SF小説「宇宙惑星物語」 -33ページ目

~復活~

~復活~


「成程、てめえがぶっ殺した大王様の亡骸を俺が見れば犯人は一目瞭然だから、俺がいちゃまずいわけだ、タイミングの悪いときに来ちまったな。」


ガルバンゾーの鋭い洞察力は以前から噂で知ってはいたものの、こうも的を突かれては流石のロームキンも一瞬怯んだようだった。


「おい、マントのお方。あの腹黒い愛妾と吊るんで何を始めようとしているか知らねえけど、お前たちのような偽物に、この、何千年の奥深い歴史を持つポマノフ王国を、引っ張っていけると思うのか?ましてや、あの出来損ないのピョートル王子を立てようとしてるのかもしれないが、とんだ誤算だ。お前は腹黒のお妃様に、丸呑みされてみじめな終わりが待ってるだけだぜ。」


SF小説「宇宙惑星物語」

「長い演説をありがとう。言いたいことはそこまでかな?」


ロームキンの目に、怒りの炎が微かに見て取れた時だった!


ドドドドドド・・・・・!ドカーン!


塔が、低い唸り声を上げたかと思うと、窓に再びジェットタクシーが突っ込んできた!窓枠は外れ、ベッドにぶち当たり、破砕されたレンガの断片が部屋に風と共に舞い込んでくる!


「何だ!どうしたんだ?!」


半身を部屋に突っ込んだジェットタクシーの割れた運転席ウィンドーから、あの、オレンジの鶏冠の頭が覗いている!鋭利な車体の先端のデザインは無様に崩れているが、けたたましい噴射音を立てて、まだまだジェットタクシーが健在であることを示していた。


「さあ!メーギル王子を載せて逃げるんだろ?!早く、乗れよ!」


後部座席でのびていた鶏冠の運転手のことなどすっかりみな忘れていたが、この時ほどこの緑色の生き物を頼もしいと思ったことは無かった。


ガルバンゾーが突然、トーマスの腰から電子フェンシングを素早く抜き取ると、青白いブレードを振り払いながら、凄い力でロームキンにぶつかっていった!ロームキンは突然の攻撃に身をかわせず、ガルバンゾーの怪力で押しだされると、数人の部下と一緒にドアの外に飛出し、十数段ほど、階段を転落したようだった。


「いまだ!メーギルと夫人を載せて、逃げろ!」


ガルバンゾーが、重たい扉を勢い良く閉める。次に、ドアの前に黄金の鏡台やテーブルを引きずりながら掻き集めて重ね、ドアロック用のタッチパネルを電子フェンシングの先で思い切り突いて破壊した!


「ぼけっとみてるんじゃねえ、すぐまた入ってくる!今のうちに早く乗り込め!」


トーマスがガルバンゾーから電子フェンシングを受け取ると、夫人、メーギルの順に後部座席に乗り込む。ジュイフ、シュムタが続き、最後にジルがガルバンゾーに叫ぶ。


「早く乗れよ!」


「いいから、お前たちで行け!俺のことは心配するな。」


ジルは戸惑いながら再びガルバンゾーを見つめた。


「早く!少しでも遠くまで行くんだ!」


ジルはガルバンゾーの言葉に決意を新たにし、乗り込んでドアを閉めると、運転手に叫んだ!


「バックして、さっきの速度で、極点に向かえ!」


「アイアイサー!」


鶏冠の運転手はさっきのオドオドした気配を微塵も感じさせない凛々しい顔つきでタッチパネルを操作した。


「王子様、お妃様、しっかり掴まったかい?!」


ブーーーン!


大きな噴射音を立てると、部屋中のものがひっくり返り、ベッドのシーツが天井まで舞い上がった!ガルバンゾーが柱の陰で飛び散る粉塵に思わず顔を背けた。


ドドーーウ!


ジェットタクシーは、勢い良く後退し、塔の縁で旋回すると、獅子の唸り声のような轟音と共に、あっという間に暗闇に消えていった!




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