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- 18Nov
賢者の贈り物
著者:O・ヘンリー内容:デラはおんぼろカウチに身を投げて泣いていた。明日はクリスマスというのに手元にはわずか1ドル87セント。これでは愛する夫ジムに何の贈りものもできない。デラは苦肉の策を思いつき実行するが、ジムもまた、妻のために一大決心をしていた―。若い夫婦のすれ違いが招いた奇跡を描く表題作ほか、ユーモラスな「赤い酋長の身代金」「千ドル」など、選り抜きの傑作を集めた新訳版。(「BOOK」データベースより) こちらは、O・ヘンリー作の有名な短編になりますね。自分が読んだのは短編集なので、「賢者の贈り物」以外にも読みましたけどね。有名ですけども、自分はちなみにこの作家の作品は初めて読みました笑。短編の名手ということで、日本で言えば、星新一など、彼らもまた影響を受けたのかもしれません。そしてまあ、訳者のあとがきを読みますと、「どんでん返し」系の元祖といった紹介文もありましたね。これは正に短編が異彩を放つ一つの方法だと思います。ラストであっと驚くような展開、結末が待っていて、まあその「タネ」にこそ、魅力があるような作風。そして、これもまた現在では数多くの作品で取り入れられている手法だと思うんですね。むしろまあ、人気作品の秘訣と言っても良いかもしれません笑。「衝撃のラスト!」って言う売りが、やはり今でも多く見受けられます。小説に限らず、映画でもドラマでも、それは結構多いですよね。まあ、確かに読者がキャッチーに読める要素として、それはある意味わかり易い売り方だと思います。そりゃまあ、予想を覆してくれる結末があると、当然ながら読者も驚くわけだし、それを期待したくなる気持ちもわかります。 ただ、個人的にはぶっちゃけ、その「どんでん返し」のみが見所の作品は、実は得手じゃありません笑。まあ、他の映画や小説のレビューでも度々書いたことではあるんですが。結末のみが見所ってなってしまうと、まあ極端に言えば、その結末だけ聞けば、その作品の魅力はそこで終了、とも言えると思うんですね。そうなると、作品としては随分と安っぽい物にも感じる。自分はこのO・ヘンリーさんの作品にもそれは正直感じたんですね。また、自分が元々短編と言うジャンルが苦手である理由は、そこにもあるような気がします笑。もちろん、普遍性があって、真理を突いた作品もあるでしょう。ただ、結末を意識しすぎると、案外集中力が短編の割に続かないって言うか笑。まあ、これは自分特有の病気かもしれませんけども笑。自分としてはあくまで「どんでん返し」ってのはおまけ以上の物では無いと思っていますね。例えば、「衝撃のラスト」が売りという作品は多々あっても、それは蓋を開けると、言わば「どんでん返し」をしたいが為に、無理な設定や展開、真相を用いることもまあまああります。そうなると、単に話がややこしいだけなんですよ笑。つまりは、オチの為の物語でしかないんで、ほとんどが前フリでしかないって言うね。それは、作品としてどうなんだろう?とは思います。 まあ、こういう「短編」である以上、一種の「小話」として捉える上では、まあもちろん成り立つには成り立つんですけどね。まあ、確かに話が短いので読む方の疲労も軽減されるでしょうし笑。訳者のあとがきでも、その辺はちょっと言及していましたけどね。ちなみに、この作品は「偶然」に翻弄される人間が描かれていましたね。それこそ、題名にもなっています「賢者の贈り物」もそうですね。その「偶然」による出来事にある可笑しみであるとか、残酷さに着目して、まあそこを短編の中でクローズアップしていますよ。言わば何て言うか、「運命論」とか「宿命論」に近い物がありますかね。実際、それはまあ「偶然」と言っている時点で、はっきり言って登場人物らにとっては実に無力であります。その無力さにこそ、ヒューマニズムを見出してる感がありますね。単純に「ああ、人間ってのは脆いな」とか、悲観的になるだけじゃなくて笑。それこそ、今ヒットしています「ジョーカー」という映画にもちょっと通じるテーマじゃないですかね。無力なんだけども、その中であがきながら生きていく様に、意味があるって言うね。無意味という意味があるって言う感じでしょうか。それは、確かに喜劇にもなれば悲劇にもなると思います。その捉えようによっては。やっぱり、「短編」ってのはそうですよね。それこそ星新一さんの作品だって、人に寄ってコメディにも思えれば、ホラーにも思えるっていう物もありますから。それが楽しむ要素としてあるんじゃないでしょうかね。こういった普遍的要素は、まあどれだけ年月が経とうとも変わりありませんから、まあ、今も人気たらしめる理由なのかもしれません。おすすめ度☆☆
- 14Nov
第12節:圧巻のリヴァプール
リヴァプールVSマンチェスター・C 3-1 得点者:ファビーニョ、サラー、マネ、ベルナルド・シルバ 観戦してから少し経ってますけど、一応レビューと言うか観戦記として残しておきます。今現在においてのプレミア二強と言えば、まずこの2クラブだと思います。どちらも優勝を争い強豪クラブでして、まあある種、この対戦が天王山と言っても全く過言じゃないと思われます。世界中のサッカーファンが今季も待ちわびたカードだったと思いますが、結果は3-1とリヴァプールがこのカードにおいても快勝を収めたことが、未だに衝撃的とも言えます。あの前半にて立て続けに二点を奪った時、あの流れ、勢いで行った場合、もしやこのカードでも4-0とか5-0なんていう、大勝劇が起こるのでは?と、色んな意味でひやひやしました笑。自分はぶっちゃけて言えば、リヴァプール側を応援していたんですけどね。しかしまあ、強いなと笑。この一言に尽きるんですけどもね笑。シティだって当然ながら欧州でも随一の攻撃力、選手層を誇るチームですよ。まあ、守備陣に現在怪我人を多く抱えているという不利状況はあったにしても、まあ、そうそう簡単に点が奪われるようなチームじゃないはず。でも、今回の試合では常に後手に回るような形になっていて、シティの得意技がほとんど機能しない間に、リヴァプールにやられてしまったという印象でしょうかね。 クロップのチームらしいな、と言う印象も受けますね、こういう試合は。彼がドルトムントの監督をしていた頃も、似たような結果が出たことがありました。と言うのは、相手が相手の「色」を持っており、なおかつそれをアウェーだろうが忠実に行おうとするチーム。こういったチームにこそ、クロップのサッカーは真価を発揮すると言いますか。要するにまあ、シティもそうですが、彼らがボールを持った瞬間に、クロップのサッカーは前に出ていくわけですよね。全力でボール奪取に行ったり、それがまたスペースを埋めたりって言う。相手が息を整える前に、もう相手ゴールに迫っていくと言うその迫力ですか。ですから、シティのようにまあある意味、正々堂々と勝負してくれる方が、クロップ側からしたらやり易い、もしくはありがたい相手かもしれませんね。シティが自陣から丁寧のボールを繋ごうとしても、リヴァプールの選手たちがそれを許さない。また、ボールを上手く回しても、シティのラインは高いですから、奪った瞬間に、マネやサラーと言ったスピードスターにボールを出してあげれば、すぐさま決定機であります。シティからすれば、まあどういった攻め方を仕掛けようとも、いずれにしてもリスクが高いってことで、本当に困っただろうなと思いますね。ましてや、早い段階で二失点も喫した時点で、試合の運び方の選択肢すら狭まったために、ペップも悩んだはずです。もし、もう少し早い段階でシティも得点を奪えていれば、まだわからない試合にはなったと思いますがね。 シティ側にも同情するとすれば、ハンドと思しき二つのシーンが、お咎めなしだった点でしょうかね。しかも、VARが発動していたにも関わらず、ノーファール扱いでしたからね。ペップもかなり激昂していましたけども。まあ、試合後にそれについて言い訳めいたことを言わない所は、さすがだなとは思いましたがね。ただまあ、シティ側からすればちょっと納得いかない場面だったかもしれません。とは言え、非常にこのVARというルール自体が未だに物議を醸している点があります。これ、発動するのも主審の判断次第ですし、必要ないと見做せば別に必ず使用されるわけでも無いんですよね。当然選手やベンチの人が求めた所で、そこには発動権は無いわけですし。VAR自体は誤審を無くそうっていう名目の元作られたルールですけども、VARができてもまだ、まあ何て言うかその定義が難しい、曖昧な部分はあります笑。結局、選手のPA内でのハンドが故意なのか、事故なのか。その辺を判断する材料としては、これはもう難しいですからね笑。それこそ、選手たちがまあ、ハンドを誘う為に、あえて手にボールを当てるよう蹴るとか、まあできるでしょうしね笑。難しいと思うんですけども、自分はまあ今回の主審の判断自体は間違って無いと思うんですよ。あの、ぶっちゃけああいうハンドを逐一取ってたら、本当にもうPKだらけの試合に今後なっていきますよ笑。明らかな決定機阻止ならばマズいかもしれませんが、こう言うと語弊があるかもしれませんが、大目に見る所は見ないと、サッカーって言うスポーツ自体が成り立たなくなっていくと思いますね笑。
- 11Nov
記憶にございません!
製作年度:2019製作国:日本監督:三谷幸喜出演:中井貴一、ディーン・フジオカ、石田ゆり子、草刈正雄、佐藤浩市、小池栄子、斉藤由貴 病院のベッドで目覚めた男(中井貴一)は一切の記憶がなく、病院を抜け出して見たテレビで、自分が国民から石を投げられるほど嫌われている総理大臣の黒田啓介だと知る。国政の混乱を避けるため、記憶喪失になったことを国民や家族には知らせず、真実を知る3人の秘書官に支えられながら日々の公務をこなす中、アメリカの大統領が来日する。(シネマトゥデイ) また、久々に更新です笑。今回はこちらを映画館で見てきました。まあ、公開時期からは大分遅れましたね笑。あんまりお客さんもいませんでした笑。三谷幸喜作品は、自分は得手じゃないです笑。でもまあ、未だに日本ではヒットメーカーの地位を確立していますし、まあこれもそれなりにヒットしているんじゃないですかね。ぶっちゃけまあ、自分はこの映画は退屈極まりなく感じましたね笑。何か、割と世間的にはこれは評判はそれほど悪くないですけど、そんなに良い映画なのかな、って笑。ぶっちゃけ思います笑。こう言っちゃお終いかもしれませんけど、どこまでが本気でどこまでが冗談なのかな、って感じなんですよね。もちろんまあ、そういう雰囲気で面白い映画っていっぱいありますけど、それって大体は何て言うのか、バイオレンス映画とかブラックコメディ系で見せられるタイプじゃないですか。これは割と正統派コメディで売ってますし、実際中身もそうですよね。しかも、曲がりなりにも「政治」の世界を舞台にしているわけで、作り手がどう思おうとも多少の風刺的意味合いも、自然と出てくると思います。そうした時に、やっぱり多少のリアリティって必要不可欠になってくると思いますが、そこに疑問が大いにありますね。例えば、記憶喪失になった主人公が政治を勉強するシーン。まあそれも、何故か自分が学生の頃の教師を呼ぶという、よくわからない方法で描かれていますが笑。 ただ、勉強内容を見ると、それはもう中学生の社会レベルなんですよ笑。いやいや、そういう次元じゃないだろって言う笑。まあ、基礎から学ばないといけないってことなんですかね笑。でも、その勉強後にちょっと政治的発言をしただけで、側近が「勉強の成果出てますね!」とか言うんですけど、「いや、もうこの時点で総理大臣の資格無いだろ」って話になる笑。漢字が読めないだけでも叩かれる世界ですからね笑。どうなんでしょうか笑。また、米大統領との関係に関しても、甘いですよね。まあ、何故か米国との対等な関係性が成立する展開があるんですけど、まあはっきり言って、都合が良すぎますよ笑。それと、結構冷めたのが、主人公の妻との関係性の件。妻が側近と不倫しており、よりを戻す為に、国会答弁中に妻へ愛の告白をするって言うね笑。しかも、最後の囲み取材中に、妻が現れて感動的なBGMと共にスローで抱き合うと言う笑。そして、周りが拍手するって言うね笑。文字で書いているだけでも、はっきり言ってダサいと思うんですけど笑。って言うかまあ、これこそ自分はギャグで本来は見せるべきシーンだと思いますけどね。例えば、駆け寄ってくる妻が抱き合うと思いきや、ビンタするとか笑。何かそういう「スカし」があるべき流れだと思いますが、そこではまあ、あの演出を見るに感動的に見せたいんでしょうね。何か感性が合わないんですよ笑。もうこんな感じで、一事が万事、「茶番劇」に見える映画ですね。って言うかまあ、作り手が「それを狙ってる」と言えば、まあそれまでなんでしょうが笑。 草刈正雄さん演じる官房長官の失脚の理由も、「え…?」ってもはやよく意味が分からないんですよね笑。何か「ゴルフ協会で~」とか理由を述べてましたけど笑。まあ、あれは三谷流のナンセンスギャグなのでしょうが、ただですね、そういう官房長官の設定ってのは、それは初期で出してくれないと笑。オチの部分で「実は〇〇で~」って言われても、それはもう「後出し」ですから、ギャグとしてやっぱり活きないですよ。伏線もクソも無いって話であって笑。話に作りも上手いとは思えません。先ほど書いたように、言わば「茶番」であるとか「ナンセンス」って言う、まあ一種のくだらさなが売りだとは思いますよ。でも、「テキトー」って言うのはまた違うと思います笑。やっぱり、思い付きの羅列なんですよ。三谷幸喜さんの作品は大概が笑。まあ、映画に関して言えばですけども。そもそも、「良い総理大臣」って言う、その価値観が合わないんじゃないかなと思うんですよね。映画の中じゃ、まあ有体に言えば「良い人」を描写しているとは思いますよ笑。でも、まあ逆に言えばそれだけ単純化されているだけですしね。別に大した政治的葛藤がそもそも描かれてないだけなんですよ。それこそ、主人公にとっての政治的理念って一体何なのか。それが不明ですよね。何で彼が政治家になったのか。そして政治家になって何がしたかったのか。それがそもそも触れられないと、別に彼のことを応援しようと言う気持ちにはならない。しかも、その理念に対して、やっぱり自力で何とか解決したり、努力してそれを遂行するような、そういう展開が無いと、盛り上がりは生まれないと思いますね。大概は、側近が何かアイディアをひねってくれて、それで解決する展開が多いんで。 結局これは、自分は主人公が何か「頑張っている」って言うよりは、周りがただ単に甘やかしてくれているだけに見えるんですよ。例えば、ディーン・フジオカさん演じる側近は頭脳派なキャラクターを演じています。そして、主人公の妻と不倫をしているって言う設定なんですね。彼は「自分より劣った人間が許せないだけだ」なんて言って、別に本気で主人公の妻と恋に落ちているわけじゃ無いって言う発言をしますよ。そんな男だったら、まず最初、主人公がそんな記憶喪失になんてなったのなら、それをチャンスと捉えて、むしろ彼を辞めさせる方向へ持って行くんじゃないですかね?でも、何故かそうはしないじゃないですか。元からやっぱりどこか主人公寄りなんですよ。また、やっぱり総理大臣と言う立場である以上、もっともっと、政治的困難が待ち受けているはずですよ。でも、それははっきり言って、随分と簡単に解決していく笑。つまり、この映画の中じゃ、それほど大きな乗り越えるべき壁とか困難って、用意されてない笑。凄く低いハードルを主人公に設定してあげているだけなんですよね。吉田羊の存在然り、官房長官との対決然り、不倫問題も然りですけど、色々とまあエピソードって言うか、「事件」というか、見せられるわけです。でも、思っている以上にそれが盛り上がりに欠ける笑。どれも結局、実に中途半端な形で終了するんですよね笑。って言うか、一応映画の中では「解決」ということで終わる笑。もっと、「行き切って」ほしいんですよね笑。吉田羊さんにももっともっと、妖艶に演じてほしい笑。草刈正雄さんも、もっと悪で良いです笑。どうしてこう、盛り上がりそうな一歩手前で、トーンダウンしていくのかなと笑。それが本当に不思議ですよ笑。自分はこれ、正直2時間が結構苦痛でした笑。もう、さすがに三谷作品は自分は、個人的には劇場にまでは見に行かなくていいかなと、ちょっともう思いましたね笑。おすすめ度☆☆
