「足が強張る(こわばる)、足が前に出ない」
そんなお悩みで昨年末に来院されたランナーさんが、再び来院してくれました。
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高校生のそういう症状はいいけれど、
45歳を超えたそういう症状は嫌ですね。
臨床家ならそう思うのではないでしょうか?
脊柱間狭窄のような症状だと一回の治療で改善するのは難しいと思います。
- 前回の治療のあとすぐに、足が前に出ないのは気にならなくなった
- 足のこわばりも以前より改善された
そう聞いて、安心しました。
今回は、「反対の足のこの辺が気になる」 そんなお話でした。
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前回来院の治療前と、後のフォームを検証してみましょう。
足が強ばる本当の原因が解るかもしれません。
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前回来院時のフォームです。右足のイニシャルコンタクトです。
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イニシャルコンタクトとは
イニシャルコンタクトとは簡単に言えば最初に足が地面接触する瞬間の事を言います。
体重と慣性により地面から受ける衝撃を体で受け止める瞬間とも言えるでしょう。
正常なイニシャルコンタクトでは、地面から受ける衝撃をお尻の筋肉(大臀筋)で受け止めます。
大臀筋は大きな筋肉です。
イニシャルコンタクトの後のプル
体より前で地面をとらえた足を軸に、体を引き寄せる(プル)動きによって体を前に進めます。
その時に使うのがハムストリングス筋群です。
ハムストリングスは大きな筋肉ですから、力強い加速を得られます。
この動作を行う為には、イニシャルコンタクトの時に
足が前額面(顏の表面)より前に出ている必要があります。
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しかし、イニシャルコンタクトの時、接地する足が、体より前に出ていない場合、本来は加速のために使うハムストリング筋群で、接地の衝撃を受け止める事になります。
簡単に言うと、足が前に出ていないと、ハムストリングにかかる負担が多すぎるって事です。
ランニング周期は、1イニシャルコンタクト → 2プル → 3ボトムデスセンター と続くのですが、
【ランニング周期】
ボトムデスセンターでは、地面に着く足に、体重が完全に乗り、ももの筋肉を使って地面をプッシュし、
さらなる加速を得られます。
オスグッドや、膝を痛めているランナーに多いのが、この形での着地です。
本来、地面をプッシュし、加速の為に使う太ももの前の筋肉を体重を支える為に使ってしまう為、太ももの筋肉や膝関節にワーク・オーバー(使いすぎ)の負担がかかります。
サポーターや、キネシオテープで防げるものではないと僕は考えています。
また、予防には、ストレッチやアイシング、マッサージが有効と頻繁に言われていますが、
ランナーは、怪我の予防する為に走っているのではなく、
気持ちよく走ったり、ベストを出す為に走っているのではないでしょうか?
正常なランニング周期を取り戻す事が根本解決への近道です。
足を前に出す動きを治す為には、背中の動きを治す必要があります。
「足がつる、強張る原因は足の筋肉のストレッチ不足」そんな説明を機関で受けた人もいるのではないでしょうか?い足を前に出す動きで重要なのは背中、腰、股関節の動きなんだと思います。
足がつる、強張る原因は、ミネラル不足やストレッチ不足だけが原因ではないのです。