#私のおすすめする一冊
図書館で予約していた本、やっと順番がきて読み終わりました。それが私のおすすめする一冊、小川糸さんの「小鳥とリムジン」。おすすめする理由は二つ。思春期の子供達だけでなく、若者や現役世代、私のようなリタイア世代を含めたあらゆる年代、男女ジェンダーを問わず、性に向き合うのに良い本だと感じたから。内容が過激すぎると感じ不快になる方もいると思うけれど、現実世界の闇部分から目をそらさず、自分も相手も大切に思えるような感受性を育む手立てになると思う。もう一つは香り(アロマ)の持つ可能性について。主人公が寝たきりの男性の介護に、アロマオイルを使ってハンドマッサージをするのですが、文中に色々と考えさせられるところがあった以下、本文より抜粋**** P34 もし、体が衰弱して、この先思うように口から食べられなくなっても、生きている限り呼吸は続く、息を吸うことで香りを吸い込むことはできる。そのことに気がついた時、私の胸に勇気のようなものが湧いた、香りには想像以上にたくさんの力が秘められていた〜 ********P35 いつか秘密の香りが脳を刺激して、奇跡がおきるかもしれない。香りという光の粒が機能を停止しかけている体に、小さな変化をもたらすかもしれない〜 ****この辺りを読んだ時、脳梗塞で10年闘病し、亡くなる前は完全に寝たきりだった父にも、帰省した時にアロマオイルを使ってハンドマッサージしてあげれば良かったと思ったのです。当時はそういうこと思いつかなかった。他にも香りといえば、小学生の頃近所にできたパン屋さんの近くに行っては、パンの焼ける美味しい香りを思い切り吸い込んでたっけ。パンの焼ける香りが、小学生だった頃の記憶を呼び、その記憶がまた自分を心地よくする。香りの持つ力に改めて気がつけた本でした。by ワンダ