栄養学の話⑩です。
今まで五大栄養素の話をしてきましたが、
今回話をするのは、これらに似た成分です。
それが「機能性成分」です。
ぱっと見では分からないと思いますので、
役割やポイントなどを絞って話したいと思います。
栄養素ではないけれど、近い働きをする成分がある
栄養素の定義に当てはまらないが、
健康に良いとされる食品中の成分を
「機能性成分」と言います。
代表的なものが、
「第6の栄養素」と呼ばれている「食物繊維」です。
食物繊維は人体では消化できず、
エネルギーにならないため、
以前は「食べ物のカス」と言われていました。
しかしその後、
生活習慣の予防や便秘の改善などに役立つことが判明し、
食事から必要成分を摂取すべきと
言われるようになりました。
★ランナー×腸内環境
便が滞ってしまうと、
腸内が悪玉菌優位の状態になり、腸内環境が悪化します。
腸は脳と密接に繋がっているため、
腸が汚れるとイライラしたりと、
精神面でも大きなダメージを受けます。
日々の食事で食物繊維をしっかり補い、
快便な状態を維持し、活気溢れる精神状態を保ちましょう。
食物繊維以外に知られているのは、
色素成分であるポリフェノールやカロテノイド、
ネギ類の香りの元である硫黄酸化物です。
これらには抗酸化作用があるため、
活性酸素の除去や細胞の老化防止にとても重要です。
(下記表記のファイトケミカル参照)
また、乳酸菌やアミノ酸類、糖アルコールなども
独自の効果により注目されています。
食物繊維
食物繊維の働き
腸内環境を整え、
便秘や大腸がんを予防する働きがあります。
食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、
水に溶けない「不溶性食物繊維」があります。
どちらも腸内を移動しながら不要物を絡め取り、
腸内をキレイにします。
それにより排便を促して便秘を予防したり、
大腸がんを予防したりします。
また、生活習慣病の予防にも食物繊維は有効です。
減量に役立つため、
ダイエット目的の食事などでは積極的に取り入れましょう。
例:糖質の吸収を緩やかにする
コレステロールなどの吸収を抑える
食物繊維が不足すると
腸内環境が悪化する
→便秘や大腸がんのリスクが高くなる
腸の働きが弱くなり、便秘や痔になりやすくなります。
また、発がん性のある物質が腸内に溜まりやすくなるため、大腸がんを引き起こす原因になります。
それ以外にも、コレステロール・血糖値などにも悪影響を及ぼすとされています。
ランナーにとってレース前〜後は、
食物繊維の摂取は控えた方がよいですが、
普段の食事ではバランスよく摂り、
日頃から腸内環境を整えることが大切です。
食物繊維が多いと
食物繊維の過剰摂取は下痢を起こしやすくなります。
また、下痢は水分とともにミネラルを排出してしまうため、ミネラル不足の危険性も高まります。
特にランナーは、
ミネラルの必要性が一般人より多いため、
バランスの良い食物繊維の摂取が重要です。
食物繊維の適切な摂取量
年齢 |
男性目標量(g/日) |
男性目標量(g/日) |
18〜29 |
20以上 |
18以上 |
30〜49 |
||
50〜69 |
||
70以上 |
19以上 |
17以上 |
不溶性食物繊維 |
水溶性食物繊維 |
||
セルソース |
穀類・野菜 豆類 |
βグルカン |
大麦 オーツ |
ヘミセルロース |
穀類・豆類 |
ペクチン |
熟した果実 |
ペクチン |
未熟な果物 野菜 |
グルコ マンナン |
こんにゃく |
βグルカン |
キノコ類 パン酵母 |
グアーガム |
グアーの種子 |
イヌリン |
ゴボウ キクイモ |
寒天 アガロース |
天草 おごのり |
キチン キトサン |
エビ・カニの殻 |
アルギン酸 |
昆布 あらめ |
コンドロイチン硫酸 |
フカヒレ |
カラギーナン |
紅藻類 |
食物繊維の上手な摂り方
★種類によって機能が異なるため、
“多種類の食品を組み合わせて摂る”
①.野菜は茹でる・焼く・蒸す・煮るなど、
火を通してたくさん摂る
食物繊維を多く含む食品の中でも、
乾物の海藻類や豆類は保存性が高く便利です。
買い置きをしておき、
必要に応じて食事に加えてみましょう。
②.家での食事は“簡単&ちょっとした工夫を続ける”
