なぜ?足の裏にマメができるのか?そのメカニズムに触れて話してみようと思います。
これは、くるぶしの下の痛みを訴えて来院したランナーのシューズです。
左右の削れ方に違いがあります。
摩耗したところを中心に、シューズが回転してスリップしています。
推進力が空回りしてるので、タイムロスにつながるだけでなく、
足を捻じるモーションが発生していることを示します。
人の体は捻じれに弱く、捻じれのテンションは、様々な関節を破壊します。
今回シューズでグリップしたため、関節を痛めました。
シューズの中で足が遊び、靴底にかかっていた摩擦が皮膚に生じたとき、足の裏の皮膚、
および皮下組織が破壊される為、大きなマメができます。
足の裏のマメは、使いすぎや衝撃によって起きるのではなく、
カラダのメカニズムの故障を訴えているサインと・・・・僕は考えています。
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3か月前に、埼玉県からご来院くださった、ランナーさんが、東京マラソンの前に再び来院してくれました。
主訴は外反母趾の親指の付け根の痛みと、足の指の付け根の痛みでした。
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前回、治療前の歩行を高速撮影で分析した時は、
足の裏が捻じれのある異常歩行が観察されたので、それを治しました。
【治療前】
【治療後】
正常な歩行・通常のランニングをする時に足の裏に荷重のかかる順番は、
踵の外側→小指球→拇指球→拇指の順番に荷重を移動し、土踏まずの外側を使って抜けていきます。
これを煽り運動といいます。
つま先を外に向けて足をつき、抜ける時にはつま先を前に向ける(つま先とは人差し指)正常な足の運びでも、足の裏に回転運動は発生しています。
しかし、正常な歩行、ランニングの動きでは、大腿骨、膝関節、腰部の回旋によって
床から受ける摩擦ストレスを打ち消すだけでなく、前に進む力に変換しています。
上の捻じれと下の捻じれで、捻じれを相互に打ち消しているんですね。
人の体ってすごいですね。
この機能の何処かに異常が生じた時に、捻じれのストレスが発生し、
足の裏のマメができたり、足首、膝関節の小規模捻挫などの微細な損傷を繰り返します。
下の捻じれが正常に行われていない、もしくは固着している関節がある場合、
上の捻じれは打ち消されることなく、下におりてきます。
そのストレスが母趾にかかった時、拇指の外反は強くなり、壊れていくのが外反母趾が発生する原因
(メカニズム)だと僕は思っています。
昭和の頃は、外反母趾の原因は先の尖った靴を履くのが原因と言われていました。
近年では、オーバーサイズのシューズを履くことによって、靴の中で足が前に移動してしまい、
つま先がシューズに当たる、そんな説がよく言われていますが、
裸足で歩けば問題解決?
裸足で歩いても、指は潰されると僕は考えています。
ですから、足の裏の大きなマメや、外反母趾、指の付け根の痛みはカラダ全体の動きを見て、
狂ったメカニズムを正常に治す必要があるのです。
今は小さな損傷が痛み、その炎症が治まり、骨や組織が変形し、固定による痛みが消失したとしても、
その捻じれは、やがて大きな関節を破壊し、ランナーが、ランナーでなくなるまで追い込むからです。
一回目の来院、治療前と後、二回目の来院の治療前と後の姿勢の変化を比較してみます。
距骨を中心に引いた赤いラインが、歩く、走るなどの動きに使う足首の運動軸です。(図1)
一回目の治療前の歩行(図2)と、二回目の治療後の歩行(図3)に運動軸を書き込むと以下のとおりになります。
これまで研究施設レベルでしか行えなかった高速撮影が、一般の治療院レベルでも
手軽に行えるようになり、医療の教科書に書いてある事と違うことが多々見えるようになりました。
真剣に患者様と向き合っていれば、様々な疑問や壁にあたります。
臨床家はその疑問に仮説を立て、検証し、研究をすすめていく最前線にいるべき存在です。
今までの常識、やり方では問題が解決せずに、困っている人がいるならば、
教科書の常識を疑ってみる必要があります。
変わらない人たちが、少しでも変わったならば、世界が少し変わるんじゃないか?と、そう思っています。
ここは静岡の片田舎にある小さな治療院ですが、それができると信じて進みます。
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