歩行やランニングで発生する膝や、内スネの痛みは動き(モーション)の中で引き起こされます。モーションに異常があれば、骨や靭帯に過度な負担がかかり、いずれ痛みとして現れます。
ナイキの厚底シューズが発売されて以来、これまでになかったような膝の痛みや、スネの疲労骨折をみるようになりました。
・・・考えてもみてくださいよ。小学生や中学生の疲労骨折って、異常ではないでしょうか?
「疲労骨折は、オーバーワークが原因」・・・そんな思い込みを捨て、目の前の患者様、一人ひとりに目を向け、愚直に観察を行ってきました。
そして、ある定量化した法則を見出しました。
それは、痛みや故障が発生している個所に、異常なモーションが発生していることです。
その現象に仮説を立て、検証を繰り返し、最近感じていることは、ナイキだけに限らず、近年シューズに使用されるようになったウレタンフォームをはじめとする、いわゆる「反発性素材」が、人間のもつ本来の動きを阻害し、足の故障を誘発しているように思います。
●世界最小のインソール、『イージス』の開発経緯
イージスは、もともとは2016年、ブラジルオリンピックで、自転車競技選手のパフォーマンスアップを目的として作りました。人間本来の持つ動きを最大限に発揮させることによって、パフォーマンスの向上を目指すものでした。それをランニングシューズ用に調整しなおしました。
実業団ランナーさんに 『イージス』 を試してもらいました。
●イージス装着前のランです。
● ふとももの骨と、脛(すね)の骨が一直線にないのが判るでしょうか??
ノーマルのシューズでは膝が捻じれています。膝が捻じれたまま走り続けると、靭帯や半月板を痛めるだけでなく、力強いキックはできません。
●脛(すね)と踵(かかと)の骨の角度の違いが判るでしょうか??
ノーマルのシューズでは、足首が捻られています。これは、疲労骨折やシンスプリントの原因です。
インソールの中には、アーチの落ち込みを支える機能を持つものや、踵の倒れこみを防ぐなどの機能を売りにするものがありますが、フロント着地で走るランナーには全く意味を成しません。
イージスは、空中姿勢を整えることで、着地の時の関節の整合性を整えます。
●イージス装着後のランです。
そんな意味で、イージスを開発しました。次回は、イージスの衝撃吸収性について書いてみようと思います。
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