動物性食品を食べる頻度が高くなるほど、
食物繊維は不足します。
外食や加工食品などではなかなか摂取が難しく、
意識して摂らなければならないのが現状です。
しかし、冷たいサラダなどが多いと腸も冷えるため、
体質によっては望ましくないこともあります。
その場合、温野菜などを積極的に摂るようにしましょう。
ファイトケミカル
ファイトケミカルの働き
「ファイト=食物」「ケミカル=化学物質」を
意味するので、ファイトケミカルとは
「植物由来の化学物質」を意味します。
これは、植物が紫外線や有害物質、
害虫から外敵などから自身を守るために作り出す物質です。
色素や香り、苦みや辛みなどの成分として、
植物性食品(野菜・果物・穀物・豆類など)に含まれます。
その種類は数千種類とも言われ、
今後も増えていくと言われています。
ファイトケミカルは五大栄養素とは異なり、
通常の身体機能維持に必要とされている訳ではありません。
よって、摂取量が少ないからと言って欠乏症が
起こることはありません。
また、生命活動のエネルギーにはなりませんが、
病気を予防する効果があり、
健康を保つためには必須の成分です。
ファイトケミカルには強い抗酸化作用を持つものが
多くあり、ランナーの敵である活性酸素の除去に働きます。
そのため、日頃から積極的に抗酸化物質を摂取することが、過剰になった活性酸素の除去には必要不可欠です。
ファイトケミカルは、野菜や果物をはじめ、
ほとんどの食品に含まれているので、
一日に、野菜350g以上、果物200g以上を目安に、
様々な食品をバランス良く摂取しましょう。
ランナーにとって意識したい機能性成分5つ
アミノ酸類
アミノ酸はたんぱく質を構成する成分で、
肉や魚、大豆、穀物、乳製品など幅広く含まれています。
それぞれ特有の働きをするため、多種類の食品を摂り、
効能を補い合うことが大切です。
効果が期待されるアミノ酸類
αリポ酸 |
摂取したブドウ糖を素早くエネルギーに変えるため、 カラダが疲れにくくなります。 加齢に伴って減少していきます。 【豊富な食材】ジャガイモ・レバー ほうれん草・ブロッコリーなど |
Lカルニチン |
脂質を筋肉に運ぶなど、脂質代謝に不可欠なアミノ酸です。 脂肪の燃焼効果を高めるため、減量などに役立ちます。 【豊富な食品】牛肉(赤身)・豚肉・羊肉・赤貝など |
チロシン |
神経伝達物質(ドーパミン・アドレナリンなど)や ホルモンの材料です。 記憶力を高め、脳の回転を良くします。 【豊富な食品】牛肉・カツオ・大豆製品 バナナ・アボカドなど |
グルタミン酸 |
食品の旨み成分で、集中力ややる気を起こします。 納豆などに豊富なビタミンB2と合わせると 吸収が高まります。 【豊富な食品】トマト・ブロッコリー・チーズ・海藻など |
アスパラギン酸 |
アンモニアなどの有害物質を体外に排出し、 神経系を守ります。 また、疲労回復効果もあります。 【豊富な食品】アスパラガス・乳製品・卵・大豆製品など |
Q.市販のアミノ酸飲料にも効果がある?
A.ランニング後にアミノ酸配合の
スポーツ飲料などを飲むのは効果的です。
アミノ酸は傷ついた筋肉の修復に使われます。
ランニング後、30分以内を目安に補うと、
効率良く疲労を回復できます。
今回ピックアップした成分は、
知らない間に摂取をしていることが多くあります。
普通に生活しているのならそこまで問題はありませんが、
スポーツをしているのなら話は変わります。
ポイントは、他の栄養素とのバランスです。
一つの食材の中に、
複数の栄養素が含まれていることが多くあります。
また、栄養素を高める組み合わせも多くあるため、
食材の特徴を押さえておくと選択が楽になります。
栄養学を覚えるポイントは、
栄養素の働きや目的を覚えることだと思います。
食材を知るだけでなく、
目的に合わせた選択ができるようになるとイイですね(^_^)
第11回:水の役割と水分補給の重要性
若葉治療院 富士院
PLUSbody若葉治療院
〒416-0902
静岡県富士市長通9-1 201号
TEL:0545−63−6288
HP
https://twitter.com/PLUSbody_yamada
YouTube
まぼろし工房 らくちんソックス
HP
YouTube
オンラインショップ(BASE)