カツミ9700のレストア その50:真空ブレーキホースの検討 | 鉄道省半田鉄道局

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1/80鉄道模型(Jゲージ)工作記事を中心に、鉄道と身の回りの出来事を書いてゆきます。
​(平成26年11月8日Yahooで開設、令和元年6月22日こちらに移転しました)

9700形のカウキャッチャータイプの真空ブレーキホースは、9750形キットの中にロストパーツを発見。これを取り付けるだけになりました。一方、自連タイプの方は、時代も下ってくるので、ブレーキ管がスタンド式に立ち上がったものではなく、端梁にクルンと丸めるタイプにしなければなりません。これの資料がなく、捜索しました。

まず手持書籍の写真を見まくります。

まず、テンダ機関車。9900形 左にのみホースが見えます。

8700形、18900形×2枚、C53、1枚に6400形と5500形。テンダ機関車は向かって左(右側)ですなあ。C50形の図面を見ると、太い列車管は右側、端バリ下です。続いてタンク機関車を見ます。

常総鉄道1C1、500形、1000形、C10形。この他、950、2120、2400・・・タンク機関車はことごとく左右にあります。これは絶対ルールあるぞ。明治~大正初期のスタンドパイプ式から、このタイプへの変更は、きっと自動連結器交換と関係があると睨んで、国立国会図書館デジタルアーカイブ「鉄道車輛ノ連結器ヲ自動連結器ニ取替ニ関スル記録 : 大正14年7月実施」を検索。

おお、あったあった。自動連結器準備改造の7項。「真空列車管ノ位置ハ機関車中心ヨリ右側ヘ760粍,軌条面上680粍トス。「タンク」機関車ニシテ旅客列車ヲ牽引スルモノニ対シテハ真空列車管装置ヲ機関車ノ前後共両側ニ取付ル事。其位置ハ前項ノ通トス。其他ノ「タンク」機関車ニ対シテハ在来ノ「スタンドパイプ」ヲ使用シ其位置ヲ機関車中心ヨリ右側約350粍ノ距離ニ移動スル事。」とありますな。勘はビンゴでした。位置もわかった。

同書には9900形端バリ図面もあり、照号13が真空列車管、右上の照号15がホース受けですね。左方の左上に照号15の側面図も書かれています。照号16はホース口金を受けて密閉する部材です。

照号16は「機関車工学(森彦三著)」記載のホースカップリングを受ける「ブラッグ」ですね。これ、桜木町110形にも靖国のC5631にもついてました。今度、鉄道博物館にも見に行こうかな。

ついでに同書掲載の4輪客車の自連改造図も載せておきます。真空列車管は端バリで左右に分かれてます。中心からの位置は勿論760㎜。車軸発電機、蓄電池箱も描かれていて、大正末期の4輪客車の装備の参考になります。是非皆さんも同書をアクセスしてみてください。

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