4/25 International Jazz day公開収録 ”納浩一&道下和彦デュオ”
本記事は、クリニックの資料として掲載しています。
内容は以下のとおりです
アドリブ・フレーズに関する3つのキーワード
*コード・トーン
*アプローチ・ノート
*スケール
コード進行に関する3つのキーワード
*ダイアトニック
*セカンダリー・ドミナント
*モーダル・インターチェンジ
先ずは無窮動トレーニングとは何か?という話を少々・・・
無窮動とは?
moto perpetuo(モト・ペルペトゥオ)、常動曲とも呼ばれるクラシックの楽曲(あるいは楽章)で見られる一つの音楽スタイルです。
パガニーニの「無窮動 ハ長調(モト・ペルペトゥオ)Op.11」は特に有名で、トランペッターのウィントン・マル サリスが『超絶技巧~くまん蜂の飛行 ( 原題:Carnival)』というアルバムで演奏しています。
その他、バッハの「無 伴奏バイオリンのためのソナタ&パルティータ」の中にも無窮動の要素を持った楽章がたくさんあります。
簡単に言えば「ずーっと弾き続ける曲」と言うイメージです。
私の著書「無窮動トレーニング」シリーズはその無窮動スタイルを使って、ジャズのアドリブ・フレーズの教則本として執筆した物です。
したがって何の楽器に向けての教則本という意図はありません(そのくせ、タイトルにギターとかベースとか書いてるので誤解を招くことも・・・)
ジャズ無窮動(むきゅうどう)トレーニング 弾き始めたら止まれない、休符のない練習曲 (CD付)
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別のショップのリンクを追加・編集
この本の中には鬼の様に果てしなく終わりのないジャズ・フレーズが(無休で?)載っております。
こちらのはそのジャズ無窮動トレーニングに載っている1625進行フレーズの1部です・・・
譜例1)
弾いてみれば解ると思いますが、コードを鳴らさなくてもコード進行が聞こえてきます(よね?)
これらのフレーズをどのようにして組み立てるか?本クリニックではそれを解説致します。
ジャズ・フレーズ(特にBe-Bopスタイル)は次の3つの要素を、各コードに対して当てはめる事によって出来ています。
*コード・トーン
*アプローチ・ノート
*スケール
各要素を簡単に説明いたします。
「コード・トーン」
コード・トーンは文字通りコードの中にある音を使ってフレーズを作ると言う事です。
先ずは各コードの1、3、5、7はどの音か?じぶんの楽器のどこにあるか?を確かめてみましょう。
コード進行はCMaj7 A7 Dm7 G7 です。
CMaj7 は CEGB
A7 は AC#EG
Dm7 は DFAC
G7 は GBDF
各コードのコードトーンをあなたの楽器の色んな場所でランダムに弾いてください。
たまに質問で、「コード・トーンを弾くと言うのはアルペジオの事ですか?」と聞かれるのですが、同じではありません。
アルペジオは「分散和音」と言ってコード・トーンを使った伴奏のパターンと言った趣がありますが、コード・トーン・ソロイングとはコードの音を使って色んなメロディの可能性を探すこと、と言った意味です。
私はレッスンで学生に「リズミック・アルペジオだと思ってご覧」と説明する事があります。
例えばこのようにリズムをインプロヴァイズしながらコード・トーンを弾いていくのですね。
リズミック・アルペジオ
そして、自分の楽器でコードトーンを把握して来たら、それらを(ゆっくりのテンポで)繋いで行く練習をしてみてください。
まあこんな感じで色んな曲のコード進行をゲーム感覚で楽しんで?いただくと言うわけです。
コード・トーンを並べる面白い方法がありますのでそれだけを簡単に紹介致しましょう。
「7-3の法則」
次の進行でコード・トーンの3度の音だけ歌って見ましょう。どこかで聞いた事のあるメロディに聞こえませんか?
コードの3度の音はとても「歌いやすい音」とされていて、世の中の歌には3度がいっぱいです!これを利用してコードの最初の音に3度を持ってくる 様にします。
7thコードには4つの音(1、3、5、7)がありますので
3が頭にくる音形は
(3、1、5、7)
(3、1、7、5)
(3、5、1、7)
(3、5、7、1)
(3、7、1、5)
(3、7、5、1)と、6種類の音型ができます。
どのように並べてもいいのですが推奨する音型が2つあります
それは(3、1、5、7)(3、5、1、7)です。
コードからコードへ移動するとき7度が3度に移動します
「7度で終わって3度にいく」
私はこれを「7-3の法則」と呼んでレッスンで時折やっています。
コードが4度進行する場合、7度はかならず次の3度におりていく(解決する)様に動きます。要するに7-3はネイバートーンですね。
(音符上の数字はコードトーンの度数)小節の最後の音と次の音に注目してください。
一度ピアノでもなんでもいいですからゆっくり上の譜面を弾いてみてください。
コードがなくても進行が聞こえてくると思います。
なんとなくバッハっぽくに聞こえませんか?
