古典ホニの仕掛再生 その5 | 鉄道省半田鉄道局

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1/80鉄道模型(Jゲージ)工作記事を中心に、鉄道と身の回りの出来事を書いてゆきます。
​(平成26年11月8日Yahooで開設、令和元年6月22日こちらに移転しました)

今回工事中のホニのプロトタイプについて説明します。
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まず虎の子の鉄道省形式図。もちろん復刻版です。










イメージ 2作っているのはこの5800形式ホニ5815、5816です。
元は鉄道作業局の上中等車です。これを格下げ改造した車です。なので珊瑚のキットを改造しよう、と思ったわけです。





イメージ 3実車の写真もあります。鉄道ピクトリアル「木製客車メモランダム」掲載。ホニ5816。明治のランプ筒は撤去され水雷型ヴェンチレータが追設されています。
床下にはエアブレーキが。妻は貫通に改造されています。幕板にはヴェンチレータ・シールドが残っています。
写真説明によれば履歴はホイロ5163→(中略)→ホニ5816→ホヤ6522→ホエ7067 となっています。

イメージ 4原型の写真です。鉄道史料18号掲載。この写真、「100年の国鉄車両」「日本の客車」には載っていません。
窓が向こう上等側が8枚、手前中等側が9枚です。貫通真空制動装置付きです。






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鉄道史料17号「四輪ボギー客車の経歴調査」によれば、履歴は下記です。
ニボ5→M44年ホイロ5154→T2年※ナイロ5179→ホロ5509→ホニ8959→S3年ホニ5816、と上の写真の経歴説明と原番号が違います。この経歴調査、形式図の対照に拠るものですので信用して良いのかどうかわかりません。本来は鉄道公報に拠るのがベターです。(※ママ。正しくはホイロです)

イメージ 6鉄道史料18号掲載の図面(一部)です。
左が上等室(図面時は一等)側で窓8枚。
中央の便所は一等、二等別で行き来が出来ません。妻側にも座席があり非貫通です。鉄道院形式図大正3年客車下巻(国会図書館ライブラリhttp://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2942240)も同様の図になっています。
昨晩書いた、幕板のギャラリーは図面の照号81です。

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81にVentilator shieldとあり幕板に通風口があったのが分かります。



さて、もう1両の珊瑚新キットのホイロ5150ですが・・・。
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キットの中身です。
窓配置も正しく、窓枠別貼りなどグレードアップされています。
説明書には組立ては簡単とあります。
最初、これをこのまま組立て、昭和3年形式の空き番台を使って、ホイロ500にしようかと考えたのですが・・・

”汽車好きクラーケン”さんのブログで大正期に入った(大正2年形式図)姿を確認できました。ホイロ5150形はデッキ付きに改造、箱型のままはホイロ5160形式に代わった姿です。5160形では貫通型になったのは良いのですが、中央の便所の位置・構造が代わり窓配置も変わってしまいました。従って辛うじて一二等車として残った車も、このキットの形態では残らなかったことがわかりました。その後すべて(一部はホロを経て)ホニ、ホユニに改造されました。
ですがこのキットを切り継ぐのはもったいない。まあ、この際、改造されずに1両そのまま残ったと歴史を捏造して、貫通型、エアブレーキ、電灯装置の昭和3年仕様にして遊ぶことにします。

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