- 06Nov
そして、バトンは渡された
著者:瀬尾まいこ内容:血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった森宮優子、十七歳。だが、彼女はいつも愛されていた。身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。(「BOOK」データベースより) 今年の本屋大賞を受賞した作品でした。瀬尾まいこさんの小説は初めて読みましたね。他も読んでみたいなと思いました。この本はなかなか面白かったですね。まず、あらすじにも書いていますけども、両親が次々と変わって行くって言うね笑。でもまあ、たぶんまあ調べたら似たような話って多々あるんじゃないでしょうか。って言うか、実際にもあり得る話だとも思いますね、特にこのご時世ですと。しかも、本来は大体がネガティブな話になってしまうと思うんですね。世間一般的に言えば、まあ正直、何度も何度も苗字が変わるって言うのは、子供にとっては避けるべきこととしてあると思うんですよ。だから、この小説も涙無くしては読めないような、悲惨な話だと感じる人もいるかもしれない。内容だけ見ればね。でも、この小説、実は全くそういう悲惨な要素ってありません。むしろ、出てくる人たちはほとんど、「良い人」たちばかりです。意地悪をするとか暴力を振るうとか、愛情が感じられないとか、考えられる悲惨な要素が本当に無いですね。もちろん、その親によって性格は異なりますが、皆善人ばかり。ってことで、その悲惨さとか暗さを心配している人がいるとしたら、それは全く無用だと思いますね。まあ、それ自体が「珍しい」と言ってしまうこと自体、悲しいかな、現実ではそうじゃないことを物語っているとも言えるんですが。 当然、親でもありながら、しかし他人でもあるわけです。血が繋がって無いので。これはまあ、はっきり言ってかなり微妙な関係性ですよね。いくら良い人であっても。やっぱり本当の親じゃないからこその気まずさなのか、あるいは本当の親じゃないからこそ割り切れる部分なのか、その絶妙な距離感、間合い、空気が描かれているなと思いましたね。しかも、より具体的なケースを出してそれを描いてくれている。やっぱりですね、それはまあ、安易に一言じゃ言えない、独特の空気感ですよ笑。説明するならかなり回りくどく言わないと伝わらない、独特の空気じゃないですかね笑。それを「文章」で表現するのが「小説」だと思いますから。それは自分はこの小説の場合は、しっかり描写されている印象を受けましたね。だからまあ、この境遇は経験したことが無いですけども、でも「リアル」に思えるって言うね。ちなみに内容としては主人公の青春物語も描かれます。恋愛、大好きなピアノ、そして友人関係といった具合に。でも、これは非常にまあはっきり言って平凡な要素です笑。でも、この平凡さが大事なのかなと。それと、結局彼女の青春物語が「人間関係」に関わってくる話になっています。主人公はしかし、そもそもその辺が妙に淡泊でありまして。それは、やはり自分の境遇が関係していますよね。「所詮は、赤の他人だから」って言う、何て言うのか、まあそれは良くも取れるし、冷めているとも取れますが。ただ、学校での出来事によって、一度やっぱり彼女がその「人間関係」に向き合う瞬間があって、それがまた、今自分と暮らしてくれている親の人間との関係性にも繋がってくるような構成なんですね。 その辺も無駄は無いって言うか。って言うか、普遍的要素があるなと。先ほど書いたように、まあたぶんですけど、この主人公のような生い立ちを歩む人は、ぶっちゃけ珍しいわけで。じゃあ、主人公の気持ちがわからないのか、って言うとそうじゃないようにできている。それが普遍的要素だと思いますね。別世界の話だと思えない、っていう出来栄えは大事だと思いますよ。設定は突飛に見えても、話自体は突飛じゃないって言う。まあ、だから「物足りない」って思う人も中にはいるかもしれませんが笑。自分はこの小説の中で一番良いなと思えたのは、最後ですね。と言うのは、この本はほとんど主人公目線で書かれた小説です。しかし、最後だけ実質最後の「父親」目線で描かれている。まあ、彼は登場回数は多いですが、でも、脇役です。その脇役がいきなり主役に躍り出る。これを読んだ時、この小説は決して「子供」や「若者」に限った話じゃないなと思ったし、むしろ「大人」の為の小説だと感じたんです。主人公と共にバージンロードを歩くことになる彼ですけども、何でしょうね、実際の父親では無いですし、ぶっちゃけ彼の人生が全編通して細かに描かれているかと言うとそうじゃないんですよ。でも、何となく、彼の今までの人生が透けて見えるような結末に感じたんですね。まあ、「父親として~」と言うと限定されてしまいますが、彼もまた人としてさらに成長した余韻があって。正にですね、小説の中で、「バトン」が渡された瞬間なんですよね。それが、かなり感動的だなと自分は勝手に感じて、正直ちょっとウルっと来ましたね笑。既に「ゴール」にいたと思っていた人間にも、まだ人生が進んでいくっていう明るい兆しが見えて。 ちょっと「まだ始まったばかり」って言う話に、大人は弱いんでしょうかね笑。大人って言っても、まあ自分はまだ父親じゃないですけどね笑。まあただ、もちろん家族、親子関係に関した話でもありますが、やっぱり、何でもいいから目標を見つけることって大事だと思うんですよ。前に向かっていくって言うね。それが仮にまあ、この小説の場合は、「娘の為に」ってことですが、やっぱりそれは、自分の為にってことでもあるんですよね、結果的に。そういうもんですからね。いやぁ、できれば是枝監督に実写映画化してもらいたいですね。おすすめ度☆☆☆☆
- 01Nov
人魚の眠る家
製作年度:2018製作国:日本監督:堤幸彦出演:篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、田中泯、松坂慶子 会社経営者の播磨和昌(西島秀俊)と妻の薫子(篠原涼子)は2人の子供を授かるが、現在は別居している。ある日、娘の瑞穂がプールで溺れて意識不明になり、医師に脳死と診断される。臓器提供を希望するか、このまま死を待つかの選択を迫られる夫婦は、悩んだ末に臓器提供を決意するが、薫子が一瞬だけ瑞穂の手が動いたのを見てそれを撤回する。和昌の会社が開発した最先端技術を駆使した延命治療が始まり、彼女は眠ったまま成長していくが......。(シネマトゥデイ) こちら、東野圭吾さん原作の映画ですね。堤幸彦監督はTVドラマ畑で有名ですね。「TRICK」や「スペック」等々。ただまあ、こと映画となると、正直悪名高い事でも有名と言う笑。「20世紀少年」辺りは、まあ黒歴史でしょうね笑。さて、こちらの映画、わかり易く言えば「死とは?」と言うのが、テーマとなっておりまして、所謂倫理的な部分に大きく迫った映画と言えるでしょう。脳死状態の娘を、ある機械を使うことで、動かすことができると言う。それにて、娘がまだ「生きている」と信じる母親が描かれます。もちろん、娘の死を受け入れないと言う気持ち、そして、どういった状況であっても「生きていてほしい」と言う気持ち。これは当然ながら普遍的であって、わかります。しかし、その機械を使って娘の腕を不自然に動かしたり、また表情までをも操り笑みを浮かばされたり等々、正直周りが徐々に薄気味悪くなってくると言う展開があります。これは、まあ露骨にまず演出として、ホラーチックにすら見せていると思いますね。確かに、不気味に思えてくるわけです。でも、このアプローチは全然悪くないと思います。最初は愛情から来る行為であって、それが尊いと思われていましたが、しかし、その見方が徐々に変わってくると言うのは、まあ、こう言ったらなんですけども、物語としては面白い展開なんだろうと思うんですね。演出で言えば、例えば、その娘を動かす際に生じる機械音や、娘の眠る部屋の美術等々、明らかに奇妙な空気、不穏な空気を演出しているなと思います。 また、全体にある淡い映像なんかも特徴的かなと。要するに、ポジティブに捉えれば、それは何か美しい空気も匂わせるんです。でも、ネガティブに一度なってしまうと、何か異世界と言うか、別世界と言うか、そういった空気を今度は発し出す。この辺はなかなか面白いなと思ったんですね。個人的には、そんな演出がさらに極端でも良かったのでは?と思ったくらいですね。例えば、この映画はあくまで母親側から見た娘、あるいは家族側から見た娘しか描かれません。ただ、その家族側から見た娘の現状の不気味さ、もしくは違和感、これらがさらに描かれていると、もっとリアリティと言うかですね、見ているこちらにも「何か変だ…」って言う感覚を覚えさせることができた気がします。少しこれは、まだオブラートに包んでいる感じはありますね。まあ、さすがにホラー映画にすることはできないでしょうけど笑、でも、やっぱり良い意味での裏切りと言うか、違った側面があっても良いと思います。有体に言えば「家族愛」とか、先ほど書いたように「死とは…?」といった永遠のテーマに行き着きますが、それをハートフルに見せたかと思いきや、狂気に見せて、狂気に見せたかと思えばハートフルに、と言う具合に、良い意味で観客を揺さぶってももっと面白かったと思いますね。それが極端であれば、もっと個性的な映画に仕上がったと思います。とは言え、自分はまあこの映画であれば、まあ現状が果たして正しい状況なのか?って言うような、問題提起としては説得力、それなりにあると思います。見せ方としては。十分まあ、常軌を逸しているようには見えますのでね。 これはまあ、良くも悪くもだと思いますが、一応この作品はまあ、「答え」ってのを用意してくれているんですね。まあ、原作もそうなんでしょう(ちなみに今回原作は読んでいません)。確かこの原作小説が売り出されていた時、「この本を書いて良いのか、葛藤した」みたいな、何か作者の売り文句みたいなのがあったんですけどね笑。でも、まあ答えを曖昧にしているわけじゃ無くて、一応作者が行き着いたであろう、結論みたいな所に着地するんで、まあなかなかそれは勇気のあることだったんじゃないですかね。何せ、やはりこの映画のように、家族の誰かが事故によって植物状態になっていたりとか、あるいは亡くしてしまった人って言うのは、実際にはたくさんいるわけですからね。そういった状況の方々には、その人たちそれぞれの苦悩とか、考え方があるわけだし、「これが正解」って言うのは、やっぱり部外者が言うべきことじゃ無いでしょう。当然ながら非常にデリケートな中身、テーマなわけですよね。でも、一応こういう「フィクション」を使って、どういった見方があれど、まあ一つの着地点を見出すって言うのは、ある意味、責任を全うしたのかなとは思いましたがね。さて、ただ、この映画が映画として非常に惜しい点ってのは自分は何となく感じたんですよね。まず、子役の演技に関しては、自分は違和感がありました。違和感と言うか、まあこれがそれこそ日本映画、あるいは日本のTVドラマじゃ普通かもしれない。でも、ぶっちゃけもう是枝監督の映画を見ている自分からすると、物足りなさは感じますね。もちろんまあ、是枝さんの演出法が特殊ですから、あの域に達するのは難しいのかもしれませんけど。しっかりと「演技」をしているように見える所が、逆に物足りないんですよね笑。 そういうまあ細かな違和感みたいなのは、自分は結局クライマックスでの、あの「包丁」を持ち出しての危機的状況のシーンに直結すると思っています。あのシーンも一つこの映画の見せ場だと思いますけども、やっぱり「段取り」感が見え見えなのが、残念であります。要するに、この人が喋って、次はこの人が喋る番で、その次はこの人が泣いて、みたいな感じで、何て言うかその、出番の順番待ちみたいな笑。まあ本当にそれはこう言ったらなんですけど、学芸会と一緒ですね。誰かが喋った後に、次の行動がきっちりと示されてっていう風に。ここはやっぱり演出の付けようがあったと思うんですね。ましてやまあ、色んな意味でもそのエモーショナルなシーンでありますから、そういう「段取り」が見えると、それも冷める原因だとは思いますよ。第一、あそこでは警察までもが駆け付けていましたが、でも、警察官たちは、ぶっちゃけまあよく知らないある一家の寸劇を見せられてるに過ぎませんからね笑。冷静に考えたら物凄くシュールなんですよね笑。せめて、あの警官たちのリアクションをもうちょっと入れてあげるとか、何か気の利いた配慮が欲しかった所。演技への演出であるとか、それらの積み重ねが、やっぱりああいうクライマックスで現れてきますよ。何かこう、はっきり言って、「ダサい」んですね。それで、まあこれは誰が見ても明らかだと思いますが、後半に関しては明らかに「泣かせ」に走った演出の応酬なわけです。演技、音楽、セリフ、どれを取っても、まあ観客を泣かせようと言う作戦は見え見えです。もちろん、その「泣かせ」に走るって言うのは別にそれ自体が悪いとは言いません。まあ、そういう作品だって世の中にはあるでしょう。でも、個人的には大分お腹いっぱいにはなりました笑。正直、まだ前半までは先ほど書いたようにその異様な不気味さであるとか、この映画ならではの雰囲気って武器として活きていたと思うんですね。 ただ、その「泣かせ」演出が過剰に達しますと、逆にこの映画が今度は「平凡」な方向に突き進んで行ってしまった印象を受けます。非常に「普通」の映画に成り下がったと言いますかね。別にわざわざ映画があそこまでハートフルな方向に配慮せずとも、むしろこういったタイプの映画の場合は、観客の受け取り方次第で感動する映画なのか、あるいは怖がる映画なのかってのは、委ねちゃっても良かったような気がします。ストーリー自体を変える必要は無いでしょうが、少なくとも演出がちょっと方針を決め過ぎているような気がしないでもない。序盤で倫理的問題に迫った作品とは書きましたが、そのテーマ自体は重いと思いますよ。でも、案外映画が安っぽくなってしまったのは、大分勿体ないんじゃないですかね。もっと勝負できる作品だったんじゃないかなと、個人的には思うんですがね。おすすめ度☆☆☆
