観玉堂
「夢を見ていた訳ではないのです。
もう我慢が出来ないほどの足の痛みで、誰かに寄りかかり、
肩を貸して欲しかったんです。
その人を探せると思ったんです。
居たんです。確かにずっと昔居たんです。
とても若く、たくましい素敵な人だったんです。
遠くを見ると、30年連れ添った白髪頭になった主人が目に映ったとき、
共に時を過ごしたはずなのに、大切にしていた心がいつしかはなればなれになってたことに気がつきました。
これまでのともに歩いてきた時間を、忙しかった、無口だった時間を、もう一度やりなおすこと
は、出来なくても、これからの人生ゆっくりと、優しい風が吹く二人の時間にしていきたい。
いつしか、時計の針が止る時、最後に肩を貸して欲しいんです。」
そんな、話を、今日は、お聞きしました。
彼女は、
「ずっと私が彼を、褒め、怒り、励まし、私のおかげで彼があるんだ
って思っていました。気がついたんです。写し鏡だったこと。
これからは、感謝して笑顔で生きるんだ。ありがとうございました。」って
あんなに、さわやかに、軽やかに笑う彼女を見たのは、
10年の付き合いになりますが初めてだったんです。うれしかった。
心の特効薬効きましたね
観玉堂にようこそ、あなたの心の処方させていただきます