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和歌を学ぶ「歌塾」
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作品掲載
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第67回角川短歌賞応募作
50首詠
「青春を生きたあなた」
梶間和歌
作品全編は【第1章】を、
これまでの解説は【第2章】を
ご覧ください。
時を経ても風化しない傷を
歌に扱うのか扱わないのか、
扱うとしたら
どういう姿勢で臨むのか、
という話をしてゆきます。
三井寿を作中主体とした45首に
それを眺めていた読者としての
作中主体の独白を5首添える
という50首詠を
あらかた作り上げたところ、
その構成を変えたほうがよい
とアドバイスをもらった、
それが締め切り1ヶ月半前だった。
そんな梶間和歌が、さてその後
何を考えどうしたのでしょうか。
私にとり職業詠は、
ここ数年真剣に取り組んできて
だいぶこなれてきたかしら、
というジャンルです。
いっぽう、
高校時代の空手道について
和歌、短歌で私の扱ったことは
ありません。
「歌塾」受講生さんに限らず
このブログをお読みの方には
お馴染みですが、
いつもいつも、私は
「歌をオナニーの道具にするな」
と言っています。
みっともない、だらしない、
そんな私的な道具として
和歌という詩形を用いてくれるな、
と。
そもそも人は、なぜ歌を
オナニーの道具としてしまうのか。
和泉式部にしても、
建礼門院右京大夫にしても。
いえ、彼女らはなまじ
名が知られているからこそ
私に槍玉に挙げられるだけ。
私が
その名を記憶する気にもならない
多くの平安時代の歌人や
それ以前の歌人は、
そのほとんどがそういう姿勢で
歌を詠んでいます。
そして、
近現代のほとんどの歌人も。
……そんな愚痴はともかく、
その問いに私なりに回答すると。
「うれしい」でも「悲しい」でも
何でもよいのですが、
抱いた特定の感情を
適切に昇華しないうちに
歌の形にしようとするから、
というのが答えのひとつか
と思います。
自分個人の抱いた感情が
全人類にとって特別な、
尊重すべき
唯一無二のものである、
という無意識の勘違いをしたまま
「見て見て。知って知って」
と歌にしてしまう。
自分自身の体験や感情が
いかに陳腐な、普遍的なもの
であるか
を客観的に認識する能力を
欠いた幼児のような発想、
それが適切に改まらないうちに
歌にしてしまう。
ほかにも
理由は述べられるでしょうが、
とりあえずこの点は
確実に指摘できることです。
いちおう
理論上の話をしますとね。
たとえ傷が昇華していなくとも、
その傷の元となった出来事と
心理的にきっちり距離を置き、
その出来事やその時の感情を
適切に“用いる”
ということができるならば、
その対象を
オナニーの道具としてではなく
歌に詠む
という営みが可能です。
理論上は。
ただ、理論は理論。
実際にそれをするのは人間です。
人間は、弱い。
その弱さを織り込んで考えると
どういう結論に至るのか。
続きはまた明日。
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