”オリゴメタスタシスについて調べたこと−その1 オリゴメタ説の歴史” | 寄り道ダイアリー

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「市民のためのがん治療の会」のコラムに、呉隆進先生が『オリゴメタ(Oligometastases:少数転移)の治療 』という題で寄稿されています。(2009年12月のものです)
以下抜粋


原発巣の治療後に転移で再発と診断されたステージⅣ期の患者さんが、長期生存を目指せるオリゴメタであるか否かを判断する上で重要な因子が2つあります。
ひとつめは、原発巣と転移巣が成長する速度の関係です。転移巣の成長速度が原発巣よりも速ければ速いほど、数多くあるそれぞれの転移群(原発巣が成長していく各段階で次々と放出される転移巣のグループ)の大きさの差が開き、一番大きな転移群が発見された時点では、その他の大半の転移群はまだ画像検査で確認することが出来ない大きさにしか成長していないことになります。ふたつめの因子は、原発巣の治療後から最初の転移群が確認できるまでの期間です。この期間が長ければ長いほど、原発巣から最初の転移群が放出された時点と原発巣が取り除かれた時点の間が短くなり、最初の転移群に続く後発の転移群の出現頻度は低くなります。
したがって、原発巣の手術後、長期間(例えば2年以上)経過した後に、2~3個の転移が見つかったとすると、発見された転移巣の大きさがバラバラで(転移巣の成長速度が原発巣よりも速い場合の現象)、術後の化学療法などで潜在的な大きさの転移群が制御されている場合には、局所治療により長期生存を目指せるオリゴメタと判断してもよい可能性が高くなります。