気 弱 | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

年度初めの4~5月にかけて、毎年のように新社会人が (研修を兼ねて?) 弊社に飛び込み訪問してきます。


2年前には入ってくるなりズカズカと私の目の前にやってきて、自分の名刺を差し出すなり


「名刺をください!」


と言った猛者(?)がおりました。 

・・・もちろん即お帰りいただきましたけど。怒


また上司と2人組でやってきて、新人が一生懸命売り言葉を口にすることも。

そういう時は自分の若い頃を思い出して、時間の許す限り話を聞いてあげることにしている私は、


(さて、今年はどんな新人がくるのやら・・・。)


と、ある意味楽しみにしていたところ、昨日こんなことがありました。


午後2時頃、デスクワークしながらふと外の歩道を見ると、背広姿の若者がトボトボと・・・そして弊社事務所入口近くで、ピタッと足を止めたんです。


事務所は歩道側がガラス張りになっていて、彼の動きが観葉植物の隙間から丸見え。


         ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草


どう見ても新社会人と思しき背広に着られているような彼は、歩道の端に持っていた黒鞄を置くと、中からペットボトルのお茶を出して何度か口に・・・明らかに緊張している様子。


ははぁ、ウチに飛込み訪問するつもりだナ・・・。)


そう思って待ち構えていたんですが、なぜか彼はそのまま5分近く動きません。


あれっ、私の勘違い? と思っていると、今度は入口に近づいてきて、中腰で事務所の中を覗いてるんです。


(おいおい、そっちから見えなくても、こっちから丸見えだょ、キミ。)


そして次に、ソォ~ッとドアを開けた彼は、入口から1歩だけ入ったところで


「あの~、すみません。」


と蚊の泣くような声。 しかも観葉植物の間からこちらを覗き込むように。


「はい、何でしょう?」


私がわざと大きな声で尋ねると、彼は一層体を丸めて植木の陰に身を隠すようにしながら、


「はい、私・・・○○○を扱っている会社の・・・なんですけど。」


と語尾に向かって更に声が小さくなり、社名すら聞き取れない有様。


「ああ、もうウチは間に合ってますワ。」


少しイラついた私が更にデカい声で答えると、新人クンは


「あっ、はい、分かりました。 シ、シツレイシマ~ス。」


と殆ど聞き取れないくらい小さな声で答えながら、ソソクサと逃げるように出ていきました。


結局彼は、玄関先の足ふきマットよりも先に進まず仕舞い。


まぁ、入るまでお茶を何度も口にした挙句あんなに弱気じゃあ、さすがの私も話を聞いてあげようという気は起きず・・・何だか 「名刺ください」 の図々しい若者が、懐かしくさえ感じる始末。


観葉植物の陰から小声でセールスする新人クン・・・営業は向いてないかもョ。ダメだぁ顔



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