ここで重要ポイント!!!
「7-3の法則は4度進行で機能する」
上記の進行は Fly me to the moon の前半16小節の進行ですが、隣のコードに必ず4度で進行しています。7-3の法則は4度進行の場合に「使える」テクニックなのです。
4度進行を使用したスタンダード曲を納浩一(b)先生の「スタンダード・バイブルで探してみてくださいね。
[All The Things You Are] [Autumn Leaves] [There Will Never Be Another You] [There Is No Greater Love] [Cherokee] [Satin Doll] [I’ll Close My Eyes] [I’ll Remember April] etc…
「アプローチ・ノート」
コード・トーンが何となく把握出来て来たら、次にアプローチ・ノートを使った練習をするのが効果的です。
(なぜならば)アプローチ・ノートはルールが単純だからです。
アプローチ・ノートとは、各コード・トーンをターゲット・ノートとして、それに解決する様に音を足して行くという方法です。
アプローチ・ノートは下から半音、上からはダイアトニック・スケールを使う全音又は半音ということなのですが、ここでは上からも下からも半音で解決する「クロマチック・アプローチ・ノートを紹介します。
実際にアプローチノートを使ってコードトーンを装飾してみましょう。
先ほど紹介したコード・トーンに対して半音上下からアプローチ・ノートを入れてみました。
シンプルなコード・トーン・サウンドが一変してJazzyなサウンドになりました(よね?)
クロマチック・アプローチ・ノートにはルールがあって12種類のアプローチの仕方があります。
例えば C,E,G 三つの音をターゲット・ノートにして12のクロマチック・アプローチ・ノートを使って装飾してみましょう。
ね・・・楽しそうでしょ?
12種類の中から色々試してくださいね。
注) 因にサンドイッチは私の造語です(音楽用語ではありません)
アプローチ・ノートの入れる場所や種類はあなたの自由です。
いろんな種類のアプローチノートをランダムに配置しても良し!規則的に配置しても良し!
ただし、ターゲット(コード・トーン)を強拍に配置した方がわかりやすい サウンドになります。
先にターゲットを配置して練習するのも効果的です。(わかりにくくしたかったらそれを避ければいい)
強拍とは奇数拍(1、3)のことです。
「スケール」
コード・トーンとアプローチ・ノートに対してスケールと言う「道具」は少し厄介です。
コード・スケールという言葉をご存知ですか?
コード・スケールとは?コードに対して何のスケールを使うか?という理論です。
このあたりから理屈っぽくなるので御覚悟を…
CMaj7 Am7 Dm7 G7
この進行の各コードにスケールを当てはめてみましょう。
教則本には最初に…
これ全部…Cメジャースケールですよね?
ほんならこれでええやん!
それじゃ教則本には何故?最初に…(わかりませんけど)
実はコードに対してスケールを当てはめる「コード・スケール」と言う理論は
「決まり事」ではなく「解釈」 なんです。
解釈してみましょう!
各コードに「私の解釈」を入れてみました。
サウンドが変わったでしょ?
このように、各コードに対してどんなスケールを使うかは、あなたの解釈で変わるのです。
こんな風にも解釈できます。
こんな風に全てのコード・スケールをメロディック・マイナーで解釈する事をマイナー・コンヴァージョンと言います。
ギタリストのパット・マルティーノを始めマッコイ・タイナーやハーヴィー・ハンコック等コンテンポラリー・ジャズの演奏の中にもマイナー・コンヴァージョンがちりばめられています。
コードをスケール解釈によって、サウンドを面白くするにはスケールとモードの勉強をしっかりとしなくてはいけません。
スケールをアドリブの要素として使うのは多少の「理屈が必要」 と思ってください。
前段で紹介した「コード・トーン」「アプローチ・ノート」はとてもシンプルな理屈(コードを見ればいい)に対して、
「スケール」は解釈が必要〜と言う事です。
今回、スケールに関してはここまでしか扱いませんが、もっと詳しい情報が知りたい方は、こちらの方にコード・スケールの解釈の仕方 を乗せていますのでそちらをご覧下さい。
スケールに関してもう一つおまけの要素として
「ペンタ・トニック&ブルース・スケール」 があります。
Minor Blues Scale
Major Blues Scale
この便利なスケールは初中上級すべての方のマストアイテムで、メロディを作る為に生まれて来たスケールなのです。
次のに挙げるコード進行達に威力を発揮します。
ブルース(Major & Minor)
ダイアトニック
セカンダリー・ドミナント
モーダル・インターチェンジ
ジャズ・ハーモニーを1度はかじったことがある!と言う方は聞いた事があると思いますが、コード進行には種類があるのです。
上記の4種類の進行は調性内に存在しうるコード(機能的和声)達をキャラクター別に分類した物で、それら全てをブルース・スケールのサウンドで解釈できます。
今回は時間の関係でここまでとなりますが、私の過去のブログにコード進行に関して解り易く(回りくどく)説明している物がありますのでそちら をどうぞ。
それではみなさんクリニックでお会いしましょう〜