新年度を向かえて早や半月・・・新入社員の研修が続いている企業も多いことでしょう。
期待に胸を膨らまして入社したのに、研修の段階でもう転職なんか考えている新人さん・・・一体何人いるんでしょうかネ?
さて先日のうららかな昼下がり、弊社に一人の若者が飛び込み訪問してきました。
「こんにちは~。 ○○社の者ですが、よろしいでしょうかァ!」
元気の良い声で入ってきたその若者が口にした社名は、殆どの方が知っているであろうメジャーな企業名。 そして風体は背広がまだ板についていない、ウッドペッカーみたいなヘアスタイルでキメた(?)明らかなる新入社員。
アハハハ~ハァ!
私も時間が空いていたものですから、葬儀とは全く縁のない会社でしたけど、「何ですか?」 と話を聞くことに。
すると、ツカツカツカ・・・と私のデスクのところまで歩み寄ってきたその新人君はただ一言。
「すみません。 私の名刺受け取ってください。」
おぉっ、何というシンプルなお申し出ですこと!
「あぁっ、いいですョ。」
20度くらい頭を下げた彼が差し出す名刺を受け取り、「それで、何か資料かお話でも?」 と水を向けると・・・
「いえっ、すみませんが貴方様の名刺をいただけますか?」
という、これまた全く無駄(?)のない返事。
「ふぅ~ん・・・・キミ、一体何しに来たの?」 と聞くと、
「はいっ、 『お客様の名刺を貰って来い!』 って言われたんです。」
・・・あ・ぜ・ん。
ふと彼が差し出した名刺を見ると、社名やロゴ、電話番号は印刷されているものの、なんと肝心の名前が手書きなんですョ。
お客様に手書きの礼状を出すのは、よくある営業テクニックですが・・・〝手書きの名刺〟ってのは、初めて見た私。
「へェ~、キミのところは手書きの名刺を訪問先に渡すんだ?」 と少々皮肉っぽく聞いたら、
「はいっ、私はまだ入社したばかりなんで、自分の名刺貰えないんスよ!」
全く悪びれない、明るいお返事。
まぁ、そう言われちゃあ身も蓋もないですけどねェ~。
その彼、明るくそう言い残すと、お辞儀もソコソコにサッサと事務所を飛び出していきました。
・・・その大企業が新人にさせた 「名刺回収競争」 って、一体何が狙いだったんでしょう?
新人に度胸をつけさせるため、ゲーム感覚でやらせたのかもしれませんが、訪問先の会社だって名刺にはそれなりの想いが込められているんですから、ただ 「名刺ください」 って言われても・・・もう少しやり方考えてもらわないと。
○○社の研修担当者さんへ。
もし他に目的があるならば、しっかり研修の意図を理解させた上で、一緒に付き添って彼らが何をどうやっているのかを確認した方が良いと思いますョ。
それにこのやり方は、貴社のイメージダウンになるのでは?
いや、ひょっとしてその研修・・・本当の目的は、体よく新人を辞めされるためのイビリ作戦?