今夜はクリスマス・イブ。
クリスマスと言えば
「トルコ」(笑)。
＜ブルーモスク＞
「何じゃそりゃ！」と
思った方、お忘れでは
ありませんか？
「サンタクロース」の
起源がトルコにある事。
「七面鳥」を英語で
「ターキー(Turkey)」と
呼ぶのは、トルコに
関係がある事。
今から28年位前、
私はトルコに2年間程住んで
いたのですが、その頃は、
インターネットが無かったので、
トルコ人からこれらの
事実を聞いた時は、
「また適当な事を言って！」と
信じていなかったのですが、
今では、検索すれば、
すぐにこれらの由来が
出て来るので、彼らの
言っていたのは本当だったと
知りました。
さて、私は社会人になってから、
海外勤務が長かったですし、
年末は、それらの赴任地から、
或いは日本から、海外旅行に
行く事が多かったので、
クリスマスを何処で過ごして
来たのだろう、と気になり、
記録と記憶を辿ってみました。
すると、どうやら今までに
20ヶ国位でクリスマスを
迎えている様です。
その中には、
「カンボジア」とか
「ヨルダン」とか
「ブータン」とか、
宗教的には、クリスマスに
関係無さそうな国も
含まれていました。
その他には、キリスト教信者が
大多数の国であっても、
「パラオ」とか
「マーシャル諸島」とか、
南の島国が多いので、
日本や欧州、米国での
クリスマスとは雰囲気が
全く違いました。
そして、2年間程過ごした
トルコについては、
クリスマスの記憶がありません。
まず、イスラム教信者が
大多数の国なので、
今はどうか知りませんが、
少なくとも当時は、
街中にクリスマス・ムードが
溢れるような事が無かったの
だと思います。
更に、クリスマスの頃から
年始にかけて、日本に
一時帰国をしていたのかも
知れません。
ですので、トルコでの
クリスマスの思い出と言うのは
特に無いのですが、ある冬、
雪の日に起きた出来事は、
今でも忘れられません。
その日、イスタンブールで
結構な量の雪が降りました。
当時、自分で車を運転して
通勤していたのですが、
チェーン等の雪対策を
全くしていなかったので、
夜になる前に、早めに
帰宅する事にしました。
会社から自宅までの
殆どの道中は、交通量の
多い大通りなので、
特に問題無く、
運転する事が出来ました。
しかし、最後に、
自宅までのちょっとした
坂道がありました。
多分、30メートル未満で、
普段ですと、それほど急な坂
だとは感じていませんでした。
でも、私が到達した時間には、
既に路面が凍結してしまって
いました。
しかも、あまり広い道では
無いのに、道の両側には
びっしりと路上駐車の車が
並んでいました。
そして、坂道に差し掛かった
瞬間、私の車は、完全に
コントロールを失い、
「アイスホッケー」の
「パック」の様に、
凍結した道を滑り始めました。
幸い、ゆっくりとでは
ありましたが、ちょっとでも
左右に振れれば、両側の
路駐の車に、何台も交互に
ぶつかりながら降下する事になり、
何軒もの住人に謝罪する羽目に
なります。保険手続きも大変です。
或いは、真っすぐ、直滑降した
場合には、自宅のある
アパートの塀に激突するので、
多少の怪我は負うかも知れませんし、
自分の車の前方部は大きな
損傷を受ける事になります。
「最早これまで！」と
覚悟をした瞬間、
奇跡が起きました。
私の車の前に、突如、数人の
子供達が現れ、更には、
前、左、右に分かれて、
車をポンポンと手で押す事で、
軌道とスピードをコントロールし、
何と、全くの無傷で、アパートの
前に停車させたのです。
路面が凍っていたからこそ、
車が滑り始めたのではありますが、
それだからこそ、子供でも
動かせたのですし、
もっと遅い時間だったら、
子供たちは外で遊ぶのをやめて、
家の中に戻ってしまっていたで
あろうと思うと、
本当に運が良かったとしか
言いようがありません。
すぐに車から降りて、
これらの大恩人に対して
最大限のお礼を述べましたが、
子供たちは何事も無かったか
の様に、にっこり笑っただけで、
それぞれの家に消えて行きました。
私には、その姿は正に
「天使」に見えました。
