世界あちこち散歩

世界あちこち散歩

国内外の色々な所で見聞き・体験したヒト・モノ・コトを綴ります

2月23日、天皇誕生日に皇居での「一般参賀」に伺いました。

新年のお祝いの日も含めて、これまでに一般参賀に伺った事は無く、また昭和、平成の時代、そして令和になってからも、何らかの式典或いは交通機関等で天皇陛下をお見かけした事は全くありませんでした。

事前に当日の天気予報として雨または雪と悪天候が報じられていたので、今回伺うかとても迷ったのですが、この歳になると「またいつか」と言う考え方はとても危険で、その「いつか」が来ない事が多くなって来ます。仮に来年生きていたとしても病気で外出できなくなっているかも知れません。ですので、行きたい所があって、今現在行ける状況にあるのなら、先送りにしない事を心がけています。

とは言うものの、一般参賀に伺う上で、心配事がありました

寒さではありません。寒さについては、これまで生きて来て、東京において心底寒いと感じた事は無いので、普段よりも厚着をする事で乗り越えられる自信がありました。

最大の課題はトイレでした。気温に関わらず、室内においても、加齢とともにトイレが近くなっており、事前の調べでは2時間は待つとの事だったので、その間耐えられるかがとても心配でした。

そこで、もしもトイレが我慢できなくなったら、その時点で一切無理せず「勇気ある撤退」をすれば良い、さっさと帰宅しようと決めたところ、気が楽になり、当日予定通り会場に向かいました。

皇居へは幾つかの最寄り駅がありますが、私は東京メトロの「二重橋前駅」で降りました。

時刻は朝8時をちょっと過ぎた頃でした。

正門が開くのが9時30分。天皇陛下と皇族の方々が「長和殿」のベランダにお出ましになる第一回目は10時20分頃との事でしたので、充分に早く着いたつもりでしたが、既に待機の長い行列が出来ており、先頭の人から続く直線の行列は大通りに達しそうになっていたので、そこから随分と離れた別の待機場所に誘導されました。


この時点で頭をよぎったのは、「第一回目のお出ましには間に合わないかも知れない」と言う事です。でも、お出ましは計3回あるので、最悪でも3回目には入れると信じる事にしました。

そして待つこと1時間半。午前9時30分になり正門は開けられ、先頭列が動き出しました。私の列も動き出しましたが、きっと何処か途中で止められて、2回目のお出ましまで待機になるのだろうと思っていたら、驚いたことに、そのまま参賀会場である「宮殿東庭」まで入れてしまいました。




初めてだったので見当がつかなかったのですが、東庭は思っていた以上に広く、収容キャパが大きかったのです。

これで第一回目のお出ましを拝見できる事になりました。

肝心の位置取りですが、東庭に着くまでは誘導に従って整列して歩くシステムになっていたのに、東庭に入るなり何処に場所を取るかは「自由競争」になってしまっており戸惑いました。

案の定、中央付近(天皇陛下を真正面に拝見できる位置)は人気があり、私が東庭に着いた頃には、庭の最前部と最後部の中間辺りまで埋まってしまっていました。

でもベランダからそれほど遠くはないので、その辺で良しとしようと一旦は思ったのですが、庭には段差が無い為、前方に背の高い人が立ってしまうと見にくいと思ったので、戦略を変更し、まだ比較的空いていた左側方向の前方に位置取りをしました。

ここなら少し角度はあるもののベランダが良く見えます。

そして10時20分。第一回目のお出まし。待望の瞬間です。

ほぼ期待どおりに皇族の皆様のお姿を拝見できたのですが、御一人だけ良く見えなかった御方が。。。

その御方こそ天皇陛下!!!

下の写真はベランダを写したものですが、実際にはこの写真よりももっと左側で第一回目のお出ましを拝見していました。

すると、丁度天皇陛下が「窓枠」(縦の棒)と重なってしまい、殆んどお顔を認識出来なかったのです。


これにはとてもがっかりしましたが、仕方ないですし、もっと見づらい場所で我慢されている方も沢山おられた訳ですから、お言葉を聞けただけで満足して帰ろうと思いました。

しかし、第一回目のお出まし後、退出しようと順番を待っていたら、列が全然動きません。


退出するには右方向に移動しなければならないのですが、前方に居た人達の多くはそのまま第二回目のお出ましを待っている様で、退出するには一旦後方に移動して遠回りせざるを得ない状況になっていました。

この時理解したのですが、一般参賀は「完全入れ替え制」では無く、そのまま残って次の回のお出ましを拝見しても良い事になっていたのです。

その一方で、場内アナウンスでは「2回目から入場する人の為になるべく譲ってあげて下さい」と言うような事が言われていたので、やっぱりこれで帰ろうかとも思いましたが、しばらく新たな入場者の動きを見ていたら、明らかに1回目より人が少なく見えました。

ですので、もう2度と来る事が出来ないかも知れないので、遠慮無く11時からの2回目も拝見する事としました。

幸い、前方に居た人の何割かは帰られたので、その分、1回目より中央に近い場所に移動する事が出来ました。

勿論、今回ははっきりと天皇陛下のご尊顔を拝む事が出来ました。

そして11時40分からの3回目になると入場者は更に減ったので、勢いで3回目も拝見してしまいました。

この時点で時刻は12時。朝並び始めてから4時間が経過していました。この間、トイレに行っていません。

尿意に耐えて、よく頑張った。感動した!」と「初めて
自分で自分をほめたいと思います」。

実は一般参賀は午前と午後の2部制になっていて、午前には計3回のお出ましがあるのですが、午後の部はお出ましは無い一方で「記帳」が出来ます。

記帳は12時30分からです。

あと30分待つだけなので、記帳もする事にしました。

幸い、記帳の開始時間の頃は行列も待ち時間も無く、すぐに終える事が出来ました。

こうして無事に終えた初めての一般参賀ですが、悪天候の影響か、来場者は少なかった様です。

コロナ禍の影響で、昨年2023年が令和になって初めての天皇誕生日の一般参賀だったのですが、その時の来場者が約8800人。ただし、この年は来場制限があり、抽選制でした。

それに対して、今年は約16000人。来場制限が無かった割には大きく増えなかった様です。

因みに、単純比較は出来ませんが、上皇陛下が天皇であった期間の最後の天皇誕生日一般参賀である平成30年の来場者数は約83000人だったとの事。

と言う事は、来年天気が良ければ、今年から大幅な来場者増加となり、待ち時間も長くなると考えられるので、悪天候に負けず、今年行っておいて良かったかも知れません。

尚、バルコニーにお出ましになったのは、天皇皇后両陛下、秋篠宮皇嗣同妃両殿下、愛子内親王殿下及び佳子内親王殿下で、写真撮影に特に規制は無かったので、私もありがたく撮らせていただきましたが、それを公開する事に関しては、他の方々がそうされるのは特に気になりませんが、自分自身は抵抗があるので、敢えて掲載しておりません。