- 31Oct
平成大家族
著者:中島京子内容:三十路のひきこもり息子と90歳過ぎの姑と共に、静かに暮らしていた緋田夫婦。ある日突然、破産した長女一家と離婚した次女が戻ってきて、4世代8人の大所帯に!物置に閉じこもる孫、離婚後に妊娠が発覚した次女、戦中の記憶と現在を混同する姑…平穏を愛する当主・龍太郎の思いをよそに、次から次へと騒動が押し寄せる。悩み多き一家の姿を軽妙に、時にシニカルに描く痛快家族小説。(「BOOK」データベースより) 直木賞作家であります、中島京子さんの作品。自分は中島さんの作品は初めて読みました。他にどういった作風を書いているのか。「小さいおうち」とかは映画で見ましたし、「長いお別れ」でしたかね、最近映画になっていたのもありましたけども。映像化作品も多い印象ですし、映像化された作品は割と「家族」をテーマにしたものが多いのかもしれません。こちらも題名の通り、ある「大家族」を描いた小説ですが、その家族の一員たちそれぞれが、章に分かれて描かれるタイプであります。まあ、当然ながらその中で様々な問題や事件が起こったり、あるいは既に存在していたりするんですけども。ただ、この本を読みますと、それらの問題を一つ一つ「解決」していくと言うよりは、一度その問題と向き合って、如何に「共存」していくか、っていうような物に感じられましたね。自分はその方がまあ、少なくともリアルかなと思うんですね。大体まあ、解決できるような問題だったら、本にする必要ないって言うかね笑。ほとんどまあ、実際に起こる悩み事ってのは、解決策が無かったりするから、難しいし悩むんであって。その辺のバランス加減が印象的な作品でしたかね。逆に言えば、「小説だから~」って、そうそう何か奇想天外な展開が起こるとか、破天荒な解決策で打開するとか、そういった展開は無いので笑、わかり易い盛り上がりってのには欠けるかもわかりませんが笑。ちなみにいくつかの章に分かれておりますけども、自分は中学生の男子(家族の中では孫にあたります)の話が一番良いなと思いましたね。 好意を持っていた女子がクラスの皆から非難されているのを、彼は見て見ぬフリしてしまうっていう話でしたね。まあ、あのこれも学生を描いた話であればよくある展開かもしれませんが、良いなと思えたのは、結局彼が最後、具体的にどういう行動に出たのかって言うのは、最後まで曖昧であるという点。って言うか、行動には出るんだけど、結果がどうだったかが具体的に描いてないって言う。自分は正直小説とか映画に関しては、やっぱり「過程」の部分が大事なのかなと思いますね。まあもちろん、「結果」が出てなんぼだとも思いますが、しかし、「過程」がしっかり描かれていたら、正直結果が失敗だろうが、敗北だろうが、でも関係無いんじゃないかなって。そう思いますね。ある種この、ちょっと「前触れ」までしか描かないって言うのは、自分はセンスありだと思っています。少なくとも、「ああ、こうなったのかなぁ…」なんて、一抹の余韻に浸れるんですよ。仮に結末をしっかり用意してくれていれば、もちろんわかり易いですけどね笑。でも、所詮は「良かったね」とか「残念だったね」の、その程度の世界でしかないじゃないですか笑。しかも、それを提示されれば、もうこっちに想像の余地は無いですから笑。まあ、この小説は割とその辺の「余韻」って物も大事にしてくれている節があります。ある意味、映像的だとも思います。また、一応この本は、この大家族の誰かが書いたと言う設定になっていますが、それが誰かすらも曖昧ですね。良い意味でその「曖昧」ってのは、何か実在感を生む効果があると思います。だから、個人的にはそこが好きな点ですね。 色んな方法で例えば、「家族愛」であるとか、そう言った物は描けると思うんですね。オーソドックスで言えば、何かがきっかけで、バラバラだった家族が元通りになるとか。もちろん、その逆になる小説もあるでしょう。この小説の場合、確かに一種、家族というコミュニティの「闇」みたいな物も描いています。ただ、それと同時に、その闇も裏を返せば「光」となるようなことも描かれている。シニカルではあっても、優しい目線はあって、自分はそれも安心しましたよ笑。例えば、家族と言ったって、基本的には一人一人のことなんてほとんど何も知らなかったりする笑。自分だって親が常に何をしているのか、兄弟が何を常に考えているのか、なんて知らないですもん笑。もちろん、「他人」では無いまでも、そういった関係性が実際は普遍的だと思いますよ。だからこそ、まあお互いが心配したり、あるいはいがみ合ったりって言うことが起こるんだと思うんですが。しかし、意外と実は生きていく術みたいな物は、皆それぞれ何かしらのきっかけで身に付けているかもしれない。正に自分はこんなテーマ性を感じたんですよね。わかり易い展開で言えば、引きこもりでダメだと思われていた息子に、いつの間にか恋人ができていたなんて話がありますね。まあこの、「恋人」が一応この大家族にとっては他人なので、客観性も生まれるんですけどね。よりまあ、主体となる家族をフェアな目線で見れる役割と言いますか。そうやって少し引いた目で見ますと、「あら?意外とそんな悪い家族じゃないじゃん」って言う風になってくるんですよ。先ほど書いたことと似ているかもしれませんが、まあある意味、問題が目に「見えて」いる時点で、それはまだ健全な証かもしれませんね笑。もちろん、じゃあいざ自分の身に起きたら、って考えると「それは御免だ」って思うと思いますよ笑。 しかし、小説ってのは、そんな自分をある意味客観視できる役割もあると思いますね。まあ、自分だって実の家族はここまで大家族じゃありませんけども笑、でも、「ああ、そういうことってあるかもなぁ」と冷静に考えたりできる、材料にはなるって言うね。それは大事じゃないでしょうかね。さてまあ、これは「平成大家族」って題名の本ですけども、「令和大家族」ってのは果たして存在するのかなって笑。もはやSFに近い世界観かもしれませんよね笑。今はまだこの小説が普遍的に見えたとしても、近い将来、まあ信じられない世界観を描いた小説に感じられる日が来るかもしれない。それはちょっと悲しいかもしれませんね。おすすめ度☆☆☆
- 30Oct
蜜蜂と遠雷
製作年度:2019製作国:日本監督:石川慶出演:松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士、斉藤由貴、鹿賀丈史 優勝者が後に有名なコンクールで優勝するというジンクスで注目される芳ヶ江国際ピアノコンクールに挑む栄伝亜夜(松岡茉優)、高島明石(松坂桃李)、マサル・カルロス・レヴィ・アナトール(森崎ウィン)、風間塵(鈴鹿央士)。長年ピアノから遠さがっていた亜夜、年齢制限ギリギリの明石、優勝候補のマサル、謎めいた少年・塵は、それぞれの思いを胸にステージに上がる。(シネマトゥデイ) こちらも先日劇場で見てきました。原作は直木賞と本屋大賞を確か二つ受賞した作品。恩田陸さんの小説ですね。原作はその頃読了済みでしてね。でもまあ、結構前に読んだので、割とうろ覚えです(いつものことです笑)。しかし、これは「音楽」を主体とした作品ですので、正直映像化するのは結構難題だと思われます。きっとですね、この映画も賛否両論、別れるタイプの映画でしょうね。原作を知らない方からすると、もしかすると、「何のことやら…」ってなことになるかもしれない笑。それくらい、色んな意味で「割り切った」映画と言って良いと思うんです。したがってまあ、自分は納得のいく作品だったんですけども。さて、内容はピアノコンテスト中の群像劇って感じでしょうか。天才若手ピアニストたちが何人か登場して、彼らが描かれる。まあ、その中でも松坂桃李さん演じる、社会人ピアニストの存在が大きいかなと思いましたね。彼は他の天才若手ピアニストたちと違って、言わば、「凡才」の立場だと思われます。正直「天才」ばかり出てくれば、まあ我々凡才からすると、それこそ理解できない境地とか悩みとかあると思います笑。でも、この松坂桃李さんの存在が、割とその小難しかったり面倒臭い世界観を、少し緩和してくれている感じがあるし、何ならそういう役割のキャラクターだと思うんですよ。我々側、言わば、客観的目線が彼の存在を通して生まれているので。だからこそ、本来はまあ彼もまたちゃんと描いてあげるべきだったんだろうなとは思いますね。 例えば、この松坂桃李さんが一般人を代表してって言う感じで、「生活に基づいた音楽」ってのをテーマとしてコンテストに挑みます。ただ、そのテーマとは具体的に何なのか?ってのは、少なくとも映画ではまだ曖昧な気もします。さらっとまあ、彼の家庭風景も描かれてはいましたが。ただ、もっと彼の生活が見えてくるようだと、その辺のテーマ性は具体的になったと思うし、まあある種、天才と凡才って言うその縮めようのない差みたいなのに、リアリティが生まれたような気もします。要するに、まあこれは彼のテーマに限らずなんですけど、「音楽」を描く上で、少なくとも映画である以上必要になってくるのは、当然ながら登場人物のバックボーンに限ると思います。しかも、クラシックって言う笑。何故なら、そもそも「音楽」って言う物に関しての出来不出来ってのは、人それぞれの感じ方で違いますからね笑。もちろん技巧的にとか、その辺で非凡な物があるかもしれませんが、正直例えば自分みたいな素人がその演奏を聞いた所で、具体的に「どこが凄いのか?」ってのは、はっきり言って語れません笑。だからこそ、映像で「これが凄い!」って、説得力を持たせるのは実際は難しいわけです。ただ、登場人物たちにとって「音楽とは?」と言うのが描かれていれば、彼らの演奏が、彼らにとって如何に意味があるのか、そして聞いている人間に何を伝えたいのか、って言うのが具体的になりますよね。それ故に、観客も感動できるって言う構図が成り立つと思います。小説なら、それは文章でそれこそいくらでも表現できるし、そもそも原作はくどいくらいに音楽の説明描写、心情描写がやっぱり明確であります。 でも、それは映像的には描けない。だから、この手の物の映像化は難しいんだと思います。まあ、それこそ「QUEEN」みたいにあり物なら別ですけどもね笑。まあ、その辺のことについてはまた後述するとしますが、印象的な演出はちらほらありました。例えば、手持ちカメラが多用されている点。割と画面が揺れる印象を持ちました。この演出の効果ってのは、演奏シーン以外でエモーショナルな空気を持たせる為だと思いますね。その登場人物の心情の揺れであるとか。また、手持ちカメラである時点で、どことなくドキュメンタリータッチにも見えるんですよね。ここは、かなり「青春映画」っぽい演出だなと思いましたね。また、演技においても過剰さがほとんど無いですね。叫んだりとか、オーバーアクトは皆無ですね笑。松岡茉優さんはやっぱり良いなと思いましたけど。抑えた感情表現が実にリアルに映ってるなと自分は思いました。その辺から鑑みてもですね、要するに演奏シーン以外では、はっきり言って派手な場面って無いんですよ笑。つまり、もう見せ場を割り切っています。「音楽」があくまで主役、ってな具合に。自分はこの選択は功を奏していると思ったんですよね。そこに関してはでも、まあ大分見る人にとって差が出てくると思います。と言うのも、音楽に集約している代わりに、言わば、人間描写、ドラマ描写に関してはどうしても淡泊にならざるを得ないんですね。つまり、説明がかなり乏しい映画になっている。だから、原作を読んだ人なら大体汲み取ってくれるかもしれませんが、原作未読の人にとっては結構訳が分からないって言うことになりかねない。ちなみに自分はこの説明の無さが良いんだと思ったんですよ。ありきたりなドラマを王道で見せられたとしても、案外それって、見せ場の演奏シーンにおいて邪魔臭くなるんじゃないか、とも思ったんですよね。 面倒臭い細かな説明が、案外映画のテンションを止めることもまあありますので。まあ、そもそも原作が結構な長編ですので、映像化すると、どうしても省略は不可欠になってきます。原作ほど細かくやってる暇が無いですから笑。この映画、二時間以内の上映時間なので、まあ最近の映画の中では割と短い方だと思いますしね。そのコンパクトさ、割り切った選択は自分はありだと思うんですね、この映画に関しては。その代り、「オーソドックス」とは呼べませんね。例えば、もっと泣かせに走るとか、もっともっとわかり易く仕上げることは可能だったと思いますね、この内容なら。松岡茉優さんが演じている主人公は、好きだった母親が亡くなっており、なんてバックボーンもありますし、まあ言ってしまえば、彼女にとってこのコンテストはその母親との再会も意味するわけです。まあ、実際そのバックボーン自体はこう言ったらなんですけど、かなりありきたりなんですが、ただ、そこをフューチャーすればもっとわかり易い映画になったじゃないですか笑。また、もっと他のキャラクターとの友情であるとか、それこそピアノを続ける上での葛藤であるとか、まあ切り取る部分はいくらでもある笑。もちろんまあ、それらを全く描いていないわけではありませんが、でも、かなりそれは抑え目なんですね。ある種、観客には優しくない作りでした笑。普通の青春映画にする方法もあったのに。でも、その方法は取らなかったのは、まあ一つの賭けみたいなものかもしれません。しかし、これは原作を読んでいてもわかるんですけど、その細々とした人それぞれにある人間ドラマってのは、全て彼らが演奏する音楽に集約するしかないわけですね。それをするには、まあやっぱりですね、演奏シーンにこそ全精力を込める必要がありますね。これはまあ、作り手側からすると「ジレンマ」だったかもしれませんが、でも、どちらかを選ぶなら普通に寄せるくらいなら、これくらい少し乱暴な作りでも自分は良いと思いましたよ。実際、演奏シーンも冗長にならないようにカットバックや編集で工夫していたと思います。 この作りなら「つまらなかった」と言う人がいても、別におかしくないと思います笑。演出は器用かもしれませんが、案外、総合すると不器用な映画かもしれませんね笑。でも、まあそれくらい不器用な方が自分は好きかもしれません笑。どこかに特化しているだけでも、存在価値が自分はあると思うんですよね。全てが丸々としていて所謂「平凡」で収まるくらいなら、まあ、これくらい突き進んでくれている方が、印象には残るってもんです。おすすめ度☆☆☆☆
