私の20代に、突如始まったモーニングの全盛時代。
当時、四大週刊誌がどんどん幼児化する中で。
孤高に大人の漫画を目指した姿に、少年誌で育った大人達が心を惹かれたのだと思います。
その当時の漫画は、今でも相当数全巻買いしていまして、それをちょっと全部紹介してみましょう。
モーニングの全盛時代は、間違いなく、この漫画で幕を開けました。

「沈黙の艦隊」です。
この漫画は、漫画界に一石を投じたといっても過言では無いと思います。
当時、このような政治色が強くて、軍事色も強く核を扱う漫画というものは、もう本当にタブー中のタブーでした。
この漫画を読んでいる時、「よくこれが問題にならないな。。。」と思いました。
その位、ぶっ飛んでいましたね。
で、この漫画の凄い所は、徹底的なリアリズムで描かれているので、政治の右だの左だのが、しょせんはプロレスごっこでしかなくて、本質は別のところにあるという、凄いど真ん中を突っ走っていた所にあるんです。
だから、この漫画に、右も左も口を挟めなかったんです。
最大の味方=最大の敵。
これは、つまりはアメリカですよね。
日本、いや世界をリードしているのはアメリカであって、それは味方と同時に敵なんだという所に、この漫画の核心があります。
その、アメリカ以外の全ての国の悩みと、同時に最強であるが故のアメリカの悩み。
それらの対比と、かわぐちかいじ独特の発想とアイディアが素晴らしかったです。
当時の日本が推し進めていた、国連中心主義も、この漫画では現実と理想の対比で、実に面白く書かれています。
この漫画は、日本人全員を大人にしたといっても、過言では無いです。
その位のインパクトがあったし、その名残は今も残っていると思います。