後鳥羽院 露は袖に【後編】 | わたる風よりにほふマルボロ

わたる風よりにほふマルボロ

美しい和歌に触れていただきたく。

*:..。o○ ○o。..:*

梶間和歌プロフィール小説

 

歌集『生殖の海』


歌をやり取りする

facebookグループ

 

和歌を学ぶ「歌塾」

個別動画視聴ページ

new基礎講座new

new初級講座new

*:..。o○ ○o。..:*

現代短歌新聞2021年4月号

作品掲載

 

new「源氏で紡ぐ和歌便り」

2021年8月分掲載new

*:..。o○ ○o。..:*

 

 

秋の歌の中に
 
露は袖に物おもふころはさぞなおくかならず秋のならひならねど
 
後鳥羽院
新古今和歌集秋下470
 
 

訳や語釈、これまでの解説は
昨日の記事

お読みくださいね。

 
 

 

整った上の句に

逆接と言いさしでため息をつく

下の句、

 

というその基本的な形の

中ほどに

 

「さぞな」

 

という和歌的でない表現を

ぶち込む。

 

 

……これは、後鳥羽院ですね。

 

「歌塾」基礎講座

第7回講義でも

このあたりには触れましたが。

 

 

そうしてぶち込まれた

小唄的な表現「さぞな」は

はっきりと存在感を持ち、

 

ある人には

小気味よく響くでしょうし、

またある人には

嫌な感じに響くでしょう。

 

どちらにしても、

ただただ和歌的な表現として

違和感なく耳に入ってくる

といったたぐいの言葉ではない。

 

 

 

初心者のうちは

間違ってもこういう冒険を

しないでほしいですが、

 

和歌的な表現が

しっかり板についた

その先には、

こうした口語表現、俗な表現も

取り入れ

歌の型を少し破ってみる、

 

というのもひとつです。

歌柄を広げる試みとして。

 

 

まあ、これを取り入れるに足る

和歌的な基礎教養の

身についている人が

現代にどれだけいるのか、

 

と考え始めると、

 

「絶対に真似しないでください」

 

と強調するのが安全

ということにはなりますが。

 

 

 

後鳥羽院のそれと

並べてよいものか

甚だ怪しいですが。

 

私もがちがちの和歌表現を

詠歌の基本としながら

時々口語の砕けた表現や

乱暴な表現を

取り入れていますが、

 

その精神は後鳥羽院のそれと

同一にしているつもりです。

 

 

 

 

一生を懸けて、少しでも

そこに追いつきたいものです。

 

同時代にライバルや手本が

ない代わりに、

 

800年さかのぼれば、

一生を費やしても追いつけない

手本を遺した人たちが

いくらでもいたのですから。

 

幸いなことです。

 

 

露は袖に物おもふころはさぞなおくかならず秋のならひならねど

 

 

この記事の【前編】

 

 

*:..。o○ ○o。..:*

 

いまの水準、いま以上の水準で

和歌活動を続けるための

ご寄付を募っております。

 

あくまでご無理のない範囲で、

ご検討よろしくお願いいたします。

*:..。o○ ○o。..:*

 

 

 

『源氏物語』も梶間の和歌も

 楽しみたい方へ

 

 

和歌みくじとして遊べる

LINE公式アカウント

友だち追加

 

 

梶間和歌の作品の掲載された

「現代短歌新聞」2021年4月号