- 29Oct
第9節:深刻なローテンション
ローマVSミラン 2-1 得点者:ジェコ、テオ・エルナンデス、ツァニオロ この試合をは一応、まあちょっと「ながら見」ではあったんですけども、録画で観戦しました。まあ、どうしたもんかな、ってのが率直な感想ですかね笑。うん、でもしょうがないですね、はい笑。ローマもまあ、ミランに負けず劣らず、不調だったみたいですけども。怪我人も続出しているってことで、まあ本来のパフォーマンスとは程遠い状況だったんでしょうね。まあ、今のミランに攻め込まれる場面があるってこと自体が、不調を象徴するシーンなのかもしれませんが笑。まああの、はっきり言って、ジャンパオロ監督が指揮していた少ない期間に比べれば、多少なりとも前線が活き活きしている感はあります。って言うか、まだその得点の匂いが若干増したくらいですか。実況も言っていましたが、ジャンパオロ監督の頃に比べますと、幾分か前線、攻撃に関しての自由度が高まったとのことなんですね。ですから、その頃の窮屈さは多少なりとも改善されたのかもしれない。現にまあ、前節のレッチェ戦ですか、ドローではありましたが、選手たちそれぞれが吹っ切れてプレーすることはできていたのかなと思うんですね。だからこそ、まあ、結果が付いてこないってのは、まあちょっと可哀想な部分でもあると思いますね笑。 これもまた、相手が例えばもう歯が立たないほどの敵だったら、ある程度しょうがないと割り切れるかもしれません笑。それこそ、叶いませんけども、シティやバルサなんかと対戦した暁にはボコボコにされても、まあ「しょうがないじゃん」と諦めも付くんですよね笑。でも、今回のローマがそれほどまでに強敵だったのかどうか、って言う話笑。ましてや、痛恨の勝ち越し弾に関しては、自陣での軽率なパスミスからでした。ちょっとその、戦術云々の問題の前に、どうも選手たち一人一人のプレーの質自体に難があると思います。しかも、それが非常に目立つ。レッチェ戦でもですね、まあ、試合終了間際の同点ゴールだったので、選手たちもそりゃテンションが下がると思います。そして、今回のミスからの敗北ってことで、ちょっとせめて、もうちょっとでも立ち上がろう、っていう雰囲気には水を差す結果が続いている。新監督に就任したピオリも頭を悩ませていることでしょう笑。「何で、こんなにダメなんだ…」ってね笑。まあ、まだたった就任して二試合なので、彼の責任どうこうって話をしても意味がないとは思いますが。ちょっと、監督が誰とか、戦術がどうとか、そういう問題ですらもう無いのかなって、思い始めてきてますよね笑。 今後ミランはその「時間をかけて~」って話ですけど、事態は思っている以上に深刻な気もします。次はミッドウィークでSPAL戦だそうですけども、これも十分負ける可能性、あると思います笑。相手の能力以前の問題なんですよね笑。自分たちの中に敵はもういるって言うか笑。こういった状況で自信を喪失せずに、まあ90%プレーできるかどうか。一つの結果が何か、打開策になればそれが良いですけども、そう簡単な話でも無いような気もしますね笑。う~ん、憂鬱と言うか、そんな感じですね笑。
- 25Oct
GL第3節:生まれ変わるインテル
インテルVSドルトムント 2-0 得点者:ラウタロ・マルティネス、カンドレーヴァ 今回CLのGL第3節に関しては、一つのカードしか見ていません。見たカードはこちらのインテルVSドルトムント。この両クラブが属するグループはなかなかタフであります。もう一つバルセロナも控えていまして、まあ、この3チームの中で1チームはGLにて敗退するってのは、サッカーファンとしては何とも勿体ないなと思う次第であります。さて、インテルに関してはもし仮にここで勝ち点が奪えなかった場合、GL突破は危ういという土壇場の状況。自分としてはまあ、どちらのチームのファンって言うわけじゃ無いのですが、一応ミランが好きな分、やっぱりセリエA勢を応援したいって言う感じでして、同リーグでは宿敵でもあるインテルを、正直推して見ていました笑。せめて、そこまで早期の段階で、ほぼ決してしまうって言うのだけは避けてほしいなって言うのはあります笑。ただ、正直な話、コンテが率いるチームって何故かCLでは弱いイメージもありましてね笑。実際、試合内容は悪くなくても、なかなか結果に恵まれてない印象もあったので、心配はありました笑。ただ、ここは意地の勝利って言うか、インテル、してやったりと言うような試合になったんじゃないでしょうかね。 コンテの見せます、3-5-2というフォーメーション。これが効いてましたね。正にセリエの強豪らしく、非常に固い守備を見せたと思います。かなりギリギリの所で守った、なんてシーンもありましたけども、やっているドルトムント側からすると、かなりメンタルが削られる試合だったんじゃないでしょうかね。まあ、ドルトムントもロイス等々、主力を欠いている状況だったと言うのは、不運だったと言えるかもしれません。主力が揃っていれば、その固い守備ももしかすると、もっと個人技で打開する術があったかもしれませんからね。まあ、それにしても、ロイスって随分とひ弱な印象があります笑。インテルは前半でラウタロ・マルティネスが決めまして、後半、本当に丁度いい時間帯でしたよね、カンドレーヴァが決めて勝負あり。非常にしたたかな試合を演じたと思うんですね。何度も言いますが、相手がベストメンバーでは無かったとはいえ、強いチームらしい試合だったんじゃないですかね。決して「派手」とは言えないまでも、でも、確実に「負けない」と言うような、そういう手堅さはぶっちゃけ感じました。まあ、長いシーズン戦っていく上で、やはりそれは強豪クラブなら大事な要素だと思います。その中でまた、エンターテイメント的に常に「魅せる」っていうのは、また別の次元の問題です笑。 まあ、「勝てば官軍」です笑。どういった内容でもね笑。今回のインテルは悪くなかったと思います。しかし、今季からインテルも積極補強を敢行し、やはり国内リーグ、そしてCLと言うように、まあ過密日程の中でも、結果を出せる戦力値は手にしたのかもしれない。そして、監督としてやはりコンテを招聘したのが大きいと思います。彼の戦術眼と、そしてモチベーターとしての可能性ってのは、もう証明済みだと思うんですね。まあもちろん、彼が就任したこの一期目にて、何らかのタイトルが獲れれば、それはもう100点の結果なのでしょうが、仮にそうならなかったとしても、やっているサッカー自体には哲学を感じますし、やはりチームとして生まれ変わった感じを受けました。仮にまあ同じ本拠地であるミランが、主力を欠いたドルトムントと戦ったとしても、勝つのはほぼほぼ不可能だと思いますんで笑。まあ、正直ミランファンからすると、この舞台で輝いているインテルを見て、なかなか羨ましい気持ちもあるんですがね笑。でもまあ、素直に見習うべきなのかなと思いますね笑。さて、敗北を喫したドルトムントですが、しかしここからまた折り返し地点でありましてね。次はホームにてこのインテルを迎え撃つわけですけども。その結果如何では、またこのグループ荒れると言うか、なかなか読めない展開になるかもしれません笑。また、アウェーの地でインテルが今度はどういったパフォーマンスを見せるのか。これもまた、チームの出来を占うような一戦になりそうで、興味深いですね。
- 24Oct
クロール ―凶暴領域―
製作年度:2019製作国:アメリカ監督:アレクサンドル・アジャ出演:カヤ・ステゴラーリオ、バリー・ペッパー、モーフィッド・クラーク、ロス・アンダーソン 競泳選手の大学生ヘイリー(カヤ・スコデラーリオ)は、巨大ハリケーンの後、父(バリー・ペッパー)と連絡が取れないと聞いてフロリダの実家に戻る。地下で大けがを負い気絶していた父を発見した彼女は、突如何者かによって地下室の奥に引きずり込まれ、右足を負傷してしまう。家の中はどう猛なワニたちに支配されていた。(シネマトゥデイ) こちらも先日映画館で見てきました。サム・ライミが製作の映画だそうですね。監督のアレクサンドル・アジャさんは、「ピラニア3D」にて一世を風靡したとか笑(「一世」と言っても、コアなファンでしょうが笑)。自分は割とこの手のパニック物ってのは、結構好きなんですよね笑。まあ、見る機会があったので見てみたんですけども。ワニVS人間ってことでね笑。昨年は「MEG~」って巨大サメの映画も公開してましたけども、どうなんでしょう、最近はモンスター系が少し復権しつつあるのでしょうか。一時はそれこそ「B級」扱いって感じありましたよね。まあでも、そのモンスターパニック映画を見て育った人とかが、今度は立派な映画監督になる時代が到来しているのかもしれなくて、言わばサイクルが来てるんでしょうかね笑。この映画もやっぱりですね、「JAWS」や「ジュラシック・パーク」等々、まあ名だたるパニック映画の影響を如実に感じる映画でした。って言うかまあ、今後作られるこの手の映画で、それら名作を意識していない映画ってのは、たぶん無いんだろうなと思いますが笑。先人の功績がやっぱり非常に大きいと思いますよ。ちなみに、巨大ハリケーンにより町が水浸し状態になるって言う所から、話がスタートしますけども、これは不謹慎かもしれませんが、結構他人事じゃないって言うか、今となってはタイムリーですよね。日本でも毎年のように大災害がやってきてますしね。まあ、幸いワニが生息する地域は無いでしょうから、この映画のような事件はそう起こらないでしょうけど笑。 水浸しになった町や家の中で、ワニと人間が対決するわけですけども、家の中で対決ってのは新鮮に映りましたけどね。似たような映画って他にあるんだろうか。自分が知らないだけかもしれませんけど笑。それと、まあこの映画も一応人間ドラマが描かれた映画ではあると思いますよ。父と娘の絆ってことで、まあはっきり言って、「如何にも」な内容ですが笑。描いてはいても、まあこう言ったら可哀想かもしれませんが、所詮は「おまけ」程度だとは思いますがね笑。まあでもですね、こういう人間ドラマにも一応着手しようって言うこと自体が、やっぱり「JAWS」とか「ジュラシック~」などの偉大な映画の影響だとは思うんですよね。仮に「おまけ」だとしても、描かないわけにはいかないって言うね。まあ、一応それが物語の推進力にもなってくると思いますしね。シンプルでもそれは良いと思うんです。と言っても、まあこれ突っ込みたくなっちゃうんですけども、いくら「絆」とか「信頼感」って言ったって、父親は随分とまあ、娘をこき使いますよね笑。確かに自分はケガしているから自由に動けないかもしれないし、娘は一応水泳の選手ですから泳ぎが上手だってのはあるにしたってですよ笑。「お前ならできる!」とか、根性論で何とかしようとするんですからね笑。ですから、この映画はパニック映画でもありますが、同時に「スポ根」映画と言っても差し支えないと思いますね笑。かなり体育会系の映画ですよ笑。まあ、そう言う所も含めて「ドラマ」であります笑。突っ込みながら見てあげるのが、こういう映画にとっては良いと思うんですね笑。 それもまあご愛敬って言うか、結局は映画の特徴ですから笑。そう言う意味じゃ、ぶっちゃけ元も子もないことをこれから書きますけども、あえて危険な行動を取るってのも、笑えますかね笑。例えば、地下室でスマホを落としたってことで、まず主人公が取りに戻るんですよね。でも、そこには凶暴なワニがもういるわけですよ笑。だから息を殺して取りに行くんですよね。でも、それはもう思わず「危ないだろ!」って注意したくなりますよね笑。しかも、取りに行くだけならまだしも、その場所で電話しようとするんですから笑。安全な場所に戻ってから電話してください!っていうのが、観客側の意見じゃ無いでしょうか笑。でも、リアルに考えたらですよ?もし自分がああいう状況に陥ったら、冷静な判断は下せないかもしれませんね笑。あくまで今は「観客」という絶対安全な立場で喋ってるから、「これはおかしくないか?」って言えるのであって、「じゃあ、お前があの場にいたら、どうだ?」って言われたら、「う~ん」って感じかもしれません笑。まあ、それは話が逸れてますけども笑、あの、正直でも登場人物があえていかん方向に行ってしまうのは、これはもう、ぶっちゃけ「お約束」ですよね笑。だって、そうじゃないと、パニックシーンが描けないんですから笑。常に冷静だったら、ダメですもんね笑。だから、行っちゃいけないよなって所にも行きますし、一人じゃ危ないよなって所は大概一人ですしってね笑。それをツッコみ点と取るか、笑い点と取るか笑。それによって違ってくると思います笑。他にもあの馬鹿な泥棒は笑えますよ笑。「ソーセージとか、いらないだろ!」って思いますもんね、見てて笑。それも、やっぱり冷静な判断ができないからなのだろうか笑。 あと、せっかく主人公らがボートに乗ったのに、その後速攻で堤防が決壊して、物凄い水が押し寄せてきて、また家の中にボートに乗ったまま逆戻りってのも、笑えました笑。「あ~あ…」って笑。何かハプニング大賞を見ているかのような感じですかね笑。しかし、実はこの映画は確か年齢制限があって「PG12」なんですよね。これは確か、12歳以下は保護者同伴じゃないと見れない、とかでしたかね。でも、自分はこの映画を見る限り、そんなにきついのかな?って思いましたけど。確かにワニに喰われちゃうシーンとかはショッキングかもしれませんけども、でも、逆に言えば良い教材だと思いますよ、これは笑。だって、まずワニには気を付けようってことがまず学べますよね笑。それと、一旦逃げたら物は取りに帰らないとかね笑。これって、それこそ避難訓練とかで必ず教えられることじゃないですか。火事とかになっても、物を取りに戻らないって。危険ですからね、その行動は。そして、この映画は、もしそういった行動を取ったらどうなるか、ってことが描かれてますんでね笑。だから、立派な教材だと思いますけどね。まあ、でも何だかんだ主人公たちは助かるわけだから、甘く見られちゃ困りますけども笑。「ああ、何だかんだ大丈夫なんだ」ってね笑。自分はそういう意味でも、別に12歳以下が見たって問題ないと思ったし、むしろ12歳以下の子供たちが見るべきなんじゃないでしょうか笑。あと、好感が持てたのは、終わり方が実に潔い部分ですかね。「あぁ、助かった…」でスパっと終了。この潔さが良い。昨今の映画は終わり際もダラダラ長い笑。それが結構かったるい時があってね笑。上映時間も、それこそ最近の映画の中ではかなり短い方ですよ。約一時間半ですから。「IT~」の最新作なんて2時間45分ありますからね笑。そう言う意味でも、カロリーが低い映画ですよね、これ笑。 結局最小限の部分で収めるって言う、そのバランスは優れていると思います。見せたい部分はやっぱりそのパニックシーンであって、それこそ人間ドラマ、過剰なディテールに時間は割いていない。でも、その辺が完全に疎かにされているわけじゃないから、まあ映画としても「つまらない」ってことにはならないなと。むしろ、逆に濃密なんじゃないですかね笑。早い段階でもう危機が迫ってきますし笑、見ていてそんなにだらけなかったですけどね。パニックシーンの応酬なのは、映画のサービス精神って奴でしょう。見せたい部分をきっちり見せて、それで幕を閉じるって言うのは、まあ「わかってる」人の映画だなって気がしましたね。おすすめ度☆☆☆
