オーバーブッキングによる欠航とか、
航空会社関連の問題が話題に
なっています。
実際には、
数多く運航されているフライトの中で、
それらは非常に稀なケースだと
思いますので、これだけで、
航空会社に対する信頼を全面的に
失うに至るものでは無いと思いますが、
いずれにしても、
航空会社は多くの人の生命に関わる
業務を行っていると思いますので、
安全運航の為の一層の努力を
お願いしたいものです。
ところで、飛行機での旅行で、
大変嫌な経験をし、
「こんな航空会社、2度と使わない!」と
思った事がある人は
多いのでは無いでしょうか?
でも、実際には、世界には多くの
航空会社があっても、各路線毎では、
選択肢は1社から3社位しか
無いと思います。
それに加えて、空席状況や
チケットの価格等も考慮すると、
結局、「2度と使わない!」と
思った航空会社に乗せてもらわないと
何処にも旅行出来ない事になりますので、
乗客側が妥協を強いられる訳です。
と言って、もっと競合を増やして、
同一路線の就航会社が増えると、
経営危機に陥ったり、
コスト削減の影響で、
安全運航、定時運航に支障を
きたしますので、
非常に難しい問題です。
この様に、そもそも、
航空会社を乗客側が自己都合で
選ぶのは、非常に難しいのですが、
そんな中でも、特に社用で出張する
場合等には、安全確保の観点からも、
特定の航空会社を避ける様に工夫する
人も多いと思います。
私自身の周りでも、
海外渡航の多い人間の中で、
ある時期、何らかの理由で
「あそこの航空会社は避けよう」との
トレンドになった事は何度かあります。
そのうち、今でも忘れられない
経験を1つ御紹介。
それは、ボーイング787問題。
この機種の導入当初、
世界中で不具合が相次ぎ、
日本航空でも引き返した事があって、
大きな話題になりました。
そんな中、その引き返した路線である、
モスクワに出張する事になりました。
日本航空ですと直航便があったのですが、
使用機種はボーイング787です。
そこで、同行する部下が、
「心配なので、ルフトハンザで
フランクフルト経由で
予約しておきました!」
と得意顔で言って来たので、
「おっ、気が利くな!」と
大変感心しました。
そして、当日。
せっかく遠回りして行くのだから、
フランクフルト空港でソーセージと
ビールでも楽しもうかなと考えながら
ルフトハンザに搭乗すると、
まあ!何と言うことでしょう!
ルフトハンザ、お前もか!
使用機種はボーイング787でした。
良く確認しなかった私も悪いのですが、
普通、わざわざ、遠回りの便を選ぶので
あれば、その便の使用機種を調べますよね?
急に機種が変更になる事もありますが、
その時は最初からボーイング787だった
様です。
だったら、日本航空の直航便で
良かった訳です。
この話には更に続きがあります。
フランクフルト空港で降機して、
同行の部下と顔を合わせるなり、
彼も自分のミスを深く反省した様で、
真っ青になって謝って来ました。
でも、こちらも任せっぱなしに
していたのが悪いのだし、
笑い話のネタが1つ増えたと
ポジティブに考え、
彼を責める事は一切せず、
それよりも早くソーセージと
ビールを楽しもう!と
空港内で朝早く開いている
レストランを見つけて入りました。
セルフサービスの
レストランだったのですが、
汚名挽回をかけて、
2つのビール大ジョッキを
席まで運んでくれた彼が、
あと一歩の所で滑ってしまい、
よりによって、
ぶちまけたビールの殆どは
私の身体にかかってしまいました。
その時の彼の顔は今でもはっきり
覚えています。
でも、ここまで来ると、
不運だったのは、
私より彼の方ですので、
怒る気持ちも全く起きず、
むしろ、しばらくは
笑いが止まりませんでした。
結局、朝早かったので、
掃除したばかりだった為、
床が濡れていたのが原因。
我々の様子を遠目に見ていた
清掃スタッフが、すぐに
タオルを何枚も持って来てくれ、
大事には至りませんでした。
その後、私の身体の拭き取りが済み、
ビールを再び彼が買いに行ったのですが、
事情を良く知らないビール売り場の
スタッフに、先ほどの清掃スタッフが
何やら説明してくれて、
代わりのビールの代金は無料にして
くれました。
これらのスタッフ、実はドイツ人では無く、
いわゆる出稼ぎの外国人労働者だと
思われますが、これらの人達のプロ意識と、
店側の彼らへの教育、権限の委譲等、
非常に感心しました。
これから益々外国人労働者に
依存せざるを得ないと言われる日本でも、
根拠の無い反対意見や賛成意見では無く、
現実的で建設的な議論を進めて、
単に欧米諸国の真似をするのでは無く、
日本ならではの仕組みを作り上げる
必要があると思います。