一昨日の5月1日の映画の日に、アカデミー賞3部門(作品賞・監督賞・主演女優賞)受賞の「ノマドランド」を家近の映画館で娘と観てきました。
映画はノンフィクションの『ノマド 漂流する高齢労働者たち』が原作なんだそうです。そして、なんと出演している主演のファーン役のフランシス・マクドーマンドと男友達の1人以外は、実際の車上生活者たちが登場しているんだとか。
なので、映画がドキュメンタリーの世界に完全に入り込んだ様な感覚になるのが本当に凄くて、それは自然光しか使わなかったという暮らしの中の光の照度だったり、広大なアメリカの自然を写す美しい映像なども十分効果をもたらしていました。
映画館で観れて良かったと思う映画でした。
いや、映画館でないと私は観るのが重くてちょっとしんどい…、映画館だから最後まで観れたと思ったのが正直な感想です。
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わくわくorganize
やさしい暮らし
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マスターライフオーガナイザー
メンタルオーガナイザー®
清水美恵子
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舞台はアリゾナ州のエンパイアという地。
リーマンショックで夫の勤めていた会社が倒産し、その会社に勤めている人しか住んでいなかった街が閉鎖(電気・水道・郵便番号もなくなり)されて住む家を失っただけでなく夫までもガンで亡くしてしまったファーン。
ファーンが選んだのは、夫との思い出の詰まった車で生活することでした。
ノマド(車上生活者)となった人には、それぞれいろいろな事情があります。
私が安心して観ていられたのは、ファーンが企業に勤めたり代用教員をしていたという職歴があり、会社勤めの夫とマイホームを持って普通の生活を送ってきた人だったこと。
決して社会に適応できなくてドロップアウトした結果、ノマド生活になったというわけではなかったことです。
それにしてもファーン役のフランシス・マクドーマンドの演技は凄い!
表情、顔に刻まれたシワのどれもが、ファーンの人生の困難さを物語っている。
だからスクリーンに映し出されるファーンの表情を観ていると、複雑な気持ちになってきます。それだけ存在だけで説得力がありすぎでした。
実はアメリカでは、少ない年金だけでは老後を暮らしていけない、家賃のかからない高齢のノマド民が増えているんだそうです。
高齢のノマド民たちは、ワーキャンパーとして移動しながら仕事をして収入を得て暮らしています。
広大なアメリカでは車を停める駐車場があるから叶う暮らしですが、移動しながら得る仕事はどれも体力の必要な仕事ばかり。
Amazonもこういった高齢者の労働に支えられているという実態が。
一見すると厳しい現実の様なんですが、ワーキャンパーの人たちの間で一種の教祖様のようになっているボブ・ウェルズさんが、「車1台になって、お金とか老後とか…何にも縛られない自由を手に入れた!これを楽しもう!」と説くんです。
そこに集う国中を旅しているワーキャンパーたちは「さよなら」ではなく「また会おう」という繋がりある関係で、それは自由で軽やかな老後の様に描かれていました。
ノマド暮らしの高齢のワーキャンパーを、「自由を手に入れた暮らし」とか「アメリカのフロンティア魂」と肯定的ともとれる視点から意味のある生き方の様に提示してはいますが、映画全般に流れている物悲しい音楽が、それを受け入れざるを得ない社会問題としている様にも私には感じました。
海岸の岩に打ち寄せる荒れた波のシーンでは、人生の厳しさを感じさせられたりも。
ノマド暮らしは決して健康的とは思えませんし。
長い人生のどのタイミングんで何が起こるか分かりませんが、「私たちはいろいろなモノに縛られている。」ということを教えてくれた映画でした。
最後にファーンが「私は思い出を引きずり過ぎた。」と言って、トランクルームに預けていた家財道具を全て処分するシーンがありました。
これからファーンはもっと自由を楽しんで暮らしていけそうな…。
そして一緒に観た娘の感想は、「いつどこで何が起こるかわからないけど、……家や物よりも、人との繋がりを大切にしたいと思った!ノマド民たちの繋がりは、幸せそうに見えなかったから…。」と。
ちょっと難しい映画でしたー。
因みに、前日にネットでチケットを買ったのですが、その時に予約がほとんどないことを確認し、当日も映画館はガラガラでした
ではでは、GWの今日も良い一日をお過ごし下さいませ~
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