- 22Oct
ジョーカー
製作年度:2019製作国:アメリカ監督:トッド・フィリップス出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ 孤独で心の優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)は、母の「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉を心に刻みコメディアンを目指す。ピエロのメイクをして大道芸を披露しながら母を助ける彼は、同じアパートの住人ソフィーにひそかに思いを寄せていた。そして、笑いのある人生は素晴らしいと信じ、底辺からの脱出を試みる。(シネマトゥデイ) こちら、興行収入的にも、批評的にも評価されている作品ですね。先日、映画館で見てきました。なんでも、今度のアカデミー賞でもノミネート有力候補とのことですけどね。確かベネチア映画祭では最高賞を受賞したんでしたっけね。それも、アメコミ映画では初の快挙ってことですけども。ただ、まあこの「ジョーカー」って言うキャラは確かに元々は「バットマン」の宿敵ということですが、この映画はやっぱりアメコミ映画、というジャンルとは少し一線を画していますし、無論、一緒にして見てはいけない映画だとは思いますね笑。って言うかまあ、「ヒーロー映画」としての要素はあまり無いわけでね笑。自分はこれ、世間の評判通り、十分楽しめたし、良い作品だなと思いましたね。「ダークナイト」のようなド迫力アクションは特にありませんけども笑、でも、あのホアキン・フェニックスの狂気染みた笑みのアップを見るなら、大画面をお勧め致します笑。さて、まあこれはどこでも言われていることですが、M・スコセッシ監督の映画の影響が如実に表れていると言う部分。これは大きな特徴だと思いますね。「タクシードライバー」然り、「レイジング・ブル」然り、「キング・オブ・コメディ」然り。まあ、スコセッシ作品常連でありますデ・ニーロが出ている時点で、リスペクトが現れているのかなと言う感じがします。音楽や映像へのこだわりに関しても、この映画の特徴だと思いますが、やはりスコセッシ調だなと笑。あの軽快な音楽や、美しい映像はね笑。まあでも、先ほど挙げたスコセッシの作品はどれも年代的には古いですが、今見てもその演出が古びてないってのは、やっぱりすごい事ですよね。 はっきり言って、純粋にだってカッコいいですもん笑。あと、これは自分の勘違いかもしれませんが、この映画では非常に自分は「階段」が印象的だったんですよね。大分、上り下りするシーンが多い気がしてね笑。後半は特に下りるシーンが多かった気がするんですけども、これは暗に主人公が「堕ちて行く」ことを象徴した演出なんでしょうかね。それとも、たまたまなのか笑。でも、映像的には明らかに印象的に作っていましたし、少なくとも何らかの意図があるはずです。自分はこの映画のまず意図された演出が垣間見えたことが収穫だったと思いますし、まあ確かに、批評筋然り、また賞レースでも賞賛される理由が何となくここにあるような気がします。しかし、この映画は別にアート系作品ってわけじゃないですよね笑。むしろですね、自分はまあ丁寧過ぎる映画だなと思ったくらいです。と言うのも、主人公の妄想の件や、主人公が堕ちて行く過程、またクライマックスの主人公の演説等々、かなりこれらは丁寧な「説明」が組み込まれます。わかり易いように、フラッシュバックが組み込まれ、「はい、これは実は妄想でしたよ」とか「はい、主人公は今こう言うことを考えています」とか、かなり親切な印象笑。つまり、少なくともこの映画はストーリー上、混乱する危険性は無いようにできていると思います。もちろん、それを踏まえた上で、見る側が深読みすることはいくらでも可能でしょうが、あくまで大筋は誰だってこれ見れば理解できる映画でしょう。また、最後は割と自分から言わせれば静かな盛り上がりを見せるなと思いました。今まで使用していたような軽快なBGMが使用されるわけでも無く、そういったファンキーさが意外と影を潜めた印象。まあ、それはそれでどこか神聖な雰囲気もあって、違った見栄えは感じますけどね。 でも、それこそスコセッシならば、バイオレンスシーンであえて軽快な音楽を使用するなどの演出は、大体行われてきていた。それがギャップとなって、暴力性、あるいはそこに美学すら感じるって言うか、ちょっと異質な魅力を放つんですよね。でも、そこまでこの映画は踏み込んでないと自分は思います。つまり、この映画は確かにイカれた男が主人公に据えられている映画です。でも、当の映画の作り手たちは、至ってまともな人たちの集まりだと思いますね笑。それが、良いとか悪いとかじゃなくて笑。これだけストーリーがわかり易くて、演出においても、まあはっきり言って過剰な冒険はしていない。そう言う意味じゃ、かなりオーソドックスに観客に映画を提供してくれているスタンスです。好みを言えば、できれば作り手自身もまた良い意味「狂って」映画を作ってほしかったですけども笑。例えば、「時計じかけのオレンジ」という映画が過去にありますけども、あれもまた犯罪者が主人公でありまして、やっぱり狂ったお話なわけですね。でも、はっきり言いますが、監督であるキューブリックもなかなかの変人であることは有名笑。その極端過ぎるほどの映像美へのこだわり等々、それは今や逸話となっていますけども。そして「時計じかけ~」に関してはもちろん映画史的にも評価されていますが、やはり、「カルト的」人気が未だにある。でも、映画評論家とかじゃない限り、詳細に語るのは素人にとっては難しいタイプの映画でもあると思いますね笑。つまりは、「時計じかけ~」は、そういう意味じゃ大分尖っている映画。しかし、この「ジョーカー」は、「映画」として意外なほど、万人にわかるように映画が作られているような気がします。ですから、まあ、人が意外と入っているって言うのもわかる気がしますね。「わかる人にしかわからない」っていう映画じゃないですから。話の好き嫌いは置いておいても、少なくともストーリーは先ほど述べたように、皆理解できると思いますからね。 その辺の所謂「尖り具合」って言うか、まあぶっちゃけそれも自分は期待してたんですが、それは割と穏やかに済ませた印象であります笑。さて、まあ、この「ジョーカー」になっていくアーサーと言う主人公は、もう悲劇が雪崩のように舞い込んでくるって言うか、発覚するわけですね。これはまあ、誰だって見てれば「可哀想だな」って同情すると思うんですよ。でも、そもそもこの大量の悲劇的現実に直面して、ある地点からアーサー自身がそれを「喜劇」だと思うようになっていく。これがですね、まあこの映画の場合は犯罪に走ってしまうわけで、決して褒められた決断じゃないわけですけども、でも、はっきり言ってそうなるともう「無敵」であります笑。それこそ、一般人にこれを置き換えれば、例えば会社で仕事に失敗したとか、恋人にフラれてしまったとか、まあ嫌なことも色々あることでしょう。それに直面して大体の人は落ち込んだりすると思うんですけども、それを「笑い飛ばす」力ってのがあると、それはもう生きていく上での強みじゃないですか。「まあ、こんなもんだ~」ってな具合に笑。それくらいまあ、楽観的って言うんですかね、それは生命力だと思うんですね。だからですね、この映画を見ると、何度も言いますが「良い子は真似しちゃダメ!」っていう映画ですよ?笑。でも、見終わった後、何故か勇気が湧いたり、元気が出たり、そういった感覚になる人がきっと多いと思うんです。でも、それはたぶんですけど、あんまり大きい声じゃ言えないですよね笑。「ジョーカー」に勇気づけてもらった、なんて言うと、下手したら引いちゃう人もいるかもしれないから笑。ただ、これが普遍的事実であることもまた、現実だと自分は思いますね。そこが面白いんじゃないですかね、この映画は。犯罪映画なんだけども、ある意味立派なサクセスストーリーでもあるって言うかね。カタルシスはしっかりある。また、そもそもこの映画の監督であるトッド・フィリップスさんって方は、「ハング・オーバー~」シリーズなどを手掛けておりまして、言わばコメディ映画の監督だった人。そんな人がギャグを逆手に取ったダーク演出を見せるのは面白いし、なかなかこの映画を監督する人としては適任だったことと思います。 まあ、この映画の批評をたまに見ますと、やっぱり今の「ヘイト」の社会を反映しているとか、トランプ政権批判であるとか、色々見受けられます。無論、まあそういった見方もできると思いますし、作り手もおそらくその辺のテーマも含めてこの映画を作っているとは思います。ただ、ある意味そこまで難しく考えずとも、単純にまずそのルックとして面白いって言うのはあると思います。やっぱり、異質と言えば異質なので。裏テーマ云々って言うよりも、表面上でわかり易く、「良い映画見たかもなぁ」と思えるのはでかいのかなと。ですから、この映画はコア層からライト層まで、幅広く支持される理由もわかりますね。おすすめ度☆☆☆☆☆
- 21Oct
中村俊輔式 サッカー観戦術
著者:中村俊輔内容:戦術、個人技、セットプレーまで日本サッカー界の至宝が徹底解説。(「BOOK」データベースより) 中村俊輔って言っても、もしかしたら、今の若い方とかは、あまり馴染みが無いかもしれない笑。本田、香川とかのが有名でピンとくるかもしれませんね笑。自分は中村選手が結構好きだし、割とたぶん世代だと思うんですよね笑。セルティック在籍時に、CLにてマンU相手に二度もFKを決めた、あの伝説のシーンは今見ても惚れ惚れするし、興奮します。さて、この選手は未だJリーグにて現役ですけども、たまにこういったサッカー関連の本を書いています。何作か自分は好きで読んでるんですけど、今回はこちらの本を手に取ってみました。かなりわかり易い本だったと思います笑。でも、逆に言えばサッカー玄人の方々からすると、「何を当たり前のことを…」とまあ、思うかもしれません笑。だから、これはサッカー観戦初心者の方にはお勧め、って形の本だと思いますね笑。まあ、ちなみに自分も別に玄人じゃありません笑。流れでサッカーを見ていてわからないことも多々ありますので、その解説本としては、自分はまあスルスルこれ読めたんですけどね笑。既に詳しいって人がこれを読んでも、まあ物足りなさはあるかもしれませんね笑。攻撃論や守備論に関しては、意外と知らないことが書かれていて自分は面白かったですよ。ぶっちゃけ、TV中継には必ず解説者とかいますけども、それだけ見てたり聞いたりしてるだけじゃ、イマイチわからないこともまあありますからね。 例えば、単純に見えるけど実は細やかな駆け引きがピッチの中で、常に起こっているとか。それもまあ、何て言うのか、やっぱり試合を遠目で見ているだけじゃわからないと思いますね。実際に解説してもらわないと笑。その辺、詳しく(わかり易いです)書いてくれますと、逆に言えば、今まで「強い」と思っていたり、評価されていたチームが、如何に「強い」のかとか、どれだけ「凄い」のか、って言うのが何となくわかってくると思います。中村選手が好きなチームがバルセロナということなんですけども、ペップが率いていた頃のバルサが、如何に奇跡的に強いチームだったのかって言うのが、やっぱり何となくはっきりしてくると思うんですね。まあもちろん、これも何度も言いますように、もっと関連本を読んだりすれば、さらに玄人向けに細かなシステムの解説等々があって、そっちの方がより詳細だとは思うんですよ笑。でも、これはあくまで初心者向けなので、まあ「何となく」わかってもらえればって言うか、言葉は悪いかもしれませんが、「表面上」わかればそれでOKっていう具合だと思うんですね。ただ、一つ言えるのは、「じゃあ、どこにこの本の魅力が?」っていう疑問がちょっとあると思うんですけど、それはやっぱり、現役の選手が書いているってことだと思うんですよね。既に一線を退いた選手では無くて、未だリアルタイムでその勝負の世界で戦っている人が書いているからこそ、どれだけわかり易い内容だろうと、少なくとも説得力や臨場感はあると思うんですね。 既に中村選手は40歳でしたか。となると、まあ普通で考えると現役生活もそう長くないと思うんです。彼の中ではでも、いずれは指導者にっていうビジョンが前々からあって、そのビジョンとしてこの本を語ってる部分もありましたね。だから、それもまあファンからすると面白いなと。まあ、現役の頃からインタビューなんかでは、割と監督目線みたいな所もある人でしたから、その素質はあるんじゃないですかね。本の中でも、「いつか監督になったら~」って記述もありますので、その展望は間違いないと思います。まあまあ、「初心者向け」とは書きましたけども、しかし、自分は何事も「突き詰める」ことで、物事はより深くなると思っています。好きなことはとことんのめり込んだ方が良いと思うし、それを元にして色々なことを吸収すべきだと思いますね。それこそ、まあこうやって「サッカー」に限らずですがスポーツをガチで見るんであれば、じゃあどう見たらいいのかとか、やっぱりその辺は着手すべきだと、個人的には思うんですよ笑。どうせ、テキトーに見ているくらいなら笑。そうしないと、物事って基本的に派生して行かないんですよね。ずっと「ニワカ」でもまあ楽かもしれませんが笑、それだとあんまり実にはならないって言うか笑。この本、何度も何度も言いますが、大分簡単な本だと思います笑。読み易い上に、やっぱりそれほど専門的だとも思わない。玄人の方が読む必要は無いでしょうが、導入としては良いと思うんですよね。ましてや現役の人が書いているんですから。何事もその、ディテールや細部を知ることで深くなっていくはずです。知らないよりは、まあ知っている方がちょっと得って言うか笑。そのスタートとしては大分、手に取り易い本だと思いましたね。おすすめ度☆☆☆
