高圧線に触れると死んでしまいます。
なので、防護管を巻くわけですが、防護管を巻いたら死ににくくなります。
これは、防護管に抵抗があるからです。
防護管は、俗に言う絶縁体なわけですね。
因みに、普通の高圧線から離れてて死なないのは、つまり空気が絶縁体だからです。
もっと言うと、木も絶縁体に属しています。
勿論、絶縁体と言っても、全く通さないわけではありません。
木の場合、水分があるわけで、それを介して電気が通る可能性があります。
例えばですが、高圧線に触れている植木が焦げている場合が多々あります。
これはつまり、長時間触れているからです。
電気というのは不思議なものでして。
その速度は、世の中で最速の秒速約30万キロメートルという、とんでもない速さなわけです。
そう考えると、電気が通るスピードというのは一瞬で、時間なんて関係ないんじゃないか?と思うのですが、そうじゃないんですね。
感電してからの体のダメージには、時間がかかわってきます。
これは防護管をしている高圧線も同じで、一瞬触れる程度なら大丈夫かもしれませんが、長時間触れるとまずダメ。
面白い話として、高圧線よりはるかに電圧の高いものが、自然界のイナズマです。
イナズマは、凄いものだと10億ボルトとかあります。
でも、イナズマって直撃しても死なない人とか、たまにいるんですね。
それはなぜかというと、時間が一瞬だからです。
高圧線に触れて電気が通ってしまうと、人間の筋肉が硬直してしまうんです。
それで、身動きが取れなくなってしまうんですね。
で、高圧線というのは、発電所からゴンゴン電気が来るし、周囲の人も触れないので助けられない。
結果、長時間の電流をくらうことになり、まず助かりません。
高所作業車とか猶更ですね。
また、防護管や樹が絶縁体と言っても、雨に濡れたら抵抗はグンと下がります。
水は電気が通りますから。
その為、高圧線と電柱は、繋がっていません。
実は迂回ルートによって繋がっています。

高圧線と電柱の間には、絶縁体を挟んだワイヤーで繋がれていて、高圧線自体は、電柱をカーブして迂回させているんです。
それによって、雨の日などのショートを防いでいます。
今回、巨大台風によって、海水が巻き上げられて雨となって降り、各地の高圧線がショートしましたよね。
それは、塩水は淡水よりも、遥かに電気を通すので、従来の絶縁体が通用しなかったわけです。
怖いですね。