待したいところですが・・・それではここでマラソンに関するクイズを2問。
◆フル・マラソンのコース距離は、どういう方法で測定しているか?
以前はスチール製の巻尺で尺取り虫よろしく測っていたそうですが、自動車が増えて危険になってきたため、1990年代に入って(※日本では1994年から)カウンター付きの自転車3台で測定するようになったんですって。
この自転車測定は誰もが出来るわけではなく、世界中で測定できるA級、アジアで測定できるB級、日本国内のみのC級と、しっかりしたライセンス制度で認定された資格者のみが行うのだそうな。 ヘェ~
◆マラソンの世界最長記録・・・すなわち最もゴールまで長くかかった記録が存在するのですが、そのタイムは?
実はこの記録保持者は日本人なんですが・・・正解は、ナント
54年8ヶ月6日5時間32分20秒3
この不滅の大記録(?)保持者は、後に熊本県の初代教育委員長も務めた、金栗四三選手。
1912年のストックホルム五輪に出場した金栗選手は、前年に足袋で走って世界記録を大幅に更新した注目選手でした。
パリ大会で力走する金栗選手
しかし40℃を超える厳しい条件で参加者の半数が棄権するという過酷なレースで、彼もまた途中日射病で倒れ失神・・・介抱してくれた農家で目を覚ましたのは翌日だったとか。
この辞典で彼の扱いは記録上 〝行方不明〟 (!) となっており、ゴールしないままになっていたのですが・・・ストックホルムオリンピック開催55周年記念式典に際し、オランダは1967年に金栗氏を招待してゴールテープを切ってもらうセレモニーを用意。
金栗氏は半世紀以上経って後、晴れてオリンピックのゴールを切ったというわけです。
何とも粋な取り計らいではございませんか!
この金栗選手、実は現在高い人気を誇る箱根駅伝の考案者でもあり、彼の功績を記念して同駅伝の最優秀選手には 『金栗四三杯』 が授与されています。
※箱根駅伝に関する過去記事は、こちら。(↓)
来年正月の箱根駅伝を観戦される際には、(不滅の)世界最長記録保持者であり1983年に92歳で大往生を遂げた金栗氏の名前を思い出してください。