- 19Oct
ノースライト
著者:横山秀夫内容:一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。施主の一家も、新しい自宅を前に、あんなに喜んでいたのに…。Y邸は無人だった。そこに越してきたはずの家族の姿はなく、電話機以外に家具もない。ただ一つ、浅間山を望むように置かれた「タウトの椅子」を除けば…。このY邸でいったい何が起きたのか?(「BOOK」データベースより) 横山秀夫さんの最新小説であります。自分はこの作家さんの本は全般好きです。「クライマーズ・ハイ」「出口のない海」「64」等々、まあどれも小説は読みごたえがありました。また、どれも映像化されている本が多いですね。もしかしたら、この新作もいつかは映像化されるかもしれません。警察小説やミステリー小説が多い印象ですが、この小説は一応「ミステリー」として売られてはいましたけども、そう単純に、ワンジャンルで限って語れる作品では無いなと思いましたね。まあ、横山作品には全般通して言える傾向だと思いますけども。まず、圧巻だなと思ったのは小説全体の構成力の見事さ。と言うのも、あらすじには主人公のクライアントが失踪したという、まず大前提となるミステリー要素が発端となるわけですが、それから主人公らが手掛けるコンペの行方や、主人公の元家族との関係、そして「タウト」という実在のデザイナーの要素など、多岐に渡って要素が連発される作品になっています。一見しますと、はっきり言ってそう事件自体に全てが関わってくるようには見えないわけですが、実際は精神的にそれら全ての要素が繋がってくる。つまり、無駄が無いってことが言えますよね。全ての要素に必要性がある。しかも、それだけまあ細かな要素、所謂ディテールが積み重なる為に、やはり主人公ら登場人物の心情の持って行き方が、実に自然に描写されていると思います。無理のある話には見えないという効果があると思いましたね。 ですから、例えば先ほど書きました、ある一家の失踪。この一つの事件からドラマがどんどん繰り広げられていく。物語の派生の仕方が自然だと思うし、俄然興味が湧いてくるシステムになっていますね。まあ、「ミステリー」としてもその辺の持って行き方は誠に秀逸だと思いますし、「ミステリー」に限らず、物語として面白味のある、深みのある出来栄えになっているんじゃないでしょうか。例えば細かく言いますと、何度も言いますがクライアント一家の失踪が気になる主人公ですけども、それにはまあ、自分が誠心誠意込めて作った家の一家が消えるっていう、そのショックも同時にありますが、ただ、とは言えそこまで気になるか?って言うね笑。彼は別に警察とかじゃないですし、結構時間かけてまで調べようという、その行動に必然性が欲しい所。でも、裏には主人公に離婚の過去があったり、あるいは彼の幼少の頃の家族との思い出など、バックボーンが細かく構築されていることで、主人公の行動原理に説得力が生じるんだと思います。つまり、主人公自身がこの事件に関わらなくちゃいけない、と言う必然性が生まれてくるわけですね。より真実味が増すと思います。これは横山作品全てに共通した作りだと思いますね。かなり登場人物のバックボーンに関しては綿密に描写するし、決め事がしっかりありますね。やはり「人間描写」、って言うここに尽きると思います。語弊はあるかもしれませんが、少なくとも、「何か迫力ある小説だ」とか「何となく凄い小説かも…」ってなくらい、思わせる出来だと思いますね、この辺が笑。ですから、今後読む人も、別にその「ミステリー」だと思って読む必要も無くて、逆に言えば、これはホーム小説でもあるかもしれないし、恋愛小説でもあるかもしれないしってな具合に、読んだ人それぞれにとって、刺さる部分が違うような作品だと思いますよ。 それと、この小説をお勧めしたい理由には、この小説が非常に「知性」を感じる小説であると言うことですかね。読んでいて、まず頭が良くなった気分になるんですよ笑。結構それって自分は大事なのかなって思いますね笑。正直自分ごときが知っていることしか書いてない小説だったら、まあぶっちゃけ、物足りないですよね笑。やっぱり、何かしら本を読んだり、映画を見たりって言うのは、その知的好奇心が多少なりともあるからだと思うし、そこも期待したいじゃないですか。あまりにも難解だとちょっとお手上げになることもありますけど笑。例えばこの小説では、政治であったり、建築学や建築史等々、ある種の専門知識みたいなのが豊富に出てくる作品です。まあ、もちろんそれらに携わる人間であれば当たり前のことであったり、あるいは現実とは違う解釈や描写もあるかもしれませんが、無知な自分からすると、それもまた説得力なんですよね。その辺が曖昧には記されて無くて。これらの要素が、より作品を重厚にしていると思いましたね。結局、一言でまとめると、これらは作品における「リアリティ」に関わってくる部分。例えば、この小説の根本、裏にある問題点として、必ずそれは「バブル崩壊」という、実際の日本社会の負の歴史があって。これは社会性の要素でありますが、裏側というか根底に「現実」がきっちりと配置されていることで、この物語が、やっぱり単なる「嘘話」では終わらない、そういう小説なんだと思うんですね。だからこそ、まあ熱中して読める要素だと思うんですね。結構ですね、その辺の周到さって言うのが、まあ自分はやっぱり映画化とかには向いているんだと思うんですよ。特に、小説内では親友の死という展開があるんですけども、これ自殺か事故か、って言うのは、はっきりと明確にはならない。また、序盤で書きましたコンペの行方って言うのも、結果どうなるかは明確にはされていません。ただ、ある種自分はこういう「みなまで語らず」がまた、映像的だなと思うんです笑。 まあ、中には「尻切れトンボかよ」って思う方もいるかもしれません。でも、自分はそもそも、主人公がこれ如何に立ち上がるか、が話の中心でありまして、正直その結果、彼がどういった実績や成果を手にするかってのは、どうだっていい事だと思うんですね。それはあくまで「結果」であって、でもそこにはドラマは無いんですよ。もちろんまあ、それでハッピーエンドだろうと、そうじゃ無かろうと、読む側にとっては欲しい所と言う気持ちも理解できなくはありませんが、ただ、仮にどういった結果であっても、主人公らは少なくとも後悔はしないって言う。また、どういった結果であっても、後退はしていなくて、あくまで前進しているわけで、物語としての役割はもうそこで終了していると思います。むしろ自分はそれこそが「リアル」でもあると思います。実際には存在しない人物の正に「今後」を、読者が脳内で勝手に想像するって言う、この作りが秀逸だと思うんですよね。おすすめ度☆☆☆☆☆
- 17Oct
W杯二次予選タジキスタン戦(A):「収穫」とは?
タジキスタンVS日本 0-3 得点者:南野、南野、浅野 最近更新を怠っていました笑。サッカーも映画も、読書もそれなりに続けています笑。さて、W杯二次予選、アウェーにてタジキスタンと対戦した日本。ここまで予選で連勝していたタジキスタンということで、まあ何か大一番的な報道もありましたけども、まあ、予想通りに日本はしっかり勝利を収めましたね。まあ、あんまり心配はしていませんでしたけども。とは言え、まあ思っていた以上にタジキスタンは、しっかり「自分たちのサッカー」ってのを持って戦いを挑んできましたね。常にボールを繋ぐと言うことを意識していましたし、少なくともモンゴル戦よりは、一応ピンチはあったのかなと。権田のファインセーブなんかもありましたしね。まあでも、ここで勝利したことで、まずこの二次予選の突破に関しては概ね決定したことでしょう。南野は相変わらず調子が良いんだなと思わせるプレーぶりでしたね。二点も奪いましたし、まあ確かに可能性を感じる選手だとは思いました。大迫がいなくても、今の彼の調子ならば、何か点が生まれそうな気配はあります。ただ、とは言った物の、モンゴル戦でもミャンマー戦でも書いたんですけど、この成績がじゃあ、次にどう活かせるのか?って言うか、参考になるのかどうか、って言うのがよくわからない笑。 ちょっとまあ毎回毎回書いているのでアレですけども、今回の二次予選の相手は、ぶっちゃけ実力差がある相手ばかりなんですよね。これがまあ、例えば最終予選だったら、そりゃ「ラッキー!」と喜べるかもしれませんけども笑。でも、そうじゃなくて笑。いくらW杯の予選とは言っても、正直、それほど緊張感とか危機感って、少なくとも見ている方は何とも言い難いって言うか笑。盛り上がりづらいって言うか笑。何せまあ、片方じゃラグビーのW杯で日本が快進撃を見せているだけにね笑。どうしてもまあ、今回の相手じゃサッカーで盛り上げるのは難しい笑。でも、消化しなくちゃいけないんですから当然やるわけですけども、このタジキスタン相手にアウェーで三点奪っての快勝。結果は喜ぶべきかもしれませんが、これが、例えば韓国、豪州、イラン等々やはり、アジアの強豪相手になると、そう簡単には行かないってのは、誰でもわかると思います。南野が所属クラブでも結果を出し、ここ最近代表でも連続得点を決めていても、それは今後強い相手と当たった時、その調子を維持できるのか。それとも封殺されてしまうのか。それはわかりかねます。だからこそ、あんまりこの二次予選で連勝したからと言って、本心から喜んだり、ほっとすることはできないってのは、ありますよね。 そういう意味で、自分はまあこれは本番なわけですけども、同時にテストとしても十分意味合いを持った試合だったと思うんです。特にまあモンゴル戦なんて、何度も言いますが、あれだけ点差も付いたわけですからね。例えば、まあ久保なんかは、この試合は確か試合終了の五分前くらいに投入されてましたけど、あれってどうなのかな?ってぶっちゃけ思いますね笑。せっかくわざわざスペインからやってきて、実際出たのはわずか五分笑。これ、まあ守備の選手とかGKとかだったら、出番が少ないってのは仕方ないにしても、攻撃の選手でこれだけ少ないと結構モチベーションに関わる気がします笑。どうせ出す気がそんなに無いなら、わざわざ招集する必要ありますかね。別にここで呼ばなくたって何も「戦力外」ってわけじゃないし、そもそも、久保にしても今やっぱり、所属クラブでどう活躍するかってのが、一番重要なタイミングだと思うんですよね。それなのに、まああまり重圧があるとは思えない、この二次予選でイチイチ帰国して、なおかつプレーする時間があまりに少ないとなると、きついと思いますし、あまり本人の為とは思えません。どうも、これは森保監督の自分は意地悪なような気がするんですけど笑。あるいは、モンゴル戦でも結果を出していた伊藤を使わないとか、どうなのかなって。堂安も別に良いですけど、やっぱり結果を出した選手を本来は使ってあげてこそ、まあそれこそ競争だとか、選手一人一人のモチベーションに繋がると思う。要はそう言うことができるタイミングだったと思うんですね、今回の試合は。まあ、まだ二次予選終わって無いので笑、別に焦る必要は無いかもしれませんが、ある種、森保監督はちょっと慎重すぎるかもしれない笑。結果は出ても、現状、発展が乏しいようには思えます。
- 11Oct
W杯二次予選モンゴル戦:当然の大勝
日本VSモンゴル 6-0 得点者:南野、吉田、長友、永井、遠藤、鎌田 昨日行われました、W杯アジア二次予選のモンゴル戦。前回はミャンマーとアウェーでの対戦でしたけども、今回はモンゴルとホームでの試合。結果はまあ6-0と大勝を収めましたね。正直ですね、自分としては8-0をノルマと勝手に設定して見ていました笑。あまりにもこれは力の差があり過ぎるので、何と言うのか、逆に見ごたえが無いって言うか笑。相手のモンゴルに対しては申し訳ありませんけども。その力の差はやる前からぶっちゃけわかっていましたから、まあ、ほぼ100%「負ける」と言う結果は無いだろうと。まあ、それは前回のミャンマー戦にも言えたと思うのですが、やはり今回はホームですし、大量得点がもはやノルマになってくるのかなとは思いました。6-0で終わっちゃったんで、「あと2点足りなかったなぁ」とそこを嘆きましたね、はい笑。ただまあ、後半は選手も入れ替わるので、ちょっと前半ほどの連携を見せるって言うわけにもいかなかったのかもしれません。しかし、今回は鎌田や遠藤、永井等々、まあ今まで得点と言う結果があまり無かった選手に、スポットライトが当たったのは良かったかもしれませんね。また、右サイドでは堂安に代わって今回は伊藤がスタメンで入りましたが、アシストを記録するなど、まあ結果は出しました。今までチャンスが限られていた選手が、ある意味アピールする場としては、今回は丁度良かったのかもしれません。 まあ、ミャンマー戦では確か2点しか入りませんでしたから、大量得点自体は喜ばしいかもしれません。って言うか、実際その辺くらいしか見所が無いって言う笑。ぶっちゃけ、この試合がじゃあ今後どう活かされるかって言うと、かなり微妙な所があると思います笑。長友など、あれだけSBが常に高い位置にいて攻撃参加が許されるケースも稀でしょうし、まあ、モンゴルのクオリティでなかなか日本に脅威となるようなカウンターを見せることもできなかった。もちろん、日本のプレスが良かったと言う言い方もできるでしょうが、世界基準で考えると、90分間自分たちのペースでできる試合ってのは、ほぼ無いって言うね笑。ですからまあ、そりゃ日本がやりたいことを常にできるって言う、そんな試合にはなりますよ。選手個々人も、色々やりたいことができて楽しい試合になったんじゃないですかね。まあ、負傷してしまった富安はちょっと心配と言うか、まあ不幸なことだと思いますがね。所属クラブのボローニャではしっかり出場していて、なおかつ現地の評価も高かっただけに。森保監督は、まあ東京五輪も見込んで、主力をしっかり招集してきているのかもしれませんが、ぶっちゃけこのモンゴル戦くらい、休ませてあげても良かったかもしれません笑。もちろん、結果論ではありますけども。しかし、ミャンマー戦でも書きましたが、これほど主力が出ないと勝てない相手なのか?って話なんですよね。 まあ、相手を腐すつもりは全くありませんが、でも、今の日本にとってはなかなかその、力を入れて見ることができない相手だとは思うんですね。次はタジキスタンとアウェーで対戦でしたか。まあ、アウェーなので確かに何が起こるかわかりませんが、でも、勝ってもらわないと困るって言うか笑。そもそもタジキスタンの実力をあまり知らない笑。油断は禁物でしょうけども、ただ、あまりにもやっぱり差はあると思います。この予選を突破しないと、まあ最終予選に進めないのですから、まあやるしかないわけですけど、ある意味日本にとってこれほど得の無い試合も珍しいかもしれません笑。何せ、これだけ大量得点で勝ったとしても、まあ「勝って当たり前」と言われるのがオチ。むしろ、自分みたいに「もっと獲れただろ」なんて言われる始末笑。そして、逆に負けでもしたら大変なことになるわけじゃ無いですか笑。ドローもほぼ負けに等しいと思いますし。勝っても喜ばれず、負ければしっかり叩かれるってことで、まあ難しいですね、はい笑。次のタジキスタン戦も、一応真剣試合ですから、森保監督は今回のスタメンと同様の選手をほぼ使ってくるんじゃないでしょうか。相変わらず久保の最年少ゴールも待望されているようですが笑、まあ、それはぶっちゃけどうだっていいんですよ笑。使われるかどうかもわかりませんし笑。まあ、遥々スペインから来たんですから、何とか使ってあげるべきだと、自分は思いますがね笑。まあ、次の試合もちょっと欠伸は我慢できないでしょうが、見ようと思っています笑。
