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宝治百首歌に、九月尽を
行く秋のなごりをけふにかぎるとも夕はあすの空もかはらじ
西園寺実氏
風雅和歌集秋下713
行く秋を名残惜しく思う気持ちは
九月尽の今日までに
限られているのだろう。だとしても、
夕べというものは
冬を迎えた明日の空であっても
見た目には変わらないのだろう。
今日と明日で、夕べを眺める心持ちは
どうにも同じではありえないのに。
(訳:梶間和歌)
宝治二年(1248年)、後嵯峨院が
『続後撰和歌集』撰集のために
詠進させた「宝治百首」に
詠まれた一首。
入集は貞和二年(1346年)竟宴、
貞和四年までにほぼ完成した
『風雅和歌集』なので、
約百年後ですね。
『風雅集』の配列では
秋下巻の巻軸の歌の手前、
つまり最後から2首目の歌です。
最後から2首目ですが、こちらも、
その次の巻軸の歌「月もみず」も
「九月尽」の歌、
明日から冬だという日の歌です。
なんなら『風雅集』秋下巻の
巻軸の4首はすべて
「九月尽」なのですが。
行く秋のなごりをけふにかぎるとも夕はあすの空もかはらじ
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