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note新企画
2021年2月分アップしました
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梅花留袖
よしさらば軒端のむめはちりもせよ匂をうつせ手枕のそで
俊成卿女
通親亭影供歌合10 五番右勝
建仁元年(1201年)三月、
「通親亭影供歌合」五番右勝。
題は「梅花留袖」、
番えられた五番左は定家の
むめの花ありとやそでのにほひさへやどにとどまるうぐひすの声
声に出し耳で聴いた時の句切れと
実際の句切れのずれがおもしろい。
よし/さらば軒端のむめはちりもせよ/匂をうつせ/手枕のそで
が
意味上の句切れかと思いますが、
歌や散文で「よし」と「さらば」が
セットで使われることも多く
よしさらば/軒端のむめはちりもせよ/匂をうつせ/手枕のそで
と聞こえなくもない。
どちらにしても句切れ多め、
命令形が多用されていて、
あまり見ない形ですね。
命令形は「ちりもせよ」「うつせ」。
一首に命令形が複数
というのは、珍しいかな。
梅の香というアイテムが
多かれ少なかれ
『伊勢物語』をはじめとした
恋物語や恋の和歌を
連想させますし、
手枕の袖も
共寝にせよ独り寝にせよ
恋を前提として用いられる語
ということで、
恋歌の得意な俊成卿女の
本領発揮という感じ。
俊成卿女の歌は、
季節の歌であっても
恋の風情を配したものに
成功例が多く見られますからね。
このあたり、特に。
複数の命令形が成功しているか
は議論できそうですが、
アイテムの選択は
俊成卿女らしくて良いな、
と感じられます。
よしさらば軒端のむめはちりもせよ匂をうつせ手枕のそで
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