- 10Oct
ジャンパオロ監督解任の余波
先日、今季からミランに就任したジャンパオロ監督が解任されてしまいましたね。あっという間の解任劇でしたけど、なんでも、クラブ史上最低期間での解任だとか笑。ジャンパオロさんにとってはキャリアにおいて不名誉な記録が作られてしまいましたね笑。まあ、結果は確かに褒められたもんじゃなくて、既に敗北数は4敗でしたか。この前の試合は勝利を久々に収めましたけどもね、彼の首を繋ぐきっかけにはならなかったと。自分は一サポーターとして、まあ当然ながらこの出だしの結果には満足いかず、イタリアのもっと熱いサポーターたちが激怒する気持ちも大いにわかりますよ。なかなか、この状況で寛大な気持ちでいろ、と言うのも酷な話だと思いますね笑。この成績は、ぶっちゃけクラブの大小関係なく、やっぱりお怒りは買うわけじゃないですか笑。まあ、解任劇に関してだから、あんまり強く反対も自分はありませんが、ただ、クラブ自体の統一意思みたいな、そういうのはまだ混迷なのかなと思わざるを得ないニュースではあります。ミランが、ビッグクラブとして欧州でも活躍していた時期とは、確かに現在は明らかにかけ離れた状況にはなっている。それは紛れもない事実であって、じゃあそれを踏まえた上で、クラブ側はどうこのクラブを立ち直らせようとしているのか、と言う部分です。これが実に曖昧ではありますね。 そもそも補強資金が存分にあるわけでも無く、そういった中で当面は若手主体でやり繰りしよう、と言うのが現在のミランのスタンスだったと思うんですね。となると、まあぶっちゃけ、そうそう早い段階で目に見える結果が出ないことも、ある程度想定内にしておかなくてはいけません。自分は正直ジャンパオロ監督の知識ってあんまり無いんですけど、彼に若手育成の手腕があったのかどうかはわかりませんが、ただ、おそらくまあ中長期的な考えがあっての招聘だと思うし、まあそうじゃないと矛盾していると思うんですね。もし、すぐさまにでも結果が欲しいなら、やっぱりそれ相応の補強だとか普通は考えなくちゃいけませんが、現実問題それはできないんですから笑。正直な話、現有戦力で、今のインテルやユーベと対等に渡り合い、優勝争いをしていく姿は、お世辞にも想像できないですよね笑。そして、それはぶっちゃけ、誰が監督をやっても大体はその壁にぶち当たると思われます笑。そう言う意味では、ジャンパオロ監督は確かに結果は出せなかったかもしれませんが、ある種、彼もまた被害者と言って良いかもしれませんね。しかし、こういう状態だと、なかなか今度、いくら何でも易々とミランの監督を引き受けてくれるようなお人がいてくれるのかどうか、って話になってくると思いますね笑。おそらく、かなり混迷を極めていると思われますから。 ただ、一応新監督は既に決まって、ピオリ監督という方だそうです。昨季はフィオレンティーナを指揮していたんですね。でも、ぶっちゃけこれと言った実績は自分はあまり知りません笑。何か怖そうな顔だな、ってくらいですかね、印象としては笑。ぶっちゃけ、あんまり期待はできない笑。ただ、例えばここでモウリーニョとかアッレグリとか、フリーの名将がやってきたらそりゃ期待はしてしまうかもしれませんが、それも夢物語であります笑。ですから、やっぱりその超一流からは、少しだけ型落ちしたと言うか、まだ中堅監督くらいを呼べるのが関の山。そうなってくると、もはや「別に誰でも…」って話になってくる笑。あんまり期待感が持てないんですから笑。期待感を持たせるには、もはややっぱり、チーム自体のコンセプトがもうしっかりと定義されること。これにもう尽きる段階だと思いますね。結果が出ないので怒るサポーターの気持ちも重々分かります。しかし、まずは形がしっかりと整わないことには、何だかんだその安定した成績なんてのも望めないのかなと、それもまた現実だと思うんですよね。自分だってまあ見てればそりゃ結果、求めますけど笑。でも、やっぱり時間がかかる。このピオリ監督になって劇的にチームが変わる、なんてことはあまり自分は期待できない。それこそまあ、監督解任は一つのカンフル剤であって、その余波によっての、好成績はもしかしたらあるかもしれませんが、でも、それも一過性の物に過ぎないんじゃないでしょうか。 しかし、今欧州でも随一の攻撃サッカーを見せるリヴァプールにしても、ここまで来るには相当年月をかけています。優勝争いなんて夢のまた夢、と言うような時期もありましたから。また、トッテナムにしても、今は不調ですけども笑、しかし、昨季のCLファイナル進出に関して言っても、やっぱり安定してプレミアの上位をキープできるようになったのも、時間を要していました。つまりまあ、土台があるチームであっても、強化を続けるのは難しい。シティやPSGのように、いきなり巨額の資本が入って大改革、なんてことはまあ無いですから笑。となると、順序を持った強化策が必ずや求められます。ミランもそういう段階ですので、まあ、何とか頑張ってもらいたいですがね。
- 09Oct
IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。
製作年度:2019製作国:アメリカ監督:アンディ・ムスキエティ出演:ビル・スカルスガルド、ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャスティン、ビル・ヘイダー デリーという田舎町に出没し子供たちの命を奪っていた正体不明のペニーワイズ(ビル・スカルスガルド)を、ビルやベバリーらルーザーズ・クラブのメンバーたちが撃退してから27年後。再びデリーで不可解な連続児童失踪事件が起き、クラブのメンバーにデリーへ帰ってくるように促すメッセージが届く。そしてビル(ジェームズ・マカヴォイ)たちは、デリーに集結し久々に顔を合わせる。(シネマトゥデイ) こちら、まだ全国公開はまだなんですが、とある機会がありまして、お先に見て参りました笑。まあ、公開された暁には見に行く予定ではあったんですけどね。前作は割と日本でもヒットした記憶があります。大きなネタバレは避けるつもりですが、もし完全シークレットにして見たい、という方は読まないで下さいませ笑。さて、自分の感想を述べると、率直に言ってまず一作目の方が良かったとは思います笑。ただ、これはもう前後編別れる映画の宿命とも言えるとも思いますね。何せ、前編が当たらないことには後編の価値が下がるわけですから笑。ですからまあ、当然前編には「絶対面白くする!」って言う意気込みがあるべきで。作品として言えば、やっぱり前編の場合は主体が子供たちだったと言うのが大きいと思うんですね。やっぱり、古き良きアドベンチャー映画の匂いが立ち込めていて、純粋にわくわく感があった。冒険心を掻き立てられるような映画だったと思うんですよ。ただ、今回はその主体の子供たちが今度は大人になってからの話なのでね。結局の所、まあ、大体がほぼ「ネタバレ」した状態での映画が、今回の後編なわけじゃ無いですか笑。つまり、当然ながら既視感は強いですよね。一作目ほどのワクワク感は正直期待できないって言う。「知ってるよ」って言うね笑。何だかんだ、未知の状態が一番楽しいし、それこそ前編の子供たちにとっても未知の恐怖体験なわけだから、新鮮な怖さを感じていると思いますし笑。案外、後編は何が来るかわかっている分、ある意味「慣れちゃってる」感じは登場人物らも、そして観客も一緒にあると思います。 まあでも、それは正直しょうがないですわね。二作作る時点で、それはもう避けて通れない感情ですから。ちなみに、実はこの後編は約三時間ほどあると言う大長編なんですよ笑。ですから、見る前はトイレに行くのはお勧めします笑。しかし、ホラー映画と言うジャンルにおいてこの長さは異例だなと思ったんですけど、長くなった理由は色々あると思います。でも一番の要因はやっぱり、この後編でも主人公らの子供時代も同時に描いている点だと思われます。子供時代のカットバックなんかが結構挟まる構成なんですね。まあ、唐突に子供時代の回想に入ったりする演出に関しては、瞬間的に思い出す、という主人公らの体感を演出していると思うので、それはリアルで良い見せ方だと思うんですけどね。ただ、悪く捉えますと、まるで「巨人の星」の演出のような感じも若干します笑。要するに、本来なら一瞬で終わる出来事が、結構長く引き伸ばされているように感じることもあると笑。一球投げるのに、二話分使うとかね笑。回想が時折挟まると、まあそれがドラマを描く上で大事だと言うのはわかりますが、少し邪魔臭く感じるのも、否めないとは思います。まあ、とは言え極端にだるいとまでは思いませんでしたが。大体、後半になってくるとパニック描写の応酬なので、あんまり時間を気にせず見れると思うのでね笑。それとですね、この映画はまあ「ホラー映画」として紹介されることになると思いますが、自分は「ダークファンタジー」だなと思うんですね。要はですね、この映画にて描かれるホラー描写って言うのは、基本的にはあまりにあり得ない描写なわけですよ笑。 まあ、ほぼモンスターが襲ってくる感覚に近い笑。でも、例えば「Jホラー」とかであれば、貞子みたいなのが襲ってくる例は無いでしょうが笑、ちょっと違和感程度の恐怖感ってのはあると思うんです。それが、言わば映画が見終わった後もちょっと余韻として残る怖さだと思うんですね。この「IT~」に関してはそれは無いって言う。まあはっきり言って、「怪獣映画」に近いのかなと笑。まあ、前編に関してはでも怖がらせ方は割とバリエーションがあった気がしますね。でも、それもやっぱり「既視感」のせいなのか、今回はそこまで新鮮味は無かった。インパクト重視なのかなと。唯一良いなと思えたのは、ジェシカ・チャスティンがある老婆の家を訪ねるシークエンスですかね。ここは、薄気味悪いオーラをずっと保ってくれていて、なかなか「ホラー」のシークエンスとしては秀逸だったと思うんですね。「何か、後ろで動いてますけど…?」みたいな笑。「これ見よがし」な演出じゃなくて、「さりげない」のが怖いって言う。正直、いきなり「わっ!」みたいな怖さも良いんですけど、もっと色々バリエーションがあると、見栄えはもう少しあったんじゃないかなと思うんですよね笑。そう言った点も含めて、「ホラー」として、何かこう斬新さがあるかって言うと、そこまででもない気がしますよ。そう言う意味でも「ダークファンタジー」なのかなと。しいて言うなら、過去のホラー映画などのオマージュに見えるシーンが見られるのは、マニアからしたら嬉しいかもしれませんね。「遊星からの物体X」や「シャイニング」等々。まあ、若干ツウな見方になってくるのかもしれませんが笑。「怖がらせる」って言うのも当然前提としてあるんですけど、結構この映画は語りたいテーマがしっかり存在するんですよね。だからこその、長尺だとも思うんですけど笑。主人公らは27年ぶりに故郷へ帰ってくるわけですけども、それは忘れていた過去を清算する為でもあります。早い話、「IT」の正体ってのは、彼らそれぞれの中にある、過去のトラウマなわけですよね。 さっき書いたことと矛盾するかもしれませんが、この映画が「ホラー」とまだ呼べる所以って言うのは、自分はそこにこそあると思っています。と言うのは、「IT」の存在自体は、確かに現実じゃあり得ないわけですよね。あんな幻を見せるピエロが本当にはいないわけです笑。でも、この「IT」のメタファーとなるのは、主人公らの中にある根源的な「恐怖心」や、もっと言えば、「罪悪感」、あるいは「後悔心」なわけですね。これは、やっぱり大概の人は、記憶に蓋をして、言わば「無かったこと」にするのが一番早い逃れ策だと思うんです笑。要はそういう感覚は、まあ、その程度の差こそあれ、誰しもが持つ感情だと思います。嫌な思い出とか、トラウマとか。もちろん、タイムスリップしてやり直すことはできないわけですから。この気持ち自体が、お化けとなって出てきているのだから、それはまあ怖いでしょう、って言う話ですね。何故なら、自分の身に置き換えることができるからですね。これが「ホラー」である所以ですね。現実じゃあり得ない恐怖描写じゃないわけです。実際に皆が持つ恐怖心がホラーとして見せられている。だからまあ、主人公らが命がけで戦うことに、カタルシスが生まれるっていう、まあそういう構造ですよね。そして、まあ大人になるってことはやっぱり「痛い」ってことを、教えてくれる映画じゃないでしょうか笑。序盤で「子供時代のワクワク感が~」とは書きましたが、確かのこの後編に関してはそれはあまり感じられない。でも、案外それもまたリアルかもしれません笑。大人になったら、そうそう「ワクワク」なんて日常無いですもん笑。むしろ、面倒臭い事や嫌な事の方が多い笑。しかし、それを片付けて行かなくちゃいけないってのは、現実としてある大人の役目ですわね笑。ただはしゃいでるだけじゃ、終われないんですよね。必ず、成長する時ってのは、「傷」を伴います。でも、それを逃げることはできない。とは言え、その「傷」もやがては癒えるはず。自分と戦い抜けば、の話なんですね。この映画のラストで、「傷」が消えることは、端的にそれを象徴していると思われます。 前作を見て気に入った人は、まあこの映画が公開された暁には、見ないわけにはいかないと思うんですね。前作は当然ながら尻切れトンボで終わっていますから。でも、この映画を見た後、また前作を見直すと、違った見方ができるような、まあそういった作りにはなっていると思いますね。特にゲイの件に関しては、自分は良いなと思いましたよ。少なくともこれ説教臭さみたいなのは無いのでね。みなまで語らない所はセンスを感じます。長い映画ですが、見て損するような映画では無いでしょう。おすすめ度☆☆☆☆
