第67回角川短歌賞応募作50首詠  「青春を生きたあなた」【第4章】 | わたる風よりにほふマルボロ

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現代短歌新聞2021年4月号

作品掲載

 

new「源氏で紡ぐ和歌便り」

2021年10月分掲載new

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第67回角川短歌賞応募作 

50首詠
「青春を生きたあなた」

 

梶間和歌

 

 

作品全編:

 【第1章】

 

これまでの解説:

 【第2章】

 【第3章】

 

 

 

それをおこなうのが人間である

という条件

 

を無視した理論上の話を

まずします。

 

 

理論上は、

 

大きな傷を負った、その傷が

たとえ昇華していなくとも、

 

その傷の元となった出来事と

心理的にきっちり距離を置き、

その出来事やその時の感情を

適切に“用いる”

 

ということができるならば、

 

その対象を

オナニーの道具としてではなく

歌に詠み

美しい出来に仕上げる

 

という営みが可能です。

 

 

ただ、理論は理論。

実際にそれをするのは人間です。

 

人間は、弱い。

限りなく弱い。

 

無邪気なお子様ではない、

一定年齢まで生きて

このブログをお読みくださる

あなたには

心当たりもありますでしょう。

 

 

仮に人間が弱くないならば、

理論を実践するのは簡単です。

 

が、実際には

 

「人間は弱い」

 

という条件を織り込んだうえで

その理論のこの世における実践を

考えねばならない。

 

 

 

傷をきちんと昇華して

その出来事や感情を歌に用いる

 

というこれは、

 

まず生きているあいだに

傷を昇華しきるという第一条件の

クリアできる人間が少ないので、

 

そのうえでその感情を歌に扱う

という第二条件までおこなう

人間も、当然限られる。

 

 

かといって、

傷は昇華していないながらも

その出来事や感情に

適切に距離を置き

それらを適切に歌に用いる

 

という芸当のできる人間、

こちらもなかなかいません。

 

 

傷が昇華していない

ということは、高確率で

その傷と自己が認識上

べったりくっついているということ

だから。

 

 

そんな、

傷と自己をべったりさせた

人間に

 

そうした傷や体験に距離を置き

それらを適切に扱い

芸術作品に用いること

 

など、できっこありません。

 

芸術とは、

そんな甘っちょろい人間にも

取り組み得る

甘っちょろい営み

ではありませんからね。

 

 

 

ここから少し

余談を挟みますが……

 

余談とはいえ大事な話ではある。

 

そしてまた敵を増やしそうな話

でもある。

 

 

まあ、もったいぶっても

仕方ないですし、

 

このブログを愛読される方は

いまさらこれを読んで

どうとも思われないでしょう、

 

ということで。

 

 

自身の経験した

災害や病気、事件事故などを

扱った歌のほとんどが

失敗するのは、こうした理由です。

 

 

 

皆、自分が

 

「かわいそうな人に対して

 あんな事を言うなんて、

 あいつはひどい。人でなしだ」

 

などと非難されたくないから

被災者や被害者、闘病者と

呼ばれ得る人の歌に

厳しい評をしないだけ、ですよ。

 

 

そもそも、そんな非難をする側が

人としてどうか

と思いますけれどね。

被災者や被害者を一方的に

憐みの目で見るお前は、

いったい何様なのか。

 

しかし、そうした勘違い野郎も

情報発信ツールを持っている

このご時世、

 

そうした輩をある程度想定して

ものを言ったり書いたりすることの

必要な面もあるわけです。

 

 

こうして、

すべての評者とは言いませんが、

BAKAを無視し得ない評者が

オナニー作品に対して

甘い評価をする。

 

評者の弱さゆえに

詠者の甘さが許容されてゆく。

 

 

 

また、同情や共感という

歌の評に入れるべきでない

基準を

歌の評に持ち込んでしまい、

 

下駄を履かせた状態で

歌を受け取り

肯定的な評価をしてしまう、

 

という面もあります。

 

 

どちらにしても、

 

評者たちの弱さゆえの

甘々な評価が

被災者や被害者といった人たちの

歌の価値を無条件に担保する、

わけではない。

 

それらの歌のほとんどは、

私には

正視に絶えない出来と見えますよ。

 

 

 

ともあれ、もちろん、

被災者や被害者と呼ばれ得る

人々の詠んだ歌にも

例外もあります。

 

そうした歌のなかの

例外的な成功作は、

 

 

傷と自己をきっちり分ける

ということのできるほどに

傷を昇華させたか、

 

傷は昇華させていないながら

詠歌上に限っては

傷と自己を分けて扱うだけの

強靭な精神力を育てたか、

 
 
という、いずれにしても
詠者の研鑽のたまものである、
 

と言えるでしょう。

 

 

成功作の作者たちが

傷ついていない、わけではない。

 

 

事件事故や災害を

直接描いたわけではないので

同列には扱えませんが、

 

動乱の時代に生き

傷つかなかったわけがないのに

優れた歌を詠んだ人としては

 

永福門院や光厳院が

好例として挙げられるでしょうね。

 

 

 

 

このあたりを読めば、

 

間違っても自分の人生の傷を

和歌や短歌で表すことで

いくばくかの満足を得たがるような

甘えを選択すまい、

 

という決意は

おのずと固まります。

 

 

 

……この記事、

いつ終わるのかしら。

 

続きはまた明日。

 

 

この記事の

 【第1章】

 【第2章】

 【第3章】

 【第4章】

 【第5章】

 【第6章】

 

 

 

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