- 08Oct
手のひらの京
著者:綿矢りさ内容:京都に生まれ育った奥沢家の三姉妹。長女の綾香はのんびり屋だが、結婚に焦りを感じるお年頃。負けず嫌いの次女、羽依は、入社したばかりの会社で恋愛ざたといけず撃退に忙しい。そして大学院に通う三女の凛は、家族には内緒で新天地を夢見ていた。春の柔らかな空、祇園祭の宵、大文字焼きの経の声、紅葉の山々、夜の嵐山に降る雪。三姉妹の揺れる思いを、京の四季が包みこむ、愛おしい物語。(「BOOK」データベースより) 綿谷りささんの小説を読みました。こちらは凄く自分は気に入りましたね。そんなに厚くないですし、読み易い本だと思いますね。まず、京都が舞台なんですけど、風情が何とも良いなと笑。まあ、ちょっとこれは偏見があるかもしれませんが、美しさと息苦しさの狭間みたいなのが描かれているのが今作なのですが、その雰囲気と舞台が妙にマッチングするんですかね笑。でも、「京都」だけが息苦しい、というわけじゃなくて、所謂「故郷」であるが故の息苦しさって言うことだと思うんですよ。生まれ育った町は好きなんだけども、でも、閉鎖的にも感じられるって言うね。これはもう、「田舎あるある」だと思うんですよね。普遍的な物だと思うんです。まあ、一見すると実に穏やかな小説にも感じられますが、しかし、どこかに「狂気」と言うと物騒でしょうが、そういった雰囲気もある話で。それが舞台設定がたぶん良いおかげで、結構すんなり自分の中にこの物語が入ってきたんですよね。それぞれ悩みを持つ三姉妹描かれる今作。婚期を気にする長女と、恋愛や仕事に滑降する次女、そして状況を夢見る三女。この三人のお話になっていますね。悩み方がどれも等身大だと思うし、普遍的だと思うんですけども、個人的には特に三女の気持ちには共感しましたね。 故郷の見えない圧迫感に苛まれていて。それで、自分は良いなと思った描写があって、彼女が祖母に会いに行く展開があるんですけども、そこでコアラのマスコットみたいなのを貰うんですよね。でも、何か昔流行った物らしくて、正直三女的にはいらない笑。でも、おばあちゃんから貰ったわけだから、大切に頂く。正直このコアラのマスコットはこの展開以降、特に出てくることは無いんですけども、ちょっとその嬉しいようないらないようなっていう感覚がリアルだし、三女の中にある「迷い」みたいな物を象徴するアイテムだなと思ったんですよね。「嬉しいような、いらないような」は同時にこの優しい京都が好き、だけど、違う世界も見たいって言う。矛盾した気持ちに揺れ動ている様が具体的に表されているようにも思えて、凄く印象に残っています。こういう何か微妙な匙加減にどうしてもなると思いますね、リアルを追求した場合。だって、現実問題、そうそう白黒はっきりできることなんて無いわけだし笑。ただ、三女は「このままで良いのか?」っていう漠然とした気持ちを持っている。まあ、これは長女も次女も同様なんですけど。自分はそれは健全な悩みだと思うんですよ。現状に疑問を持ちながら生きていくって言うのは。まあ、確かに非常に疲れることだとは思うんですけど、でも、それが無いと基本成長って無いような気がして。 まあ、ほとんど考えてみれば辛い事の方が多いかもしれませんよね笑。一つの事柄を選択すれば、必ずどちらかは捨てなくちゃいけないって言う、言わば選択の瞬間って必ずあるわけですから。ただ、何て言うかこう「これ!」って言う答えがあるわけじゃないので、それを文章できっちり表現するのは実に難しい笑。別にこれ哲学書じゃないので笑。ただ、恋愛関係であるとか、人間関係の機微みたいな物が、非常にユーモアラスな加減と、そして狂気の加減にて絶妙の備わって描かれているのがこの作品かなと思うんですよ。冷静な人間分析が行き届いている作品じゃないですかね。人生まあ、様々な選択とそして結果が付きものでありまして、実質それのまあ繰り返しだと思うんですね。それでこの小説で自分が何よりいいなと思ったのは、あんまりその「失敗」とか「成功」ってことにおいて、重要視してないって言う部分ですかね。要するに、じゃあ例えば、「何でお前はそっちを選んだんだ!」って第三者がその選択に対して批判をするかもしれない。でも、当の本人からしたら、それは失敗では無いかもしれない。仮に失敗だったとしても、それがネガティブな物にはならないニュアンスと言いましょうか。それが、唯一の希望だと思うんですよ。この小説の最後で、まあ三女は上京するんですけども、その後に父親ががんであることが発覚するんですね。そこで彼女は「ああ、自分もやっぱり家にいればよかったのかな」とか、電話口で賑やかな実家の声を聞いて、「楽しそうだな」とか、凄く寂しさとか後悔とか多少は湧いてくるわけです。この辺が実にリアル。結局「不安」は必ず付いて回るって言うこと。でも、その「不安」を抱いているのは、自分だけじゃないことは確かでね。皆、それは抱えたまま、でも、どこかで決断して生きているって言う。 もし、その父ががんになったことがわかったことで、この小説をバッドエンディングだと思うなら、それは明らかに間違っていると思います。むしろ、完全フィクションじゃない温かみが味わえる物だと思うんです。まるで、その三姉妹が本当に生きているかのように。それって、心強いじゃないですか。自分と一緒にまあ、悩んでくれるって言うかね。現実世界も基本的にはそういう風に構成されていてほしいんですけども。自分はこの小説は大変気に入りましたね。おすすめ度☆☆☆☆☆
- 04Oct
GL第2節②:目覚めるバルセロナ
バルセロナVSインテル 2-1 得点者:マルティネス、スアレス、スアレス 19-20CLのGL第2節、もう一つ観戦したカードはこちらです。インテルが早々に先制点を奪った展開には驚きました。前半少なくともインテルは上手い事カウンターを嵌めていたと思います。しかし、後半バルセロナが息を吹き返したように、活き活きとサッカーをし始めた。ほとんどインテルは手も足も出ない形になってしまいましたがね。結果、ホームのバルサが逆転勝利。前半には、術中通りだったはずのインテルが、何故にこれほどまでに後半、相手に押し込まれてしまったのか。まず、バルベルデ監督の采配が当たりましたかね。後半、ブスケッツに代えてビダルを投入したことで、俄然バルサの攻撃は強固になりました。攻撃に迫力が出てきたと言えば良いんですかね。ビダルのボール奪取力と、攻撃への推進力が、メッシを救ったと言っても過言じゃありません。前半、メッシの攻撃への負担があまりにも大きかったですが、ビダルがそれを引き受けてくれるおかげで、メッシの負担は軽減されました。メッシの負担が軽減されると言うことは、同時にパートナーでもあるスアレスもまた、強さを発揮するシステムでしょうかね。しかし、こうもスタイルが激変するのか、とちょっと驚いちゃいました笑。まあ、やられたインテルが一番悔しいでしょうが笑。 自分はこのグループの第1節になる、ドルトムントVSバルセロナも観戦したんですけど、その際のバルサを見た時は、強かった時代のバルサは消えたんだと思ったんです。ボール回しにしても持たされているだけに見えたし、バルサにしては攻撃が単調に見えた。逆にドルトムントのカウンターは冴え渡りますし、付け入る隙が十分にあるチームに成り下がってしまったなと、正直思ったんですね。しかし、今回のバルサは強かった時代を彷彿させるような出来でしたね。特に後半ですけど。相手にボールを奪われれば、すぐさま取り返してまた攻撃に繋げる。徹底的にボールを回して、相手にボールを渡さない。「らしさ」は明らかに出ていたと思います。バルベルデ監督の采配が的中したことで、結局の所、メッシが気持ちよくプレーできる環境が生まれた。やっぱり、バルセロナはこの男の出来如何で、チームのスタイルまでもが変わることが、ある意味これは証明されたんだと思います。負傷明けということでしたけども、それでもあの動きを見る限りでは、大きな影響は全く無さそう笑。メッシが輝くことで、彼だけが輝くのではなく、むしろ周りの選手たちも活き活きとし始めると言うことで、何だか恐ろしいなと思いました笑。スアレスの2ゴールはどれも見事な形でね。ちょっと複雑なのは後半に下がったグリーズマンくらいでしょうかね笑。 まあ、こういった試合を安定して見せることができれば、そう先を不安視する必要も無いような気はします。ただ、やっぱり何だかんだ、結局は「メッシ次第」笑。それに変わりはありません。長いシーズン、またメッシが欠場することもあるかもしれない。そうなると、逆に言えば、あれだけパフォーマンスに差があるってのは、ちょっと気の毒な状況かもしれません。まあ、非常に紙一重だと思います。メッシがいれば百人力ですし、メッシがいなければ魂を奪われたようになる笑。何度も言うようですが、本当に彼次第ではありますね笑。その依存が高ければ高いほど、凶と出るか吉と出るか、ちょっと読めない部分はあります。いずれにしても、この試合でちょっと答えが出たような感じはありました笑。ただ、負けたインテルも弱かったわけじゃ無いと思いますね。むしろ自分は誇らしかったですけどね。特に前半は対等にあのバルサと戦っていたわけで、まだセリエの面目は潰れてないのかなと思いますよ。セリエも長らくユーべだけの時代が続いていますけどもね、それに追随してインテルもまた復活の兆しを見せてほしいですが、グループは実際厳しいんですよね笑。何だか、まあある意味、今回のインテルが、バルセロナを目覚めさせてしまった感じ、ありますね笑。
- 03Oct
GL第2節①:トッテナム崩壊
トッテナムVSバイエルン 2-7 得点者:ソン・フンミン、キミッヒ、レヴァンドフスキ、ニャブリ、ニャブリ、ケイン(PK)、ニャブリ、レヴァンドフスキ、ニャブリ 今季CLのGL第2節が始まりましたけども、まずはこちらの試合を観戦。ホームのトッテナムの大敗ぶりには、さすがに同情しますね笑。可哀想過ぎる笑。正直な話、まあ、まさかここまでの試合になるとは想像していませんでしたね。バイエルンもさすがドイツのクラブって感じですかね。あの、ブラジルW杯にて、ドイツがブラジルを7-1で破った試合を思い出しました笑。もう容赦ないですもんね笑。そしてまた、こういう展開になると、面白いくらい点が入るんですよ笑。バイエルンサポーターからすれば最高の試合で、トッテナムサポーターからすれば苛立ちやら悔しさやらが入り混じる、まあ最低の体験だったことでしょう。一応先制点を奪ったのはホームのトッテナムだったんですよね。別にそこまでは悪いシーンなんてそれほどありませんでしたし、むしろこれで乗ってくるのかな?ってのはありましたけど。でも、割と早々に同点弾を決められてしまって。思い返せば、その点を相手に奪われるタイミングが、ことごとく何て言うか、結構メンタルに来るタイミングって言うか笑。バイエルンの二点目はレヴァンドフスキがWクラスのターンからのシュートでしたけども、あれも前半終了間際の得点でした。 本来であればやっぱりスパーズからすれば、先制したなら長い時間、リードを守っていたいだろうし、同点にされたなら同点の状態で前半は折り返したい。でも、その気持ちのプランみたいなのを、バイエルンがことごとく打ち崩していった感じはありました。逆に言えばバイエルンは、相手の心を折って行くようなサッカーができたんだろうなと思います。まあ、それと単純にスパーズはミスから奪われる点もありましたからね。自陣でのパスミスを奪われてとか。それはもう、やってる方も見ている方も、「ここからだ!」っていう空気に水を差しますよ。結局の所、何かその辺のちぐはぐさって言うのか、見えない不調って言うのか、スパーズを覆っている雲は思っている異常に分厚いのかなと思わざるを得ません。結果的には、どうしても点を獲らなくちゃいけないっていう展開になってから、バイエルンのカウンターが炸裂する始末。ニャブリのスピードとシュートセンスは圧巻でしたね。これだけもう点が入れば、正直攻撃陣なんて余裕を持って、何なら楽しんでプレーができる。そうなると、もうレヴァンドフスキ然り、ニャブリ然り、止める手立ては無いのかなと笑。ロッベンやリベリーが抜けて、一時代が終わった感じもあったバイエルンですけど、割とバランスが良いチームにはなっているのかもしれませんね。 やっぱり、心配なのはスパーズですね。何て言ったって、一応、昨季のCLファイナリストですからね。それがまあ、どうしたことか笑。プレミアリーグでもちょっと不調であるのは事実でありまして、ポチェッティーノの進退も少し騒がれている模様です。今回の大敗で、ますますその報道は過熱するんじゃないでしょうかね。ポチェッティーノがスパーズの監督に就いて結構経つと思いますが、その長期の戦略が功を奏して、今のスパーズがあると思います。プレミアの「ビッグ6」として数えられて、まあ、実際ここ数年は宿敵であるアーセナルより上の順位で終わっている。アーセナルよりは、明らかにまあ良い成績と結果を残しているわけですね。先ほども書きましたが、CLファイナルまで進むってのは、そうそう簡単にできることじゃありませんし。やはり、ある程度チームコンセプトが固まって、そして、選手たちも「これで大丈夫だ」と言う一つの自信があって。信頼感もどんどん芽生えてきてね。非常に良い具合だったと、自分は思っていたんですけども。まあ、ファンは皆そう思っていたんじゃないでしょうか笑。でも、蓋を開けると、何か暗雲立ち込めている。結果が出ない所か、この試合のように、プライドまで折られるような試合をしてしまうと、選手たちのせっかく積み上げた自信も簡単に崩れ去るでしょう。今度は「長期政権」が故のマンネリみたいなのが、もしかしたらチームにあるんでしょうかね。いつも通りやっているように見えて結果が出ない。非常に悩ましい状態に突入してしまっているようです。



















